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魔核関連の資料
魔法陣関連の資料
魔法関連の資料
など、俺の知りたかった関連書類だ。
あと、この屋敷関連の資料として、手紙の写しや、費用使用の明細書や収支計算書、
物品の納品書、お金の貸付証書なんかもあった。
手紙の写しから、イヌサヌと言う貴族の研究用の屋敷であった事が分かった。
他にも、この人の生きていた時代の王国の組織図みたいな物とか、
イヌサヌの家系図みたいな物、紋章図みたいな物なんかもあった。
それ以外に、資料として有用な物が数多くあり、
獣や魔獣に関する資料や、鉱石や染色関連、木や草などの資料、
薬剤の資料や、料理のレシピなど多岐に渡る資料が存在した。
かなり興味を引く内容だ。
書庫に資料を全部移して、ある程度分類したので、リルやマディにも開放した。
「ハルト様!これは、多分貴族様の食される、宮廷の料理のレシピです!」
「おお!それは良いね。おいしそうな感じなのかな?」
「ええ。そうですね・・・。非常に凝ってて難しそうですが・・・。
味付けは淡白な物が多そうですね。
これも、にんにく入れた方が美味しいだろうに・・・。
これもきっとハチミツがあいそう。
いろいろと、凝ってはいるんですが、肉類とパンばかりですね。」
「あら・・・。そうなんだ。野菜はあんまり使ってないの?」
「ええ。そうですね。飾り付けにフルーツを使うくらいで、
野菜はほとんど使ってないですね。」
「まあ、昔の料理なようだし、アレンジして使ってみて。」
「はい。知らない調理法とか載ってましたから、挑戦してみます。
この燻製ってやり方とか、蒸すって調理方法はやった事無いので、勉強になります。」
そっか、燻製機とか蒸し器とか作ってなかったな。
燻製機は作り方分からないから、俺もレシピ見て勉強してからかな・・・。
リルも、熱心に資料を読みふけっている。
「リルどうかな?」
「私の知っている薬剤も載ってましたけど、毒系は知らなかったので勉強になります。
それにこれは、魔術師の秘伝じゃないかと思うのですが・・・。
魔力のある食べ物などを、食べたり飲んだりする事で、
持っている魔力が少しずつ成長するそうです。」
「それは朗報かもしれないな。」
魔力の入った食材か・・・。
あ・・・魔力入りのハチミツがあったな。
「魔力の入ったハチミツがあるよ。それを使うようにしようか。」
「それは、希少な物ではないんですか?」
「そんなに量ある訳じゃないけど、使い道も無かったしね。
俺が食べても仕方ないので、家のみんなで食べて、
少しでも魔力が増えるならそれに越した事ないしね。」
魔力が増えるって言っても、どれほど増えるのかは分からないけど、
これから、魔法陣書けるようになったら、動かすのに魔力がいるからな。
「俺は、しばらくこの資料の研究をしようと思ってるんで、家にいるよ。」
「はい。分かりました。」
「他の町に行くっておっしゃってたのは中止ですか?」
「う~ん。研究しながら、気晴らしに行く感じかな。どうせ急がないし。」
「はい。分かりました。」
俺はそれから、研究に勤しんだ。
もちろん、日々やらないといけない作業は行っている。
獣や魔獣狩り、肉の熟成作業や、ハーブの調味料作りなどだ。
他の時間のほどんとは、書庫に籠ったり、魔法陣を試す為に工房に籠ったり、
ジャックに邪魔されて一緒に遊んだり、アリスと一緒に空飛んでみたり、
ミーアが抱き着いて、離れなかったりと、久しぶりのお家ライフを満喫した。
夏も真っ盛りで、書庫も工房も、暑くって作業に集中出来なくなってきたので、
みんなでウィダスに行って海で遊んだりもした。
そういえば、レスリーがケニーさんの所にすり寄って来たそうだ。
奴隷用の拘束具をいくつか持参して、挨拶に来たそうだ。
奴隷を俺が攫ったのを、譲ったって形にしたいんだろうな。
ケニーさんは、受け取って「これからも仲良くしましょう」程度に済ませたらしい。
断ってまた嫌がらせになっても問題だし、
貰っておいても利益をレスリーに渡す事もないから、
とりあえず角が立たないようにしたそうだ。
この一件以来、他の町に行くのに馬車が借りれるようになったそうだ。
俺はそれから、約2か月ほどかけて資料を読み解析していった。
2か月かけたけど、すべてに目を通すにはまだかかりそうだ。
それでもなんとか、魔法陣が書ける所まではたどり着けた。
結局、気晴らしにほかの町に行こうと思ってたが、
行く機会も無く研究に勤しんでいた。
マディの方も、レシピから宮廷料理をいくつか試しに作ってみている。
ただ、宮廷料理よりも、魚料理が多く載っていたのがうれしかったらしく、
ウィダスまで魚を買いに行って、作ってくれている。
最近は、魚尽くしの食事だ。
蒸し器は作ったが、燻製機は構造が載ってなくて、
試行錯誤に時間がかかりそうという事で後回しにしている。
あと驚いた事に、この頃はしょうがを料理に使っているのが普通だったみたいだ。
アイカの町では、しょうがを見かけなかったので、文化が廃れたのか、
貴族だけの話なので、今も食べられてるのかは分からないが・・・。
リルの方から、黒色火薬の作り方と配合が乗っていたとの報告を受けた。
魔法があるこの世界では、それほど重要度は高くないだろうが、
普通に使われてるのかな?
この世界に、火薬なんてありそうな感じではないんだけどな。
これも秘伝の内容なのかもしれない。
まあ、俺も使わないとは思うけど、配合なんかが載ってるので、
材料だけ集めれば作るのは出来るのかもしれない。
まあ、いらないけどね。