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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
181/223

6-15


クシェルとファギーが帰って来た。

「ただいま帰りました。」

「おかえり、どうだった?」

「拠点の方は、確保できそうです。

明日の昼過ぎに案内して貰って、そこで契約して借りる事が出来そうです。」

「それは良かった。」


「あと、町の地図については、写しを取って来ました。

それと最近の町の様子ですが・・・。やはりハルト様の情報が出回ってるようです。」

「あら・・・。」

「冒険者ギルドへの依頼と言う形で出てました。

ただ、「捕まえろ」とかではなく、見つけたら連絡しろと言う物でした。

接触はしないようにとの注意も書かれていました。」

「なるほど、通報されて騎士団とかが来るって感じか。」

「髪色や目の色、年齢や大銀ランクで魔法使いである事まで書かれてましたので、

ハルト様の事はかなり広まってしまっていると思われます。」

「はぁ・・・。もう自由には動きにくいね。」


この町だけじゃなくて、どこの町も一緒かもしれないな。

ハルトって名前で出歩く時には、もう魔法使いである事は隠す必要もなさそうだな。

普段は、この町に入る時に使った本名のユースケにしておこう。


「あと、最近の状況ですが・・・。

獣人国の集落防衛と、獣人国での獣人相手の戦闘という募集がありました。

人数制限なしに募集しているので、かなりの人数を入れていそうです。

仕事の内容も確認しましたが、野良の獣人と戦ったり、

向こうの拠点防衛の仕事のようです。」

「そのまま、奴隷狩りの話だよね。

やっぱり奴隷狩りの拠点は、アルスデスにもあるんだね。」

「他にも、奴隷狩りだけでなく、その他の雑用の人員も募集してました。」

牛獣人の村長の言ってた事は大体合ってるって事か・・・。


俺に奴隷狩りをやめさせようとか、そう言った正義感は別にないんだけど、

奴隷反対の考えではなく、人の生活を壊して、

お金を稼ぐ人には共感を覚えないので、協力するつもりもない。

まあ、借金背負っての強制労働とか、犯罪奴隷とかって言うのは、

待遇がまともなら反対する気はないけどね。


「他に、獣人絡みの情報は無かった?」

「他には・・・そういえば。募集をかけているのが、商人のようです。」

「貴族じゃなくて、商人か・・・。直接王国が指示している訳ではないと言う事か。」

船や拠点なんかが、商人だけで手に入れられる物ではないので、

王国が絡んでるのは確実なんだろうけど、

設備だけで人員は出してないって感じなのか。


「せっかくなのでお昼ご飯食べたら、町を見に行こうか。」

「でも、ハルト様あまり出歩くのはまずいですよ。」

「・・・そうだね。」

せっかく来たのに、俺は外に出ない方がいいのか・・・。

フードさえ被ってたら、ばれないとおもうんだけどなぁ~。


昼ご飯は、家から運んで貰ってみんなで食べてる。

お昼が終わったら、クシェルとファギーには、買い物に行って貰った。


俺は、外に出れない事だし、魔法陣検討の続きを行う。

魔核に魔法陣を書く事で、2日くらいは持つようになったが、さらに長く持つのが理想だ。

で、考えてたのが魔核を複数個つなげる事が出来れば、

さらに日数を伸ばせるんじゃないかと考えている。


連結の検証なので、魔核に魔法陣を書いて、その魔核の魔力が切れた後、

どうなるかが見たいので、本当に魔核に書くと2日動かさないと検証が出来ない。

なので、魔核を砕いて小さくしてから検証してみる事にした。


板に魔法陣を書いて、砕いた魔核を1つだけ置いてみる。

これで魔法を発動すると、さっきと同様に、魔法陣の魔力が切れてから、

魔核の魔力を使いだした。


同じように、魔法陣の別の場所に、2つ目の魔核を置いてみた。

こちらも、魔核の魔力が切れてから魔力が消費されて行ってるのが確認出来た。


次は魔法陣の上に置いた魔核のさらに上に、重ねる感じで魔核を置いてみた。

この置き方だと、魔核の魔力は使われなかった。

魔法陣に接触していないと、使われないようだ。


という事は、魔法陣に直接接触していない、魔核に魔法陣を書いてみる。

この魔法陣は、触っている魔核に魔力を流す効果をイメージして書いた。

これもダメだった。


積んだ方の魔法陣を発動しても、供給しようとはしなかった。

ふと思って、逆さまにしてみた。

魔法陣の書かれている方を、下にして積んでみた。

これならいけるのを確認した。

魔法陣を介して接触していると言うのが条件なようだ。


もしかして・・・。

魔核の欠片を全部一旦除けて、新しい欠片を一つ置く。

この上に、魔法陣インクを1滴たらす。

その上にもう一つ魔核の欠片を置いてみた。

魔法陣インクと言うのが、接続の為に使えるんじゃないかと言う予想だ。

この予想は正解だった。


これが分かれば、欠片を離れた所に置いて、魔法陣インクでどんどんつなげていく。

3つでも、4つでも接続できることが確認出来た。

これが出来るなら、つなげればつなげるだけ、長持ちする魔法陣が書ける。

品質のいい魔核も要らないかも。

魔核の量が多くなると、重さも大きさも大きくなるので、

持ち運びの物は良い魔核、持ち運ばないでいい物は、

魔力の低い魔核って住み分けが出来そうだ。


せっかくなので、ウィダスで前に見た、通信機の受信ってやつを、

試しにあれを作ってみよう。

あれは、多分それなりの魔核を使った奴だったんだと思うけど、

今回は、魔核を砕いて使うので、なんとかなるだろう。


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