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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
178/223

6-12


獣が魔獣に変わると言うのは違うみたいだ。

獣が魔獣に変わるなら、変化中の獣と魔獣の途中の奴が居ても不思議は無いが、

そういった個体は確認出来てない。

また、獣から魔獣が生まれるような事もないし、魔獣から獣が生まれる事も無いそうだ。


獣が何らかの変化を起こして、魔獣になったのだそうだ。

それも、ある時期に一斉に獣が魔獣になったらしい。

その時期までは、魔獣は居なかったらしいが、ある時期を境に魔獣が存在しているそうだ。

これが人為的な事なのか、自然現象なのかは不明という事だ。

それ以降は、獣も魔獣も普通の生態系として、子供を産み増えているのではないかとの事だ。


魔核についても考察している資料があった。

魔核は、魔力が溜まりやすく、自然に魔力が抜ける事はほとんどないそうだ。

魔法陣にすると維持の為、徐々に魔法は抜けて行くが、

一度書くと魔力さえ込め直せば何度でも使える。


イヌサヌは、いろんな酷い実験も試していたようだ。

当初は獣で研究をしていたようだが、徐々に奴隷を使っての研究も行っていた。


魔核を投与する事での、人体の変化を確認していたようだ。

魔核を粉末にして、投与していたようだ。

一時的に魔力が向上する事が判明している。

ただし、効果時間は数分程度の本当に一時的だと言う事だ。

人体への悪影響などは、確認出来なかったらしい。

これが、前にリルの言ってた、魔力増強剤なのかな。


魔核の移植も行っていたようだ。

まずは、単純に魔核を移植したそうだ。

魔核移植による、悪影響は認められなかったが、何の変化もなかったそうだ。

ただ、外科的手術での移植だったようで、

手術後の衰弱により死ぬ事が多かったとの内容だった。


魔核を移植すると同時に、心臓を切り取ってしまう手術なども試していたようだ。

もちろん、すぐに死んでしまっている。


逆に、魔獣から魔核を取り外しても見たようだ。

こちらもすぐに死んでしまう。


そして、魔核の代わりに、同種の獣から取った心臓を移植したが、

手術の手順的な問題なのか、心臓は動かずにそのまま死亡したようだ。

結局、それも魔力が上がるとか、下がるとかの変化は無く、なんの成果も無かったようだ。


屋敷の2階は、こういった手術を行う為の部屋だったようだ。

すべて持ちだされていたので、分からなかったが・・・。

奴隷や犯罪者を捕らえて置くために、地下室もあったようだ。

階段の脇に、小さな物入だと思ってた扉があり、これが地下室への階段になっていた。

地下室に降りると、いくつかに仕切られた牢屋があった。

もちろん、すべて誰も居ない・・・生きている者は・・・。

骨になった死体が、いくつも放置されていた。

獣の物も多かったが、人間の物もいくつかある。

他にめぼしい物はないので、ここに来ることはもう無いだろうな。


イヌサヌはかなり几帳面に、研究の過程や予想を書き記している。

研究者としてはかなり優れているんだろう。

人体実験してるので、外道ではあるんだろうけど・・・。


他に、一覧程度だったが興味深い物があった。

他の家で行われている研究内容だ。


・獣や魔獣と人との合成による、強化された兵士の作成。

これはに獣人の事なんじゃないかな?

強化兵士の作成って、この頃は他との戦争でもやってたのかな?

獣人以外の敵って、いるのかな?

それとも、王国内での内乱とか、騎士団の増強とかそっち?

もしくは、もっと強くなりたい子が望んでやったとかかな?


・亜空間を使わない転移の方法の研究。

これは本当に、転移って感じなんだろうな。

今の亜空間も便利なので、必要なさそうだけど、

任意の場所に思っただけで移動なんて出来たら便利だろうな。


・恒久的な亜空間魔法陣

俺みたいに、魔力があればいいけど、無い人用にって事だろう。


・獣や魔獣を召喚する方法

召喚は、ちょっとワクワクするけど・・・魔獣を呼び出すって、

俺の亜空間から出すだけでも召喚だよな・・・。

これってそういう事なのかな?


・魔力を使わないで魔法を使う方法

これは・・・身を結びそうにない研究だけど、

電力の開発とかって考えると、そういう事なのかもしれないな。


・亜人達の研究

亜人ってなんだろ?

獣人じゃなくて、亜人って?

もしかして、獣人以外にもいるのかな?

悪魔が居るって噂はあるけど、天使とか神様とかも居たりするのかな?

内容が無いので分からないな・・・。

もしかしたら、こっちが戦争相手だったのかな?


まあイヌサヌ以外にも、いろいろな研究を行っている人が居たみたいだ。

そっちの研究をしていた場所の記載があれば良かったのだが、

そこまで詳しくは載って無かった。


今回の最大の成果は、魔法陣の書き方が分かった事だ。

資料の数はそれほどでもなかったのだが、かなり手ごわかった。

手順書とか、入門書じゃなくって、研究資料しかなかったので、

類推しながら実験を繰り返して、なんとか使えるようになった。

それに、研究資料な物だから、前提知識が必要になり、こちらもかなり苦労した。


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