表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
205/223

6-39


王都に行くのにまだ時間があるので、翌日からは魔法陣を使った家電作りを始める。

先日、水回りの改善をしたので、一気に家の環境は変わった。

やっぱり、蛇口を捻ると飲める綺麗な水が出る、と言う生活は全然違う。

手洗いの頻度も上がるし、料理も格段に楽に作れるようになっている。

トイレも水洗になっている事で、臭いも無くなったし快適生活だ。


冷蔵庫と、冷凍庫を作った。

前に、バーベキューで簡易版を作って持って行ったので、

作りに困る事は無いと思ってたんだけど、甘く見ていた。


冷気を密封するのとか、扉を閉めたら勝手に密封される作りとか、

冷気は下に向かうので、魔法陣を上に設置して、全体に冷気が回る様にするとか、

結構工夫が必要だった。

それに使える部材も、鉄と木と革だけだったので、中々に苦労した。


ほとんどの部分は、木で作ったので、見た目は扉付きの棚って感じだ。

鉄で作ろうとも思ったんだが、鉄で作ると全体に霜が張りそうだし、熱伝導が高いので、

冷気は全部外に出てしまうので、木で作る事にした。

冷蔵庫と冷凍庫は、別々に作り、日本の一般家庭にある背の高い冷蔵庫の大きさにした。


扉の部分は、締めたら締めっぱなしになる様に、磁石とバネで自動的に閉まるようにした。

磁石だけでも閉まるんだけど、冷気が漏れにくいように、シリコンの代わりに革を使ったので、

バネでも押さえないと、扉が勝手に開いたりする。


魔法陣の位置は、冷蔵庫の天井部分に作った。

その為、棚をしっかり作ってしまうと、上部の冷気が、下の方まで流れなくなってしまう。

なので、棚の端の方は穴を開けて、下に冷気が流れるように工夫してみた。

これが結構苦労した。

効率良く全体的に冷気を通すのは難しい。

この部分は、今後の工夫が必要そうだ。

結局鉄で作ったのは、取っ手とバネ、扉周りの磁石のみだ。


冷凍庫は2つに分けるようにして、下側は俺が魔法で作ったキューブ型の氷を、

いっぱいに入れている。

もう一つは、棚型にしてアイスクリーム作ったり、シャーベットを作る時に使う。

冷蔵庫は、バターと飲み物と、フルーツを冷やすのに使う。

いろいろ検討をしているうちに、あっという間に1週間が過ぎてしまった。


「ノワール家の現在の当主は、騎士団軍団長だそうです。

手紙もその方宛てですね。

マトス様が、ひ孫とおっしゃってたのは、亡くなった宰相補佐をやっていた方の娘だそうです。

息子も居るので、嫁に出るのだとは思いますが、今の所婚約はされていないようですね。

年齢は15歳で、騎士団に所属されているようです。」

「なるほど。」


話によると、騎士団軍団長と言うのは、軍の最高司令官の次の地位らしい。

10の軍団の内の1つの指揮官と言う立場らしく、1万人ほどの騎士が所属していると言う話だ。

平民からしたら、雲の上のさらに上の立場らしい。


「あと、先にケニー商会としての拠点と、ハルトさん用の拠点を確保しに、

店の店員を向かわせています。

3日前には着いているはずなので、多分確保出来ているのではないかと思います。」

「助かります。」

「では、向かいましょう。」


俺達は、王都近所に作った亜空間からみんなで出て、荷車を引いて歩いて行く。

今回のメンバーは、ケニーさんと、クシェル、アリーヤ、ファギーと俺だ。

今回は、防具やその他商売になりそうな荷物もあるので、荷車を引いている。

王国の入り口は、早朝なのに結構混んでいる。

ケニーさんが言うには、いつもの事らしい。

王国は、外からの出入りも多く、宿場も近いので早朝から入る人も多いらしい。

前日の遅くに着いた人が、門の前で野営して、

早朝の門が開くのを待つ事も珍しくないらしい。

アイカの町の南門にも、たまに居たのを見かけた事がある。


1時間ほど並んでやっと入る事が出来た。

街並みは、アイカに似ているのだが、さすが王都と言うべきか人の数が多い。

通りもにぎやかで、門から入ってすぐの所から店なども多い。

商人相手の、宿屋や商会の店がいくつか見る事が出来る。


俺達は、町の北側にある門から入ったのだが、北門から入るとすぐに、

貴族街に入る為の門がある。

こちらは、騎士が門番をしており、鋭い目線で近づく人達を監視している。


俺達は、荷車を引きながらそちらに向かい声をかける。

「おはようございます。ケニー商会のケニーと申します。

ノアール侯爵へのご面会をお願いにあがりました。」

「紹介状と、身分証を出せ。」

「はい。こちらになります。」

ケニーさんは、紹介状と商業ギルド発行の、ケニー商会の身分書を提出して確認してもらう。

「本日は、面会のお申込みだけですので、この者のみで結構です。」

クシェルが、前に出て冒険者ギルド証を出し、身分を証明する。

「分かった。確認するので少し待っていろ。」


門番は、紹介状やギルド証を見ながら、入門者の控えを取り、

「では、クシェル通って良いぞ。」

門番に、ノアール侯爵邸の場所を聞き、クシェルは貴族街に入って行った。

「では、私達は商業ギルドに向かいましょう。」


ケニーさんに案内されて、商業ギルドに着いた。

王都の商業ギルドは、敷地が広く受付の建物以外にも、いくつも建物が敷地内にあって、

事務用の建物や、商品仲介の建物などがあるそうだ。

俺とアリーヤは、ギルド前で待って、ケニーさんとファギーでギルドの中に入って行って、

手続きなどを行う事にする。

俺達2人は、荷物番だ。


商業ギルドに入って行く人達の多くは商人なんだろうが、それ以外の人達も居る。

商人に連れられた獣人奴隷も結構な数が居る。

商人に買われた、獣人奴隷は荷物運びと、護衛が主のようだ。

種族も多種あるが、男しかいないようだ。


女の獣人奴隷は、あまり用途がないとの事だった。

家事をやらせるにしても、毛の有る種族だと、余計に汚れるので敬遠されるし、

料理を作らせるのも、不潔と言う事で嫌われるそうだ。

なので女の獣人奴隷は、毛の無い爬虫類系の獣人の方が人気だという事だ。

と言っても、使い捨てにする人は、気にせずに使うそうだが・・・。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ