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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
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6-24


しばらくやってなかった、魔道具の研究の続きをやって行こう。

インクで、魔核同士をつなげる事は出来た。

と言う事は、紐なんかにインクを染み込ませただけでも、つながるはずだ。

確認してみると、やっぱりつながる。

これで電線じゃなくて、魔力線が作れるはずだ。


魔力線が出来れば、いくつかの問題が解決する。

家で飲み物を飲む時に、いつも俺が魔法で冷やしている。

でも、俺が居ない時には、常温の物をそのまま飲んでるので、冷蔵庫を作ってあげたい。

ついでに、アイスや、冷凍フルーツ、氷なんかを作る為に、冷凍庫も欲しい。


これを作るのは、多分そんなに難しくない。

両方共、密封できる箱を作って、

冷える魔法の魔法陣を書いた魔核を入れておくだけで出来上がりだ。


ただ、これの魔力を供給するのは面倒なんだよな。

定期的に、キッチンに行って冷蔵庫と、冷凍庫の魔核に触って、

魔力を補充しないといけない。

キッチンだけならまだ、良いんだけど、他にも換気扇とかも作ってみたいと思ってるので、

トイレの天井とか、浴室の天井とか、補充に行くのは面倒過ぎる。


そこで、魔力線と言う話が出てくる。

すべての魔道具から魔力線を引っ張っておく。

で、家のどこかの大量の魔核につなげておく。

そしたら、たまに大量の魔核に魔力を補充するだけで済む。


魔力線の素材は、布や糸も考えたのだが、家の配線で使うには、

破れたり腐ってしまったりすると困るので、

一番素材を豊富に持っている、鉄を使った針金で検討を始める。


ただ単純に、針金にすると数回折ったり、伸ばしたりすると折れてしまうので、

編み込んで、ワイヤーにして使う事にする。

まずは作業は、このワイヤーの作成からだ。


まずは、鉄を糸状にした物を大量に作成する。

これを、編み込んで細い1本のワイヤーにする。

さらにそれを編み込んで、今回使う太さのワイヤーにする。

太さとしては、直径で3mm程度だ。


家と解体場と工房にも、地下から通す必要があるので、結構な長さを作る。

この編み込みの作業は、魔道具を1つ作ってみた。

右側に鉄の糸の束を入れると、左側から編み込んでワイヤーなった物が出てくる。

出て来たワイヤーを、インクに浸けた後、ドラムに巻いて行く。

インクは、一番魔力の低い魔核で作った魔法陣のインクだ。

なんだか、ワイヤーの生産工場とかにありそうな機械で、

細かい針金をくるくると回し、それをさらにくるくると回し、

それが糸巻みたいに完成品のワイヤーが出来て行く。

ワイヤーが出来上がって行くのが見てるだけで楽しい。


この機械は作るのに手こずったけど、完成させると楽しい機械だった。

この魔道具を作るのに、結構な時間かかった。

魔道具作りは、根気と時間がかかるな・・・。


ワイヤーの出来は悪くない。

曲げても、折れたりはしないし、後は錆びにだけ気を付ければいいかな。

地下に通す時には、鉄の配管を先に通して、その中にワイヤーを通す感じにするつもりだ。

こうすれば、配管は錆びてもワイヤーは大丈夫。

どれくらい持つかは分からないが、配管の中の酸素も抜いておこう。


ワイヤーも出来た事だし、家の中に配線していく。

さらに、魔核を保存する為の倉庫を工房の横に増設して、そこに大量の魔核を置き、

魔法陣インクのプールに、ドボドボと入れて行く。

このプール自体が、巨大な魔力元となっている。

持っているありったけの魔核を入れても、余裕があるくらいの大きさだ。

多分、数年くらい使いっぱなしにしても大丈夫くらいの、

魔核がプールの中に入ってるはずだ。


全部入れたので、手持ちの魔核は無くなったけど、

必要になったら取り出したらいいだけだしな。

これで、あとは配線に魔道具を接続するだけで、自由に使えるようになる。


コンセントも作った。

魔道具と、魔法線を繋げる為のコンセントだ。

魔道具から出ている配線を、コンセントに差し込むだけで使える。

コンセントを各部屋に設置して、使いやすいように、家を改装していく。

後は、魔道具を作っていくだけで、家電生活が出来そうだ。


まずは書庫が気になってたので、ここから家電の設置をして行く。

ここには、貴重な資料が多いのだが、木板に炭インクで書かれているだけの資料だと、

消えたり、朽ちたりすると読めなくなってしまう。

その為に、部屋自体の環境を整えておかないといけない。

湿度の調整と、温度の調整を自動でやってくれる魔道具が欲しい。


湿度が高いとカビが生えたりするが、湿度が低い分には問題ない。

なので、除湿器の作成を行う。


除湿の作りとしては、

1.通る空気を乾燥させる魔法陣

2.乾燥時に出た水を外に排出する。

3.空気を排気する魔法陣

これらを、空気管で繋げる。


という事で、まずは乾燥機能を作ろう。

この機能は乾燥だけで、吸気なんかは行わない。

これを部屋の壁の下部に作る。

機能としては、ただ空気を乾燥させるだけだ。

乾燥させると、水が出るのでそれを外に排出する。

ここは、魔道具ではなく管を通すだけだ。


この排水管から、外の空気が流れてこないようにするのに、工夫が必要だった。

思いつくのにちょっとかかったが、排水管でよくあるS字トラップ管と同じ原理にしてみた。

排水の途中に、水が溜まる様にしておけば、水が増えると、溢れて外に出るし、

水で満たされているので、空気は入ってこない。


天井まで配管を通し、天井から乾燥した空気を流すようにする。

こっちには、排気の魔法陣を付けている。

天井側に排気の魔法陣があるので、風が流れ部屋中が乾燥した空気で満たされる作りだ。


作る前は、たかが部屋を乾燥させるだけの、簡単な家電だと思ってたのだが、

なんとも複雑で、作るのに試行錯誤が必要で時間がかかった。

家電って、作りのイメージはそんなに難しくないのに、実際に作ってみると、

いろんな工夫が入っているんだな・・・。

魔法で作ってこの大変さって事は、電気だとさらに大変そうだ。


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