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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
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オスレイ視点(2)


「して、もう1点とは?」

「今回、この情報をもたらしてくれたのは、大銀のハルトです。」

「先日の、東の盗賊退治で斥候をやったと言う奴か。それがどうした?」

「はい。この大銀のハルトが・・・魔法使いと思われます。」

「何だと!どの程度の魔法使いなんだ?」

「かなりの魔法の使い手と思われます。

これまで確証を持てなかったので報告できませんでしたが、今回の件で確実と思われます。」

「どういう事だ?」

「今回の調査をしてきたのは、大銀のハルト一人です。」

「なんだと?」

「しかも、調査の過程で盗賊を30人以上撃退したとの事です。」

「!!」


「そいつは、どういった奴だ?」

「・・・驚くべき事に・・・子供なのです。」

「何をふざけている!・・・いや、ふざけてはそんな事言うはずはないか。

・・・本当なのか?」

「はい。5歳の孤児です。」

「どういう事だ、説明しろ。」


「当初、ハルトが現れたのは、冒険者ギルドにグリズリーベアを納品しに来た時です。

一人で狩ったので、冒険者ギルドに入会させろと。」

「グリズリーベアを一人でか!」

「どう見ても子供だったので、狩った事はともかく、納品は間違いなかったので、

登録はするつもりでしたが、念の為と思いブラントに試させました。」

「して、どうなった。」

「ブラントが倒されました。」

「なんと!あいつなら、下級騎士とでも、それなりに戦える奴だぞ!」

「はい。何も出来ずに、圧倒されました。」


「・・・そいつは危険だな・・・。」

「そうでもないのです。話をする限り、悪意は感じられません。

実際、ブラントはケガ一つ無く、気絶させられただけでした。

それに、自分に害がない限り、攻撃をしてくるどころか、協力的に動いてくれてます。

今回の、西の盗賊の調査も、ハルト側からの提案だったのですが、

一応形式上依頼としました。」

「それだけの力を持ったやつを、野放しする事など出来るはずないだろう。」


「あいつは、自分に害がある時には容赦しないはずです。

西の盗賊の時にも、あいつを害そうとした為、やられているようです。」

「なるほどな。」

「だが、協力的であろうがなかろうが、そのハルトとやらを抑えなければいけないな。」


本隊長は、少し考えながら、

「して、お前はハルトの魔法を見たのか?」

「私が見たのは、ブラントとの闘いだけです。

その時ハルトは、かなり高速で動いてブラントはその動きに付いて行けてませんでした。

そして、ハルトはブラントの足元を練習用のナイフで殴ったと思ったら、

ブラントは気絶して倒れました。」


「ケガは無かったと言ったな。

身体強化ではなく・・・なんだろうな、精神攻撃系の魔法かもしれんな。

となると、エスタール家の関連の者なのかもしれないな。

魔法使いという事であれば、王都からの応援も必要になろう。

この件は、領主様に話をしておく、追って指示を出すが、

この事はハルトには知られないようにせよ。」

「は!」


その日のうちに、再度本隊長に呼ばれて、俺はハルトの監視の任を命令された。

毎日、報告を上げるようにとの事だったが、ハルトも毎日来る訳でも無いので、

必要なら冒険者を監視に付けると話をすると、気付かれては元も子も無いので、

取りやめになった。


そして、別の場所からも同様の報告が上がっているとの話で、

そちらではハルトの魔法が、反射と亜空間移動という情報だったそうで、

ハルトの魔法は空間系ではないかとの話になったそうだ。


そして、空間系の魔法使いであった場合、非常に貴重な能力であるとの事だそうだ。

どうしても友好的に接触の必要があるという事になったそうだ。

もしも空間系の魔法使いならば、敵対の意思を見せれば、

亜空間移動で逃げられてしまう可能性がある為だそうだ。


領主様が直々に呼び出す事になるのだそうだが、

警護の為に王都から魔術師様を呼び出すとの事で、1週間程度はかかるとの事だ。


数日後、西の冒険者村にいると思われる人員のリストが出来たとの報告を行った所、

本隊長が自ら、冒険者ギルドに赴いていらっしゃるとの事だった。

これまでも、何度も来られた事はあったのだが、

ハルトの情報も欲しがっての事だろうとは予想出来た。


「オスレイ、ギルド前の雰囲気が少し変わったな。

料理の露店とは変わった物を作ったな。」

「はい。ケニー商会からの、申し出で露店を許可しました。

非常に美味で体にも良いとの事で、冒険者にもかなりの人気になっています。」

「体に良い食事とは、珍しい物だな。」

「平民の食べる物ですので、本隊長が興味を示されるような物では・・・。」

「まあ、そう言うな。町の警備の為にも、そう言った情報も必要なのだ。」

「はい。」

「で、資料が出来上がったそうだが?」

「こちらになります。」


俺は、木の板に書いたリストを、計4枚ほど本隊長に差し出す。

本隊長は、木の板を確認してから、

「うむ。確かに。」

そう言うと、付き添いの小間使いの一人に、渡し馬車に持って行っておくように指示した。


「して、オスレイ。ハルトのギルド登録書を見せろ。

「はい。こちらになります。」

この登録書の提出は、元々予期していたので、取引相手の情報などは書かれていないが、

家が西区域の倉庫と言う情報まで隠すのは不自然だったので、そのままにしている。


「西区域に倉庫を借りているのか・・・。」

「はい。場所は確認していませんが、そう言ってました。」

「これも預かって行くぞ。」

「はい。お持ちください。」


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