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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
202/223

6-36


「大昔、この亜人と王国とで戦争を行っていたそうだ。

その戦争がどのような経緯を辿ったのかは判明していないのだが、

最終的には条約を結んだ事で終了したようだ。

その条約は、不可侵条約だ。

お互いに関わらず、お互いの領域を犯ささないと言う物だ。

それから長い年月が経ち、亜人と言う存在自体が人間から忘れられた。

亜人の存在を知っているのは、一部の貴族のみだ。」

「そのようなお話を、私にされてもよろしかったのでしょうか?」


「・・・あれは、亜人ではないのか?」

「・・・。」

「わしは、ちと特殊でな。大きな魔力を持っている物が近づけば、

感覚的に分かってしまうのじゃよ。

昨日、そこにいるクシェルと言ったか、その後ろに隠れていた子供だな。」


「彼は、ただの人間でございます。

その亜人と言われる者は、なにか確かめる術はあるのでしょうか?

例えば、身体的に特徴があるとか?」

「うむ。亜人にもいろいろな種族があるそうじゃが、

人間とは見た目が違う部分があるそうじゃ。」


「でしたら、マトス様も見た通り、普通の人間でございます。」

「あの魔力で、ただの人間は無いじゃろう。正直に話してはくれんか?

お前達を害したいと言う事では無い。

少し話をしてみたいと思っておるだけじゃ。」


「・・・少し相談をさせていただいてもよろしいでしょうか?」

「良いが・・・お前達、今日にも出るのではないのか?」

「いえ、すぐに済みますので、少しどこかのお部屋をお借り出来ましたらと思います。」

「分かった。」


---------------------------------------------------------


「と言う流れです。ハルトさんは、亜人って知ってましたか?」

「いえ。イヌサヌの書いた中に出て来てはいましたが、

その条約や、どんな種族なのかなんかは知らなかったです。」


なるほど、

亜人って言うので、ギルドの噂とかで聞いていた、

南の海の向こうから来る悪魔の事かと思ってたけど、全然別件だったんだね。


亜人は大森林の北に居るのか・・・。

という事は、北の開拓村に魔獣が出て来たのと、関係してそうだな。

北の大森林に不可侵と言う事だから、開拓村が出来たので、

怒って仕掛けたとかありえそうだな。

という事は、魔獣を操るとか、追い立てるとかが出来るって事か・・・危険だな。

まあ、元宰相と話せるなら、詳しそうだしは聞いてみよう。


「では、いきましょうか。」

「いいんですか?」

「俺も聞きたい事ありますし、

このまま貴族を避け続ける訳にもいかないって気もしてるんです。」


「それはどういう事です?」

「もう、俺の事を知ってしまっている貴族も何人かいる事だし、

変な噂だけ回って暗躍されるよりも、

俺の意思を伝えて行った方が、良いのかもしれないと思ってます。

それに、亜人の事もそうですが、情報もほしいですしね。」

「なるほど。」

「それに・・・ケニーさんの後ろ盾になってくれるなら、

俺も顔合わせして、釘は刺しておきたいですからね。」

「了解です。」


ケニーさんは、外で待機している護衛達に、マトスとの面会を申し出る。

護衛が戻って来て、面会の許可が貰えたので、俺も部屋から出てマトスの元に向かう。

部屋から、俺が出て来た事で、護衛は驚いていたようだが、何か聞いていたのか、

それ以上の詮索はしてこなかった。


「昨日会いましたが、名乗ってなかったので・・・。俺はハルトと言います。」

「その名前は!アイカ侯爵の言ってた、魔法使いか。」

「う~ん・・・アイカ侯爵は、俺の事を探してるみたいですね。」

「確か、冒険者で大銀ランクまで上がったとか。」

「ええ、良くご存じですね。」

「一般的に、出生不明の魔法使いは、どこぞの貴族が、遊んだ結果だったり、

没落した魔術師の子供など、いろいろ面倒なのでな。

情報は、出来るだけ公開するようにしておるのじゃよ。」


なるほど・・・。

そりゃ、魔力が遺伝なら、原因はそうなるだろうな。


「ただ、ハルトよ。お前はそう言った血族ではないな?」

「ええ。孤児とは言え、そう言った血族では無いでしょうね。」

「・・・亜人ではないのか?」

「人間です。亜人については、ケニーさんからは少し聞きましたが、

もう少し教えて貰えますか?」


「ふむ。本当に亜人ではないのか・・・。

亜人と一括りで言うが、亜人にはいくつか種族があるらしい。

らしいと言うのは、わしも残っている資料や、聞いた話でしか知らぬからだ。

今の王国でも、つながりなどは一切ないのじゃ。

分かっている種族は、2種類ほどか。

・小さく小柄でがっしりしていて、腕が長い種族

・同じく耳は尖っているが、背が非常に高い種族

他にも様々な種類がいて、見た目で人間との違いが分かるそうだが、

特徴が記載はされて無い物が多くてな。

ただ、どの亜人も共通的に、魔獣よりも魔力があるとの事だった。」


さすがにファンタジー過ぎて居ないと思ってたけど、

エルフとかドワーフとかそっち系も居そうだな。

魔法は使える事を除けば、この世界はそれほどファンタジーでは無いと、

思ってたんだけどな・・・。


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