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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
183/223

6-17


「俺は、夕飯が終わったら、北の開拓村でフランシスに確認した後、

街道沿いに様子を見てくるよ。」

「あたしは、ご飯が終わったら、飲みに行ってきます!」

「アリーヤお金は大丈夫かな?」

「はい。あ・・・でも、どうします?

ここに情報ルートを作っておくなら、少しお金を握らせて何人か雇っておきますけど。」


なるほど。そういう事も出来るのか。

「そうだね。少しお金をばらまいて置いてもいいかもね。

ただ、ここの情報はそれなりに重要なので、

どこかの組織やグループに投資して、情報を集めて貰うとか出来ればいいかもな。」

「なるほど。信用出来そうなグループについても、情報を集めてみますね。」

資金をそれなりに渡しておく。

大銀貨と、銀貨で合わせて日本円で20万程度だ。


「そういえば、一人で大丈夫?

ここには1人残って貰ったらいいから、一緒に行った方が良いんじゃない?」

「いえ。一人の方が動きやすいのと、師匠に紹介して貰った人にも会うので、

一人で行かないと信用して貰えませんから・・・。」

「なるほど。何かあったら連絡して、すぐに行くから。」

「はい。ありがとうございます。」


夕飯が終わって、アリーヤを見送ったら俺も出かける。

北の開拓村近所に作った亜空間から出て、透明化して上空に飛び上がる。

サーチした所、北の開拓村近辺には魔獣はいない。

前に討伐して以降、増えたりはしてなさそうだ。

相変わらず、未開の大森林には、大量の魔獣が居るのであふれ出しそうではあるが・・・。


そのまま、上空を街道の方に進んで行く。

情報通りだな・・・。

北の開拓村から、畑地帯を抜け、少し行った所までは、俺が前に狩ったので魔獣は居ない。

その先の街道沿いと平原も含めて、かなりの魔獣が徘徊している。

虫系ばっかりなので、強い奴が出て来てるとかって事はなさそうだ。


前の時は、こっちに居るのまで、俺がやらなくてもいいかなと思ったり、

面倒と思ったり、雑魚の魔獣狩りに飽きたとか、他の町に早く行きたいと思ってたりとか、

いろいろ理由はあるのだが・・・。


こっちも狩っておかないと、開拓村は全滅するだろうな。


まあ、少し狩ってみるか。

俺は、街道の方に高度を落として近づいて行く。

魔獣達が気付いたようで、こっちに寄ってきているので、範囲酸欠で気絶させる。

街道に降り、ナイフで止めを刺して、亜空間に回収していく。


・・・冒険者達の死骸だな・・・。

実際の死骸はもう無いのだが、血の付いた胸当てや、小手、剣や槍なんかも散乱している。

荷馬車も、打ち捨てられている。

なんとか街道を通ろうとしたのかもしれなな。


人数にして、30~40人以上死んでそうだ。

遺品なんかは、集めずにそのままにしておこう。

街道が安全になったら、集めるだろう。


街道を片付けて、通れるようにするまでに、また何日か必要だ。

それまでに、こんな犠牲は出ないようにしないとだな。

先に開拓村に行って、フランシスに話しておいた方が良いだろう。


夕飯後とは言え、まだ外は明るいので、もう少し魔獣を狩って、

暗くなってから開拓村に侵入しよう。


そこまでしてやる義理なんてないんだが、

いつか、ここに遊びに来ようと思ってたのに、こんな状態って言うのもな。

それに、フランシスにさらに貸を作って置けば、拠点なんかで便宜を計ってくれそうだ。

後は、原因も探っておきたい所だな。

ここだけでなく、他の場所でもこうやって魔獣が溢れるような事があるのなら、

原因をしっておかないと、家や獣人村なんかも危険かもしれない。

一番弱い虫の魔獣とは言え、飛ぶ奴もいるので塀だけでは防ぎきれない。


俺はそれから日が暮れ、あたりが暗くなるまで、魔獣を狩りまくった。

平原にもいるけど、とりあえず街道沿いだけを中心に狩っていく。

このペースで狩っても、街道が通れるようになるのに何日もかかりそうだ。


丁度いい感じに暗くなってきたので、開拓村に向かう。

北の開拓村は、数件の貴族の家と、一部平民の家、

そして多くの貧民の家が立ち並んでいる。

森側には、塀が出来ているが、ほんの一部だ。


冒険者が居そうな場所と言えば貧民街だが、まずは冒険者ギルドを見つけよう。

上空から、透明化のままで町の人気のない所に侵入し、徒歩で移動する。

上空から見た限り、ギルドっぽい場所は、貧民街と平民街の境界にあった。

多分、ここが冒険者ギルドだ。

小さな小屋があって、外には掲示板が出ている。

中は依頼の処理をする所だろう。

裏には、訓練場があり、宿屋や、飲み屋も隣接している。

まだ日も暮れてすぐなので、人もそれなりにいる。


フランシスが居るとしたらどこかな?

訓練場に行ってみよう。

訓練場には、かがり火を焚いて、訓練をやっている人が数グループいるようだ。

こんなすぐに見つかるとは思わないが・・・前にフランシスの家に居た奴を見つけた。

そいつが、少し離れるのを見計らって、後ろから近づき声をかける。


「大銀のフランシスに会いたいんだが。」

「!!」

武器を抜き、俺に構える。

「俺の事を覚えてないか?」

「・・・!!あ・・あなたは・・・。」

「思い出したか?フランシスに会いに来たんだが、どこにいる?」

「フランシス様なら、専用の訓練場にいるはずです。」

「案内してもらってもいいか?」

「こっちです。」


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