表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
179/223

6-13


読んでは戻って、違う資料を読んで、さらに読み返して、

やってみて失敗して、少しずつ理解すると言う形になってしまった。

それでも、この資料が無ければ取っ付きも出来なかったので、

十分この資料はありがたかった。


それに、魔法とかイメージとかって言う概念的な物が多かったのも手こずった理由だ。

理解だけすると言うのなら、読めばなんとかなるんだけど、

使えるようになるにはまた別の話だからな。

それでも、何とか魔法陣を自分で書いて動かせるくらいまでは行った。


俺の理解では、魔法陣と魔法は、ほぼ別物と言うくらい魔法陣が便利過ぎる事が分かった。

魔法は、魔法陣の簡易版なんじゃないかと言えるほど、

魔法陣の方が細かく動作するし応用力が高い。

その上、発動にほとんど魔力が必要ないので、誰でも使う事が出来る。


魔法と違って、魔法陣でなら他人に魔法を掛けやすい。

と言うと、少し表現として違うのだが、魔法陣を発動を本人がすれば、

本人の魔法として発動されるので、効きやすいと言う意味だ。


例えば、回復の魔法陣を書いて、回復してほしい人が自分で発動すれば、

そのまま自分の魔法のように効果が発揮される。

他人が発動させると、他人が魔法を使ったのと同じく効きが悪い。

ただ、回復を魔法陣にする場合には、かなり良い魔核が必要だし、

症状によって処置も変わるので、回復の魔道具はあまり現実的ではないようだが・・・。


いろいろ便利そうなんだが、デメリットが大きすぎて使い勝手がそんなに良くない。


使う魔核によって、魔力量が大幅に違う為、良い魔核を使わないといけないのだが、

やはりというか、良い魔核ほど手に入れるのが難しい。


程度の低い魔核だと、書いて5分で切れて魔力の補充が必要になる。

魔力の補充は、俺の魔力で補充出来るんだけど、

補充しても元の5分よりも長く使えたりはしない。

程度の良い魔核だと、数週間動かしっぱなしも出来るようだ。


魔核は魔獣狩りを日々行っていた事で、かなりの数持っているが、

持っている魔核と言えば、ここにある壺で言えば、魔力2が一番良い物だ。

魔力2って言うのも、女王蜂からの奴だから2個しか持ってない。

俺って、思ってたよりも強いのは倒してないんだな・・・。


俺が、日本にいる時に思っていた魔法陣ってやつと、一番違うと思った部分は、

実は書かれている文字に、意味は無いという事だ。

イメージさえ出来るのであれば、どんな文字を書いてもいいらしい。

そのイメージを補完する為に、どんな効果で、範囲はどれくらいで、

どれくらいの強さで、魔力もどれくらい使うのかなんかを具体的に記載するんだそうだ、

そこまで具体的に動きをイメージする為に書かれるのが魔法陣らしい。


極端な話、具体的なイメージが出来るのであれば、丸書いてるだけでも動くんだそうだ。

慣れてくればそんな事も出来るようになるのかもしれないが、

今は全部書かないとイメージは出来ない。


いくつか書いてみて動くのを確認したが、これを使っていろいろやっていくには、

まだまだ研究が必要そうだ。

イヌサヌが研究してた情報だけでは、制限が多くて使い勝手はあまり良くなさそうだ。

あと、少し工夫したら便利になりそうなんだけどな・・・。


魔法陣の方は、これからも研究を続けて行く事にして、もうそろそろ結構時間も経ったので、

町に向かおうと思う。


クシェル達も露店から離れて、訓練のみの生活をしているので、時間的にも余裕がある。

その為、3人と一緒にポスタリアの町に向かう事にした。


ポスタリア近所の、亜空間から出て門に向かって歩いて行く。

そういえば、最近はこのメンバーで移動するのはあまりなかったかもしれない。

「訓練はどう?」

「毎日、かなり勉強させてもらってます。」

「あたしは、戦いよりも斥候の修業の方が多くなってしまってます。」

「わたしは師匠が、なかなか厳しいです・・・。」

3人共、それなりに鍛えて貰っているようだ。


「そういえば、ハルト様もうそろそろ、3人共銀ランクに上がりそうです。」

「おお!もうそんなに納品したんだ。」

「はい。銀ランクに上がる時の、試験で本気で戦えるのを楽しみにしていると、

ブラントさんに言われました・・・。」

「・・・そりゃ、頑張らないとだね。」

「あたしは、それが気が重いです・・・。ブラントさんは怖い・・・。」

「わたしは、この武器にずいぶん慣れましたから、

次こそはブラントさんに1撃は入れたいです。」


「そうだね~。ブラントさんには、かわいがってもらってるし、

お礼に倒してあげると喜んでくれるんだけどね。それに、大銀に一気に上がれるし。」


クシェルは、驚いたように声を上げる。

「そんな事出来るのは、ハルト様くらいです。

訓練で手合わせさせていただいてますけど、あの方は本当に最強と言う名の通り、

技術、速度、体力のすべてで桁違いです。」


確かに、ブラントさんは強いけど、

クシェル達も大分いい所まで来てるんだと思うんだけどな。

まあ、見に行けないのが残念だけど、頑張って貰おう。


話ているうちに、ポスタリアの門までたどり着いた。

事前に打ち合わせしていて、クシェルの子供と言う事でポスタリアには入る事にしている。

名前は、こっちの世界では変わってるんだけど、「ユースケ」としてもらう事にしている。

クシェル達は、冒険者のパーティでポスタリアの仕事をしに来たと言う話にする。

しばらく、ポスタリアにいるつもりなので、子供も連れて来たって感じだ。


ポスタリアの門に入り、門番に冒険者ギルド証を見せ中に入る。

町に入る入町税と、子供を含めて大銅貨1枚だった。

アイカよりも少し高いくらいかな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ