6-28
せっかく来たのに、町からの海の眺めが見れなかった。
じゃあ、どこか高台に登れば見えるんじゃないかと、平民街の少し外れにある、
高台にやってきた。
そこから海側の様子を伺う。
海岸には小さな港しか無く、漁を生業にしている人は少なそうだ。
海沿いの町ではある物の、漁を主産業にしている訳ではないって事だ。
本当に観光地というか、保養所と言うか、別荘地と言かって感じか。
狭い平民街を一通り見た事で、俺達は拠点に戻り、家に帰って来た。
「明日の、お昼ご飯をバーベキューにしよう。マディ準備お願いね。」
「はい。腕によりをかけて頑張ります。」
「あんな綺麗な所でバーベキューは楽しみだね~、」
アリスとジャックとミーアは解体の仕事をそっちのけで、
マディの手伝いを始めてしまってる。
まあ、明日が楽しみなのはみんな同じなので、
楽しくお手伝いならそれはそれでいいだろう。
俺は、魔道具作りを行う。
まだ魔道具は、調湿冷房機しか作ってない。
今日1日で作れるもので、必要な物と言えば・・・換気扇だな。
調湿冷房機でも、作ってるので作り方は分かるから、そんなに時間はかからないけど、
結構いろんな場所に設置したいから数がいる。
調湿冷房機で作った、空気を送る機械は、羽を使っていない。
どっちにしようか迷ったのだが、羽無しで魔法陣で風を起こしている。
羽があった場合、羽を回すって魔法陣で動作させるので、魔力は少なくて済むのだが、
羽を回すと埃が付いて、結構汚れる。
そう考えると、掃除の手間を省くために、多少魔力を使っても羽無しにした。
夕飯を挟んで、各所に設置をしていく。
これを、浄化槽、浴室、脱衣所、洗い場、トイレ、キッチンなどに、設置していく。
ほぼ屋根裏なんだけど、浄化槽は地下深くに設置しないとだめだった。
中にはスライムが居るので、ほぼ臭いとかは無いんだけどね。
換気扇は常に動いているので、少しうるさいが、寝室には付けてないので大丈夫だろう。
ただ、家を密封して作り過ぎたせいで、いろんな場所で空気が鳴りだしてしまった。
なので扉に隙間を作ったり、窓を日本のサッシのようにして、空気が通るようにしたり、
作った隙間から虫が入らないように、部分的に網戸を作ったりと調整していった。
換気扇を作った事で、キッチンの熱もマシになるだろうし、
かまどやパン窯の煙戻りも減るし、トイレの臭いも、
浴室などの湿気もずいぶんましになるだろう。
あと、解体場ににも設置しておいた。
どうしても、血の臭いが籠るので少しでもマシになればと思う。
まあ扉開けっ放しで網戸にしてるので、どれほど効果が出るのかは分からないけど、
冬場にはそれなりに役に立つだろう。
翌朝、速めに準備の為に俺だけ先行して、ブルーノの海に来た。
亜空間も近いので、家から荷物を運んで用意をする。
バーベキューコンロは、少し大き目に改造して、設置して行く。
食材を置くための、テーブルや、食事をする為のテーブルを作り、椅子も人数分出しておく。
食器なども、人数分用意しておく。
汚れた食器を入れておくための、タライに海水から抽出した水を張っておく。
予備の水も欲しいので、岩場の陰に、30リットル程度溜めれる貯水タンクを作っておき、
水を満タンにしておく。
ビーチチェアも人数分作った。テーブル付きのビーチチェアだ。
さらに、ビーチチェアにパラソルも付けてみた。
浮き輪も作ってみたかったんだけど、中に空気を溜めておくのが難しいので、
木でビート版みたいなのは作ってみた。
これで、少し泳ぎを教えてみよう。
みんな、海に遊びに来ても、足元までしか水に浸からないので、
もったいない気がしてたんだよね。
念の為サーチしてみたけど、海の中に危険な魚なんかはいなさそうだ。
あとは、大き目の段ボールくらいの箱を2つ作ってみた。
出来るだけ密封出来るようにして、中に魔法陣を書いた魔核を発動させて入れる。
片方には、冷蔵の魔法陣だ。
そして、もう片方は冷凍の魔法陣だ。
冷凍の魔法陣を入れた方には、海の水を凍らせた氷を入れる。
形は、キューブ型だ。
冷蔵庫の方には、カラスビンに入れたフルーツジュースを数種類入れる。
さらに、ガラスのグラスを入れておく。
最近は、暇を見てガラス製のビンや、グラスなんかも作ってみてる。
なぜか日本で使ってた物よりも、割れやすい気がするので、厚めにしか作れないので、
いろいろ検討してるんだけどね。
少ししたら、ケニーさんと一緒にみんなも来た。
俺と、ジャックと、ケニーさんは、長めの短パン型の水着だ。
リルに作って貰った。
女性陣には、布を体にフィットした形に作った水着を着て貰っている。
リルと相談して、上下に分かれた形の物を作った。
上は、Tシャツの短い感じにして、縛ってずれない様になっている。
下は短めの短パン型だ。
リルは染めたがったが、海水で色落ちしそうだったので染は無しだ。
こっちの世界の価値観で言うと、布の少ない服ほど、貧乏との認識なので、
浮浪児よりも、安い服と言う価値観のようだ。
セクシーな感じで良いと思うんだけどな・・・。
作って貰ったリルも、そう言う価値観だったんだが、水の中に入る時には、
布が少ない方が、動きやすいと言う話で納得してもらった。
今回は、泳ぎ方の練習もしてもらうしね。