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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
199/223

6-33


対策として考えておくのは以下の3つだ。

・3人への突発的な攻撃への対処

・俺に連絡が出来る状況を作る為の対応

・俺がその場にすぐに行けるようになる方法


一番怖いのは、助けを呼ぶ間も無いままに、殺されると言うパターンだ。

なので狙撃や、不意打ちなどが一番警戒しないといけない。

理想は防御の魔法がいいんだけど、これを魔法陣で実現するのは難しい。


俺が使ってる防御の魔法は、反射を弱めた物だ。

反射は、来た力を倍する力で返す魔法だ。

それを弱めて、来た力と同じ力で返す事で、相殺するのが防御の魔法だ。

やってる事は、非常に複雑な上に、状況によっての制御が必要だ。

その為、これを魔法陣で作るのは難しい。


魔法陣のデメリット部分なんだけど、用途が決め打ちなんだよな。

状況に合わせて何かが出来るんじゃなくて、先に決められている動きしか出来ない。

なので、不意打ちや狙撃の対策は、防具で何とかするしかなさそうだ。

ケニーさん、マディ、リル用に、アリーヤと同じような鎖帷子を作った。

これで、頭は守れないが、首元から腰くらいまでは刃が通らないようになる。


緊急時の連絡は、通信機があるので問題ないとは思うけど、

連絡する余裕を与えられないなんて事になると困る。

ただ、これは2人以上が常に一緒に居れば大丈夫だろう。

なので、ケニーさんだけでなく、マディやリルにも、それぞれ、

クシェル達について貰う。


最後は、俺が呼ばれた時にその場ですぐに出る為の手段だな。

これは、魔法陣では無く俺の魔法で行う。

ウィダスで、ケニーさんに持たせていた、亜空間を革袋に入れて持って行って貰おう。

革袋を開けてさえいれば、亜空間の入り口の大きさを変えて。俺が出る事も可能だ。

透明化もかけておけるので、目立つ事もない。


夕飯の前に、ケニーさんがやって来て、そのすぐ後に、

アリーヤとファギーが調査から帰って来た。

「ハルト様、ノアール侯爵家だそうです。

今住んでいるのは、マトスと言う先代だそうです。」

「侯爵!」

「そうなのよ!侯爵って聞いて、耳を疑ったわよ!」


ケニーさんはよっぽどびっくりしたのか、大きな声で、

「ノアール家のマトス様と言えば、前の宰相様じゃないですか!」

「え!」

「しかも、今代の息子が宰相候補となっていて、数か月前に暗殺されたと聞いています。」


噂の暗殺された宰相候補ってやつだ・・・。

名乗らなかったのは、侯爵と言う事だからという事じゃないかな。

気を使わせ過ぎないと言う事かな。

侯爵と言う立場の人間が、ケニーさんに小細工を仕掛けるとも思えないしな。


ただ、そんな人がケニーさんを呼び出す意味か・・・。

本当に、食事が気に入ったってだけの話なのかも知れないな。


「意図は分からないですが、ドウェイン子爵に絡んでる訳でもないし、

行って話を聞くしか分からないって事ですね。」

「・・・そうですね。ハルトさん絡みでは無く、本当に食事と、

防具が見たいだけの可能性が高そうですね。

あんな所を、護衛2人だけで出歩いているって事もあって、

引退されて暇になって、話相手は欲しかったと言う事かもしれません。

名乗らなかったのは、名前が知られてるからなのかもですしね。」

「考えてもきっと分からないので、どう転んでも大丈夫なようにはしておきましょう。

俺は準備していた、装備や荷物をそれぞれに渡す。


「ありがとうございます。明日の献立は、マディさんと決めておきますね。

貴族用の料理にしないといけないので、いろいろ検討が必要なのです。」

「ケニーさん、イヌサヌの資料に貴族用の料理がありましたので、

そちらを参考に料理を選んでいきましょう。」

「分かりました。」

ケニーさんとマディは、キッチンに行って、明日の献立決めと下ごしらえに向かった。


夕飯後に時間があったので、魔法陣の検討の続きをしていく。

魔法陣を動かすのには、魔力が必要になる。

でも、この動かす為の魔力と言うのも、回数を行うと結構な量になる。

魔法陣のOn/Offを繰り返すだけで、魔力切れになり気絶してしまう事になる。

これが、今の通信機が動かしっぱなしにしている理由だ。


これを魔力無しで発動出来るようにしたい。

スイッチをOn/Offするように、簡単に切り替える事が出来るようになれば、

使い勝手もかなり向上するだろう。


検討をするにあたり、まずは仮説を立ててみよう。

魔法陣を起動する為に、魔力を与えるのはただの切っ掛けでしかない。と言う前提で、

検討を行ってみよう。


もしもこの仮説が正しいのであれば、魔法陣を書く時のイメージに、触れば発動とか、

衝撃で発動とかってイメージを入れ込めば、起動すると考えられる。

ただ、検証した結果、どの方法も起動しなかった。

魔力を流すと、起動するので魔法陣側がおかしいわけでは無かった。


そこから分かるのは、魔力を流すのは必須であると言う事だ。

それを前提で検討をしてみよう。

検討の方向としては、その場で魔力を流すのでは無く、

魔力のある物を接触させる方法で検討してみる。


魔力のある物と言うと、魔核や、薬剤で使う魔獣の部位なんかがある。

後は、魔法陣自体にも魔力はある。

一番動きそうなのから試してみる。

Onのイメージをした魔法陣を書いて、それで魔法陣に触ってみる。

見事発動させる事が出来た。


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