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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
6.エスデスク王国
167/223

6-1


俺が町を出た事にした日から、1か月ほど経った。


貴族が俺を探している件だが、ケニーさんの方にはなんの連絡もない。

ただ、俺の倉庫には何度か騎士団が集まっていたと言う話だそうだが、

倉庫の中に踏み入ったりはしていないそうだ。

アリーヤに倉庫の近所まで行って貰い、確認して貰った所、監視は付いているそうだ。

倉庫に踏み込まない所を見ると、敵対したい訳ではない様子なんだけど・・・。

やはり、あの騎士の突発的な行動な気がする。


ロベルトさんの所にリルに行って貰い、俺の話がどう出ているのかも確認してもらった。

大銀のハルトが、門から出ようとした場合、「領主様からの呼び出しがあるので、

すぐさま連絡し、待って貰うように」との達しが出ているそうだ。

ただ、貴族同様に接しろと言明されているそうで、やはり敵意は無さそうだ。

ただ、この命令が出てしまっているので、俺はいまだアイカの門はくぐれていない。


ギルドマスターからの話は、ブラントさん経由でクシェル達が聞いて来た。

やはり、騎士団所属の警備本隊長が、ギルドマスターの部屋に居たとの事だ。

警備本隊長は、アイカの町の警備の最高責任者だそうだ。

あの日、ギルドマスターの所に来た目的は、盗賊村のリストを受け取るのと、

俺の事の情報収集だったそうだ。

呼び出し自体は、1週間後くらいの予定になっていたそうだ。


ただ、俺を見て何かを感じた様子だったそうで、明日出るとの話と相まって、

何らかの実力行使に出たのかもしれない。

そして、その行動に対して口止めまでしていたので、独断の話っぽいとの事だった。


攻撃するような話は聞いてなかったどころか、

協力を要請するくらいの対応で行くとの話だったし、

その話は、警備本隊長自身の口から言われた事だそうだ。


警備本隊長が、魔術師かどうかについても分からないらしい。

けれど俺を見て態度が急変したって事は、

やはり魔術師だったんじゃないかな。

魔力視が出来るんじゃないかと思われる。

しかも、俺同様に相手の魔力が分かるやつ。


なんの魔法もやってなかったら目立たないんだけど、

あの時は、反射の魔法で体を包んでたから、魔力視で見れば魔法張り続けてる事は、

一目瞭然だったんだろうな。

今後の為にも、対策を考えないといけないな・・・。


その後、ギルドマスターにはなんの情報も降りて来ていないそうだ。

露店の方にも、騎士団からなにかあったりはしていない。

結局、貴族側は紳士的に俺に会いたいって事で、

ただ、その意に反して警備本隊長が要らない事をしたって感じかな。

どっちにしても、貴族とはあまり関りになりたくないので、無視するけどね。


冒険者村の討伐については、無事討伐は完了して騎士団が帰って来ているらしい。

完全に殲滅戦だったそうで、逃げ切れた盗賊は居ないという事だ。

ただ、一緒に近隣の農村も殲滅の対象となったそうで、

周囲の農村の農民達もかなりの数が殺されたそうだ。


冒険者村から農民は離れるようにと指示していたが、無事ではないのだろうな。

逆に退避を指示していた事で、周りの農村の殲滅もされたのかもしれない。

俺はまだ、この世界を甘く見てたのかな・・・。

逃げるならもっと遠くまでと指示すべきだったのか・・・それも難しかったか。


そして、なぜか騎士団にレスリーの私兵が参加していたようだ。

レスリーはなにかしようと思ってたのかは分からないな。

結局殲滅されてるので、何も出来なかっただけなのかもしれないけど・・・。


露店の方はと言うと、3店舗目もオープンし、予定通りに冒険者ギルド前の商品を、

野菜炒めとスープに変えた。

南門前の、シカ肉もかなり売れており、予想を外してウサギ肉も連日売り切れている。

ケニーさんが言うには、うまいので好評と言うのもあるのだが、

王都に行くような商人の意地と言うか、高い商品と安いのがあったら、

高い方を選ぶ習性があるそうだ。

要は、見栄なのかもな。


冒険者ギルド側の新しい商品も、大人気だそうで、

目論み通りに、客層が冒険者に移って行っているそうだ。


現在、露店は5人体制で行っている。

護衛と呼子の2人と、売り子1人に、調理担当を2人にしている。

人が雇えた事で、調理をクシェル達から雇った子に引き継ごうとしている。

ケニーさんが雇った人間である方がいい事と、

クシェル達にはほかにもいろいろやってほしいからだ。


そういえば、クシェル達には給料は払ってない。

マディやリルにもそうだ。

アリス達にも払ってない。


食事には困らないし、住む所も困らないという事で支払ってない。

生活費は、俺というか、みんなで稼いだお金でやってる。

町に行く時には、ある程度お金は持って行って貰ってるし、

ある程度、好きにに使っていいと許可は出してるんだけど使う事もないし、

多分使う事自体がないんだろうね。


食材と衣服、あとは少しの消耗品と、足りない野菜の補充以外は、

今の所購入の必要もない。

武器や、装備は俺が作った方がいいし、料理はマディの方がいい。

おしゃれに興味は無いみたいだし、お酒を飲む訳でもない。

後は賭博とか、施しくらいだけどそんな趣味も無いので、使う事が無いんだろう。


たまに、日々外に出ている、クシェル達が使うのは、

冒険者ギルドでランクを上げる為の手数料を取られるのと、

消耗品や野菜を買って帰る時くらいだ。


倉庫の家賃もいらなくなったし、お金を使ってやれる事を増やすのもいいかもしれないな。

例えば、奴隷を買うとか、魔道具を買い漁るとか、制服の作成とかかな。

後は、なめした皮も、使い勝手が良いのでまとめ買いしておくのもありだな。

他にも、陶器の食器も余裕ほしいし、

貴族が着ている服の、染め方を知っている人を雇いたい。


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