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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
185/223

6-19


解体場に着いたので、手持ちのこうもりを100匹ほど放出する。

1m以上のこうもりを、100も出すとなかなか壮観だ。

「こんなにも・・・。」

「出来るだけ早めに加工して、干し肉にしないと腐っちゃうので、

人手入れてがんばって。」

「本当にありがとうございます。」


フランシスは、解体場に居た人に指示を出して行く。

応援に駆けつけてきた、人も徐々に増えてきた。

「フランシス様、干し肉にする為に、塩を集めているのですが、足りません。」


干し肉を作るのに塩は必須だ。

干し肉を作るのには、先に塩水につけて味付けと防腐するのだが、

それが無いとかなりの環境の良い所じゃないと腐ってしまう。


塩の備蓄はそれなりにあるので、壺を用意させてそこに塩を提供する。

海に行けば、いくらでも手に入るしね。

粉のような塩に驚いていたが、味は変わらないのが確認出来たので、

みんな作業に入っていく。


そうこうしているうちに、フランシスの所に、伝令がやってきたようだ。

「ハルト様、お話の続きは、ギルドマスターの部屋でお願いできますか?」

「どこでもいいんだけどな。」


まあせっかく用意したって言うし、話もまだ残ってるしな。

フランシスについて、ギルドマスターの部屋に行くと、

中にはギルドマスターが座っていた。


「フランシス、どうした?ハルトと言う者を連れてくると言う話では無かったのか?」

「はじめまして、俺が大銀のハルトだ。」

「子供ではないか。」

「ランゲージ様、ハルトこそが魔法使いで今回の食料の補給をしてくれたのです。」

「こんな子供がか?」

「はい。間違いありません。」


「フランシスが言うなら、そうなんだろう。失礼しました。

はじめまして、この町のギルドマスターをしている、

ランゲージ子爵家当主、ヘケ=ランゲージだ。」

貴族がギルドマスターしてるんだ。


「今回、食料を補給してくれた事、本当に感謝している。」

「まあ、この町が全滅してしまったら、俺も困るからな。」

「ところで、街道が通れないのにどうやって、ここに来たんだ?」

「ん?魔法で来たが、それかなにか?」

「ああ・・そうか。抜け道でもあったのかと思ってな。」


「数日中には、街道の魔獣は片付くはずだ。」

「それは本当か!」

「ああ。あと、悪いがこの町に拠点になる家が欲しいんだが、確保出来るかな?」

「家か?」

「平民の家の中で、小さい奴で良いんだが。」

「それなら、空き屋は多いので確保はすぐに出来る。」

「街道が通ったら、知らせに来るので、その時にまでに頼めたら助かる。」

「それは確保しておこう。」


フランシスが、少し考えてから俺を見て、

「ハルト様・・・。一つお伺いしてもいいですか?」

「なんだ?」

「その・・・街道が片付くと言うのに、確証を持ってらっしゃるようなのですが、

それはなぜでしょうか?」


フランシスは、分かってて聞いてるな・・・。

「俺が狩るからだよ。」

「・・・やはりそうでしたか・・・。もう一つ聞いても?」

「ああ。町の周辺の魔獣も俺だよ。」

「そうでしたか・・・。私達は返しきれないほどの恩を受けてますね。」


「まさか・・そんなことが?」

「ランゲージ様、ハルト様なら可能だと思います。」

「何を根拠に・・・。」

「俺は、ハルト様に挑んだ事があるんです。

でも、逃げ出し、それも叶わずすぐさま倒されました。

さらに、我が師であるブラントも、ハルト様には敵わなかったそうです。」

「お前が?それに、冒険者で最強と言われてるブラントもか?」

「はい。」


「一番検討しないといけないのは、この町の今後の動きだ。

今回は、原因が分からない上に、森のすぐそば迄、魔獣がいっぱいになっている。

なので、騎士団を呼んで退治してもらうか、魔獣が落ち着くまで町を離れるか、

塀などの強化を急がせるかなどの対策が必要だ。」

「魔獣が森のすぐそば迄いるのは確認していました。

ただ、町を離れるのは、王の命令により行っている事業の為難しい。

騎士団の要請を行っても、来るまでに50~60日はかかるだろう。

塀も、すぐには完成しない。何か他の手を管変えないといけないです。」

「騎士団は難しくても、魔術師を呼ぶことは出来ないのか?」

「魔術師様は、騎士団を呼ぶよりも難しい。

ただ、許可が出れば確かに早く来てくださる可能性もあるので、

そちらもアイカ侯爵にお願いしてみよう。」


「では、俺はしばらく来ないので、対策は立てておいてくれ。」

「はい。ありがとうございます。」


なんか。すごいボランティアしているな・・・。

なんで、こんなにボランティアしてしまってるんだっけ?

観光の為に、町を救うとか・・・そんな気はないんだけど・・・。


まあ、でも原因には興味があるからな。

なぜ、魔獣が平原や街道にまであふれてて来たのか。

考えられるのは、より恐ろしい物に追い立てられて、出て来たとか、

魔獣が操られているとか、

大森林の魔獣はそう言う習性があるとかかな・・・。


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