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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
174/223

6-8


入ってみると、この部屋は資料室のようだ。

木で出来た棚の中に木板が綺麗に整頓されている。

この部屋は、引き払う時に持ち出しされなかったようだ。

カギのおかげかな?


いくつか資料を確認したが、資料の劣化はほとんどない。

この部屋には、窓も付いてないので湿気も無く、保存状態が良いようだ。

「これは、掘り出し物だな・・・。」

この資料があれば、かなりの事が分かりそうだ。

ここの持ち主の情報や、なんのための建物だったのかとか、

資料があったらいいんだけど・・・。


資料の確認は、一通り回ってからかな。

この資料が有用な物だったらいいんだけど・・・。


とにかく、まずはこの屋敷を一通り確認してみてからだ。

資料室から出て、2階の他の部屋を回っていく。

通路の途中にあるのはすべて客間だった。


右側の一番奥の部屋は、何に使われてたのかは分からないが、

がらんとした広い部屋があった。

壁には何かを吊り下げる為の取っ手のような物があるが、何もかかっていない。

この部屋はなんの用途で使われてたのかは分からないけど、

引き払う時にすべて持って行かれてるのかな?

分からないけど、今は何もないし調べようもないしな。


3階に上がると、扉が左右両側それぞれに1つずつで、計2つあった。

階段を上がって右側に入ってみると中は、豪華な寝室だった。

この部屋には窓があるが、しっかりと閉まっているので湿気は入らず、

ベッドは腐ったりせずに、ほぼそのまま残っている。

ベッドの作りは豪勢な感じで、装飾なんかも入っている。

広さも、キングサイズよりもまだ一回り大きい感じだ。

部屋も2階の2部屋分くらいあるので、かなり広い。


奥にもう一部屋あるので覗くと、こちらはクローゼットだったっぽい。

服なんかは一つもないが、棚を見ると服とか靴とか置いてたんじゃないかと想像できる。

クローゼットは、こっちの世界でもあるんだな。

まあ、貴族の家にはあるか・・・。

衣装とかいろいろ持ってそうだもんな。

染色があるなら、服もいろんな種類あるだろうしな。


サーチで発見したが、寝室の奥にももう一つ部屋がありそうだ。

2階では、こっち側には3部屋あったので、この寝室で2部屋分。

クローゼットで半部屋分あり、残りがこの隠し部屋っぽい。

クローゼットと対になってそうなので、

入り口はクローゼットの入り口と対称の位置と目星をつける。

そこには、空になった木の棚があるので、魔法で移動させてから、

木で出来た壁を剥がしていく。


隠し部屋の入り口は、はずれだったようだ。

入ろうとしたら、そこにベッドのヘッドボードがあり、

明らかに入り口じゃない所に穴を開けてしまった。

隠し部屋の中から見ると、入り口は、クローゼットの中からだったようだ。


部屋の中の雰囲気は、かなり特殊な感じだった・・・。

高そうなカーテンが部屋を区切っていて、全体を見通す事は出来ないが、

一通り回って確認する。

さっきの寝室よりも少し小ぶりのベッドがあり、変わった形の椅子があったり、

布で包んだ机があったりする。


違和感は、布の机の4隅からは紐が付けられており、先は拘束具になっている。

変わった椅子も、椅子の背もたれには拘束具のような物が付いているし、

座る部分も、半分欠けている感じの物だった。

同じく、壁にも拘束具が取り付けられており、怪しい雰囲気の部屋になっている。


一角に棚があり、雑多な道具や、薬品が入っていたと思われる壺が並んでいる。

この部屋は、密封度が高かったのか、かなり保温状態が良いようだ。


「う~ん。拷問部屋なのかのと思ったけど・・・。

ちがうな・・・貴族の性的な趣味のお部屋って感じ・・・なんだろうな。」

棚に入ってた、意味の分からなかった道具をちゃんと見て、理解してしまった。

あんなことに使いそうな道具とか、あれが想像出来そうな道具とか・・・。

触りたくないな・・・。

きっと貴族が、奴隷や使用人を使っていろいろしてたんだろうな。

棚にあった、壺の中身は蒸発したのか、全部空だった。


他に棚に木箱があったので、違う意味で警戒しながら中身を確認すると、

いくつかの装飾品が入っていた。

外に置いてるのが、あんなおもちゃだったので、

もっととんでもないのが出てくるかと思ってたが、普通で良かった。


装飾品を調べると、ほとんどが魔道具だ。

・・・やっぱりとんでもない物だった・・・。

精力増強、性感度上昇、痛覚倍増、意識混濁・・・。

睡眠の指輪、拘束のブレスレット

痛覚無効のアンクレットなど、様々な怪しげな魔道具が・・・。


ひどいな・・・。

これらの魔道具作った人は才能の無駄遣いと思わなかったんだろうか・・・。

まあ、一部の趣味の人には売れそうなので、金儲け目的ならありか・・・。


すべて魔力が切れているようで、すぐに使えるような物はないが、

危なくなさそうなのは、魔力を充填してから、ケニーさんに売って貰えばいいか。

これらの装飾品は、全部いただいておく。


いかがわしい趣味の魔道具とは言え、

高価なはずの魔道具を持ちだしていない理由としては、

きっと、貴族本人が引き払ったのではないと言う事なんだろう。


考えられるのは、貴族本人が死んでしまたので、この屋敷を引き払ったとか、

全員病死かなんかして、後に盗掘されてめぼしい物だけ取ったとか、

そんな所なんじゃないかな。

いや、鍋とか食器まで持って行ってるから、盗賊とかじゃないだろうな。

平和的に持ち出したんだろうから、家主が死んで引き払った感じなんだろうな。


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