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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
160/223

46.出発予定


ケニー商会の前の通りは、いつもよりも格段に人通りが無い。

おかしいと思いながら、露店まで行くとやはり露店は暇そうだ。

店内にケニーさんが居たので声をかける。

「なんか人通りがないですね。」

「ええ。そうなんです。今朝から騎士団が出る為に、西門が閉鎖されてたんです。」

「あら・・・。タイミング悪い開店だったんですね。」

「そうですね。昼から解放されたので、これから人が出るかも知れませんが、

今日はあまり見込めないかもしれませんね。」


一日ずらして開店すれば良かったかな?情報は仕入れてたのに、生かせないのは失敗だな。

まあ、これは仕方ないか・・・練習には丁度良かったとポジティブに捉えよう。

明日からが本番だ。


「さっき、冒険者ギルド前でも、こっちの宣伝してもらうように話してきましたので、

もう少し人が流れてくるかもしれません。」

「それは助かります。」


「お願いがあるのですが。作物の種と苗を手に入れて貰ってもいいですか?」

「種と苗ですか?」

「ええ。獣人達に育てて貰おうと思ってるんです。」

「なるほど・・・。了解しました。今晩にはお持ちするようにしますね。」

「ありがとうございます。」


そういえば・・・サーチしてみても、レスリーの間者が居なくなっている。

「レスリーの間者は居なくなってますね。」

「そうですね。連絡が行ったのかもしれないですね。」

「まあ、亜空間出来たので俺はこっちで出入りするから、関係ないですけどね。

それに、町を出てポスタリアに行くので、町に顔を出す訳にはいかなくなりますから。」

「いつくらいに出ますか?」

「う~ん。ケニーさんに後はお任せ出来そうですので、

もう、いつ行ってもよさそうな気はしてるんです。

領主側からの追及が来るのが面倒なので、明日にでも出てもいいですね。」

「分かりました。」


「あと、お借りしていた倉庫なのですが、返却してもいいですか?」

「返却ですか?」

「ええ。ケニーさんと俺のつながりを少しでも減らしておきたいのです。

と言っても、レスリーやドウェイン子爵にはばれてますが・・・。」

「そうですね。了解しました。」


「あと、町を出てほかの町に行った時に、拠点を作っていきたいんですけど、

ケニー商会の名前で借りてもいいですか?」

「もちろん大丈夫です。でも、ハルトさんでは難しいのでは?」

「クシェル達に頼んで、借りて貰います。

もしくはケニーさんにご足労願うのも有りかと・・・。」

「そうですね。ケニー商会名義なら私が出向いた方がいいでしょう。

いつでもおっしゃってください。」


「あと一つ心配なのは、俺が町を出た後に、ドメイン子爵から領主へ話が行っていれば、

ケニーさんの所に俺を探しに来るんじゃないか、と言うのがあるのです。」

「そうですね。確かにその可能性は高いですね。

ですが、ただ雇ったってだけではまずいのでしょうか?」

「う~ん。それでも良さそうな気もしますけど、それだけでは追及されそうな気がします。」

「そうですね・・・。そうだ!報酬として、倉庫を渡したと言うのはどうでしょう?」

「倉庫ってあの倉庫ですか?」

「ええ。それだけの報酬を出してでも、今回の貿易は成功させたかった。

って話なら信憑性はないでしょうか?」

「確かに、それだけの報酬で雇ったのなら、護衛外の事もやってくれそうな感じですね。」

「ええ。ですので、先ほどの倉庫の返却の件は無かった事にしましょう。

名義変更の手続きは明日にでもやっておきますね。」

「いいんですか?これから忙しくなるから、倉庫は必要じゃないです?」

「いえ。倉庫以上の利益を貰えそうですので、必要ならまた確保します。」

「なるほど、了解です。加工工場がありますので、

しばらくは使う事は無いので閉鎖する予定ですが、ありがたくいただいておきます。」


「では、町を出る為に、挨拶だけ回ってきます。」

「はい。では、今日の夕飯におじゃましますね。」

「お待ちしてます。」


俺は、ケニー商会を表から出て露店に寄り、ネギ焼を4つ購入した。

一応自分の店だが、半分はケニーさんに売り上げになるので、ちゃんとお金は払ってる。


まずは、ハーリさんの所だ。

ハーリさんも、ロベルトさんも家にいたようだ。

「こんにちは。」

「おお!ハルトじゃないか。」

「町を出る事にしたので、ご挨拶にきました。」

「町を出るのか?どこに?」

「ポスタリアに行こうと思ってます。ほかにもいろいろ行くかも知れませんが・・・。」

「ポスタリアとは遠いな。」

「まあ、ふらっといろいろ放浪しようと思ってます。」

「・・・そうか。寂しくなるな。」


「そうだ、今日から露店でやってるんで、お土産です。」

「ん?なんだそれは?」

「ネギ焼きって食べ物です。肉とネギをライ麦粉でまとめた食べ物です。」


俺が机の上に置いた包みを、ロベルトさんはすぐさま取って口に運ぶ。

「うんまい!!」


ハーリさんも包みを受け取って、

「美味しい!あら?マディの味付けじゃないかしら?」

「さすが、ハーリさんですね。」

「やっぱり!分かるわよ~。こんなおいしい料理作れるのはマディくらいですもの。」

「露店でいつでも買えるようになってますので、良かったら買ってくださいね。」

「分かったわ!是非買いに行くわね。」

「じゃあ、俺は行きますね。ロベルトさん、明日朝に南門行きますのでよろしくです。」

「ああ。待ってるそ。お土産ありがとよ。」


俺は、ロベルトさんの家を出てから、冒険者ギルドに寄る。

露店は、もう撤収した後のようで、今日も順調だったみたいだな。


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