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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
173/223

6-7


しかも、魔獣がうろつくような場所なので、

俺のように魔獣を何とか出来るような奴じゃないと、建てる事もままならないはずだ。

俺は透明化したまま、高度を下げて建物を確認する。


建物は結構大きく、しっかりと作られてそうだ。

周囲には石造りの高い塀も作られている。

古い建物なのか、塀には蔦や苔なんかが付いていて緑色になっている。

他にも、2つほど小さめの家が建っている。

俺のように魔法で建てた感じではなく、アイカの町の家とそんなに変わらない感じの家だ。


「これは・・・。なんなんだろ?」

かなり興味が湧いて来た。

ただ、危険な可能性もあるので透明化に、防御の魔法を掛けている。

もう少し、高度を下げて建物の様子が見えるくらいまで近づく。


建物は、どれもかなり古そうな外見だが、どこか崩れたりしている訳でもなさそうだ。

塀も同じく崩れている所はなさそうだ。

誰かが住んでるのかどうかは判断つかないな。


「悩ましいな。今は放っておいて後日調べに来るか、いま見に行ってみるか・・・。」

今回の目的は、東の鉱山なんだけど、いつでも行けるしな・・・。

近隣の村とかで、噂を集めてから侵入を試みると言う手もある。

う~ん。でも、ふもとから見えないし、ここまで魔獣の森の奥地なので、

誰も入って来る事は無いだろうしな・・・。

情報が得られる可能性も低いか。


「気になるし・・・行くか。」

上空から、敷地内に向かって降りて行く。

塀を見渡すと、門はふもと側に向かって付いていた。

完全に閉ざされ、苔や蔦が付いているので、

ここ数年くらい開けた事無いんだろうなって感じだな。


サーチをしても、生き物の気配はない。

誰か住んでるとかはなさそうだし、魔獣がいるとかでもなさそうだ。

まずは、敷地内を一回り回ってみる。

回ってみた感じ、危なそうな何かがある訳でもなさそうだ。


建物は、上空から見たように3つだ。

一つは大きな貴族の屋敷ような物と、小さな家が2つある。


小さな家は、マディの家より少し大きい感じの家のようで、

部屋数も3部屋以上はありそうだ。

キッチンとトイレは、屋外にあるので、それでも平民用なんだろうな。

こっちは、使用人が住んでいた感じなんだろう。

小さな畑だった跡地があるが、これも雑草で埋もれてしまっている。

井戸もあるが、ふたにも蔦が絡まっている。


小さな家は、カギなどもかかっておらず、玄関からそのまま入る事が出来た。

入ってみると、中はかなり朽ちていた。

テーブルの足が折れ倒れてるし、一部天井も剥がれて屋根も見えている。

雨漏りもしているようで、人が住んでいる雰囲気は全くない。

ここには、文字が書かれているような物も見つからないし、人が住んでいた時の、

痕跡と言うか、生活が知れるような物もなさそうだ。


もう一軒の家も同じような感じだった。

両方の家を見る限り、生活中に襲われてとかじゃなくて、引き払った感じだ。

荷物も綺麗に引き払って、なにも残ってない。


大きな屋敷の方は3階まであり、見た目にも貴族が住んでいた事が分かる。

玄関は、しっかりとカギがしまっており、そのまま入る事は出来ないが、

窓の一つが朽ちていて、少し剥がせば入る事が出来た。


窓から入ると、寝室のようだな。

一人用のベッドと、家具などが置かれている。

窓寄りの部分は、雨が入ったのか木が腐ってしまっているが、

それ以外の部分はそれほど劣化は見られない。

家具なんかも、湿気で傷んではいるがまだ使える程度には保存されている。

中は、光の入る部分はともかくほぼ真っ暗だ。



俺は、暗視を発動させながら、窓から入り込んで行く。

寝室に入る為の扉があるので、そこから部屋の外に出る。

扉を出ると通路途中の部屋だったようで、左右に通路が続いている。

右側の通路は、ロビーそして玄関に続いていそうなので、先に左側の通路を確認する。

左側の通路には、左手にもう一つ部屋があり、その中も先ほどと同じような寝室だった。

1階だし、同じ寝室が2つって事は、ここも使用人の部屋なのかな?

通路の突き当りは、キッチンのようだ。

食器や調理道具なんかも無いので、引き払う時に全部持って行ったんだろう。

こっちはそのまま外に出る扉があるだけだったので、戻ってロビーに入る。


ロビーには、上に登る階段と、逆側に同じような通路が続いている。

上に上がる前に、逆側の通路の方だけ確認しておく。

そっちには、応接間と食堂、奥に浴室があるだけだった。

こちらにも、何も備品的な物は残されていないようで、

引き払った時に、全部持って行ったんだろうな。


応接間には、破けた布のような物があったが、色が付いていた。

何らかの染め物だ。

この建物が使われていた頃から、染め物があったって事だな。


「それにしても、なにも無いなぁ~。」

まあ、廃墟なんて別に何かある訳でもないか・・・。

普通は、引き払う時に全部持ちだすので、何か残ってる方がおかしいしな。


2階に上がると、こちらも1階同様に左右に通路があり、それぞれに3部屋ずつあるようだ。

通路の途中の部屋は、客間が並んでいた。


左側一番奥の部屋には、カギがかかっていた。

扉自体も、鉄製の頑丈な物で、南京錠でしっかりと止まっている。

俺は、魔法で南京錠の留め金を加工する事でサクッと開く。


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