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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
198/223

6-32


老貴族は、護衛を1人だけ連れて去って行った。

後に残った1人は、リルに拠点の場所を聞いてから、戻って行った。


「う~ん。ケニーさん、結構面倒な事になっちゃいましたね。」

「そうですね。でも、貴族とつながりが出来るのは、今後の事を考えると、

うれしいですね。

ただ・・・さっきの方は自分の名前を名乗りませんでしたね。」

「そう言えばそうですね。」

「貴族の方が、自分の家に招くのに、名乗らないと言うのはおかしいんです。

普通に考えれば、身分を隠したかったと言う事なんですが・・・。」


貴族と言うのは、自分の名前に無駄に自信を持っている。

それなのに、名乗らないなんて事は、何らかの意図がある時のみだろう。


「確かにそうですね。


単純に考えれば、引退してるからって話だからなのかもしれないけど、

身分を隠しても、自分の屋敷に呼ぶのなら隠し切れないはずだしな・・・。

それならば、家に来るまでのの間だけ隠したいって事か?

そうなると、事前に噂や行く事を知られるとまずいとか、

名前を聞いて俺達が行くのを辞める可能性がある。


「もしもそうなら、ハルトさんの事がなにか知られた可能性ですか?」

「ドウェイン子爵となんらかのつながりがあるのなら、

ケニーさんと俺のつながりを知ってて、なにか動きはあるかもしれないですね。

最悪の場合としては、さっきの老貴族がドウェイン家の先代とか・・・。」

「それはあまり考えたくないですね。」


「荷物だけ家に置いたら、追いかけてどこの屋敷に入るのか、確認してみます。」

屋敷だけ確認出来れば、誰なのかは聞き込みで分かるはずだ。


「分かりました。では、私も明日の準備に戻りますね。」


俺は、今回準備したバーベキューの荷物をすべて収納し、

家に置いたらすぐにさっきの貴族の後を追う為に、ブルーノの町に戻った。

みんなへの事情の説明は、ケニーさんに任せた。


町に戻るとさっきの貴族は、ブルーノの町に入った所みたいだった。

俺は透明化して上空から追跡を行う。

透明化しているとはいえ、あまり町には近付けないので、サーチで追跡している。

今回は、建物さえ分かればいいので、上空からの方が建物の判別がつきやすい。


老貴族は、貴族街に入り奥に進んで行く。

そして、ブルーノの太守が住んでいる建物の方に向かって進んで行く。

え!?・・・もしかして、太守?

太守の建物に入る直前に、曲がった。

あ・・・違うかったみたい。


もしも太守だったら、名乗られただけで誰か分かっただろうから遠慮される。

それが嫌で名乗らないってのもあるかもだったけど・・・そうではないらしい。

それでも、太守の館の隣って事は、それなりの家じゃないのか?

敷地もかなり大きいし、他と比べても、かなり大きい屋敷だ。


この世界の貴族の順番は、

王様、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、準男爵、騎士爵だ。

公爵は、王様の親戚らしい。


後は、日本で例えるなら、

侯爵 = 閣僚なんかの、大臣職や副大臣って感じ

伯爵 = 官僚のトップの事務次官とか、知事って感じ

子爵 = 国会議員や、官僚の役職級って感じ

男爵 = その他国家公務員って感じ。

準男爵 = 事務職の作業員

騎士爵 = 自衛隊員

って感じで、俺は理解している。


今いるブルーノの町は、王都の直轄地なので太守が町を取り仕切ってるらしい。

その為、アイカのように侯爵ではなく、伯爵だそうだ。

そのブルーノ伯爵の隣に住んでいると言う事は、かなり大物なんだろうな。


アイカのドウェイン子爵はお金はあるが、

それほど家柄の良い家とは聞いてなかったから、場所としても屋敷の大きさとしても、

見合わないから違いそうだな。


家が分かれば、後は人に聞けば分かるので、後は戻って誰かに調査をお願いしよう。


俺は、その場で亜空間を出して家に帰った。

ケニーさんは、もう店に戻っているようで、明日の準備を始めてるそうだ。

夕飯の時に打ち合わせに来ると言ってたそうだ。

マディとリルは、バーベキューの後片付けで、キッチンにいる。

後は、みんなリビングに居た。


「もっと遊びたかった~!」

「でも、貴族が来たんだからしかたないでしょ。」

ジャックが、アリスに諫められてる。

「そうだね~。じゃあ近い内にまたやろっか。」

「おお!了解だハルト!」


「アリーヤとファギーは、ブルーノに行って情報収集して来てほしい。

さっきの貴族が、太守の屋敷の隣にある、屋敷に入って行ったので、

そこに住んでる貴族の情報を集めてきてほしい。」

「了解しました。行ってきます。」

2人は、すぐに亜空間から、ブルーノの拠点に移動してくれた。


俺は、明日の対策を考える事にするかな。

工房に籠って、明日の状況を想定する。

今日の状況を見るに、危険はそれほど無いと思っている。

だからと言って、襲われない可能性が無い訳でもない。

貴族の機嫌次第で、不興をを買う可能性はあるし、

マディやリルを攫うと言う可能性も無くはない。

ケニーさんの殺害を狙ってる可能性もある。


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