表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
168/223

6-2


これくらいかな・・・。

まあ、ある程度蓄えておきたいと言うのもある。

俺が、もしも何らかの拍子に、日本に帰ってしまったら、

アリス達が生活に困らないようにしておいてあげたいしな。

まあ、今ならケニーさんが面倒見てくれるとは思うんだけどね。


露店の方は順調で、どの店も毎日売切れている状態だ。

それぞれの商品は400食限定にしていて、それが売り切れているので、

売り上げはかなりの金額になっている。


1日の売り上げは、大体銀貨332枚。

日本円にして、332万円だ。

半額はケニーさんの所に行っているので、俺の所に入るのは166万。

素材をそのまま納品していた時には、1日7万円だった事を考えると、各段に上がった。

マディは下ごしらえにはもう入ってないので、クシェル達の手が離れたら、

素材だけでこの金額が上がる事になる。


まあ、ハーブの粉末を作ったり、細かい塩を作ったり、

肉を熟成したり、獲物狩りと、多少俺がやらないといけない物もあるし、

解体はアリス達が頑張ってくれているので、

まったく手間がかかってない訳ではないが・・・。


ケニーさんも売り上げに、かなり興奮していて、商人魂全開で働いているようだ。


加工工場には16人揃って、その内2人はリルの手伝いを行ってくれている。

受注生産の魔法の回復薬も、ケニーさんの商会で販売を開始しており、

日持ちする事で徐々に人気が出始めている。

話を聞きつけて、わざわざ買いに来てくれる人も出て来た。

こちらの売り上げは安定しないが、利益が大きいので悪くない売り上げだ。


軟膏については、開発は壁に当たっている所だ。

蜜蝋を取って、軟膏を作る所まではうまくいったのだが、魔法薬自体に水分が多すぎて、

軟膏にすると硬さが保てなくなる。

魔法で水分を抜けば出来るのだが、それだと俺にしか作れない物になってしまう。

その為、方法を検討していたが、俺の作った遠心分離機によって解決した。


防具の販売もケニー商会にて始めている。

と言っても、まだ始めたばかりで全身鎧は1つ、手足のみが1つ売れただけだ。

ケニーさんとの相談で、元々販売している防具屋と敵対してしまう事になるので、

当初はあまり需要は見込めないが、女性専用の防具のみの販売としている。

クシェル達の装備を見て、欲しがる客が少なからず居たと言うのも、

女性のみにした理由の一つだ。


販売している鎧は、クシェル達の鎧とそれほど形は変わらないのだが、

いくつか違いを設けている。

まずは、素材はアリを使い、圧縮はほぼしていない。

その為、それほどの硬度は無いし、少しごついのだが、

魔獣に殴られても少し欠ける程度で防げるはずだ。

刃の付いていない、一般的な剣では鎧を切る事は出来ないだろう。

ただ、突かれると欠けるくらいはするかもしれない。


あとは、耐衝撃性能は低い。

革を内側に当てているだけで、低反発的な物は付けていない。

殴られると、それなりに痛い。

それでも、今までの胸当てだけの装備に比べれば、各段に死ににくくなっているし、

重さも動きにくさもそれほど変わらない。


武器の販売については、今の所やってない。

武器は、なかなかいい感じに、弱めの物を作るのが難しい。

鋼にするだけで、武器としてはかなり強くなってしまう。

だからと言って、鉄のままで刃を付けるのも、強くなる。

鏡面ピカピカな、見た目だけ武器って言うのも考えたけどこれじゃあ売れない。

変わり種の変わった武器も同様だ。

という事で、武器については良いアイデアが出るまでは、販売しない方向で考えている。


ケニー商会としても、5人ほど雇ったようだ。

その為、ケニーさん本人は余裕が出て来たようで、

ウィダスにも露店を作ろうという話になってきている。

開店には、ケニーさんもウィダスに行って、加工工場を借りたり、

露店許可なんかを取らないといけないそうだ。


ケニーさんはほぼ欠かさず、朝晩の食事は家でしている。

マディの料理がかなりお気に入りだし、薬剤の知識をリルに教えて貰ったりして、

なかなかに家に馴染んでいる。


そういえば、全員文字も計算も覚えたので、ケニーさんには教材を返した。

今は、俺の作った教材で算数の勉強をみんなでやる事がある。

九九を暗記したり、掛け算、割り算の筆算を教えて上げている。

これには、ケニーさんも興味があり一緒に勉強している。

一応、小数や分数、グラフや面積の求め方くらいまではやって行こうかと思ってる。

そこまで理解出来れば、いろいろと役に立つはずだ。


獣人の村では、畑の作付けを始めた所だ。

家はすべて完成して、新しい村での生活にも慣れてきている。


水牛は数匹確保してきて、牛舎を作って育てて貰っている。

子供を産んでいるメスも居るので、乳を搾って生乳を手に入れている。

こちらも、生乳を遠心分離器にかけて、生クリームと牛乳に分けて使っている。


畜産が出来るように、今後いろいろ検討もしてもらっている。

子供を産ませて、小さな頃から育てれば、今みたいに暴れないので、

乳も絞りやすいだろう。

それに乳を絞る為にも、子供を産ませ続けないといけないので、

子作りの方法なんかも考えて貰わないといけない。

牛と言っても、獣なので暴れられると普通の人ではひとたまりもないからだ。

乳しぼりはまだしも、交尾させる時にはすっごい暴れそうだ。


アイカを出てから1か月経つが、まだ他の町へは行ってない。

別にこれと言った理由がある訳ではなく、いろいろな雑用をこなしていたら、

他の町に行く時間がなかなか取れなかったと言うだけだ。

もちろん急ぐわけでも無いので、先に雑用周りを片付けてから、ゆっくり行こうと思う。

時間が空けば空くほど、王国側からの手配も緩くなるだろうしな。


俺個人の成果としては、まずはいろいろ作成する為の、専用工房を作った。

今までは、物作りはリビングかアイカの倉庫でやっていたんだが、

アイカの倉庫は騎士団とかに、乗り込まれたらとか考えると集中できないし、

リビングでは、手狭になってしまったのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ