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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
158/223

44.2つめの露店開店


「じゃあ、お願いしようかな。でも、本当に大丈夫なんだよね?」

「ええ。大丈夫です。」


俺は、持っていた蜂の巣からハチミツを分離する時に、2種類ある事に気が付いた。

魔力の入っている部分と、魔力の入ってない部分だ。

さっき見た時には、魔力が入ってたから、怪しいと思ってやめたんだけど、

魔力が入っている部分はほんの一部だけで、ほとんど魔力は入ってない部分のようだ。


ハチミツとして使いたいので、魔力の入っていない部分のハチミツを取り出して、

木の器に入れてリルに渡す。

「危なそうなら、俺も治癒するからな。」

「ええ。大丈夫です。」


リルは、慎重にハチミツを指で救って、口に運び舐める。

「!!おいしい!」

「スイーツ作る為に取って来たんだ。」


リルは、もう一口食べようと指でハチミツをすくう。

「毒味終わるまで、食べ過ぎないでね!」

「あ・・・。はい。」


リルは、目を閉じて味を確かめ、感覚を研ぎ澄ましてるようだ。

「・・・問題なさそうです。毒などはないようですね。」

「よかった。ハチミツとして使えそうかな?」

「はい。大丈夫です。」

と言いながら、リルは指にすくって次々ハチミツを舐めていく。

「食べ過ぎないでね。料理に使う分が無くなっちゃうから。」

「・・・はい。」


さて、ハチミツは副産物で、本題は蜜蝋の方だ。

「ハチミツを絞った後の、この残りかすに用があるんだよ。

これを温めると、溶けて浮いてくる成分があるんだけど、これを使って軟膏が作れるんだ。」

「軟膏ですか?」

「軟膏と言うのは、液体ではなくてドロドロになった感じの物だね。

このハチミツもドロドロしているけど、これよりももう少し硬めな感じの物だね。」


リルは、ハチミツをすくって落としてドロドロを確かめているのか、

食べたそうにしているのか微妙な仕草だ。

「今使っている回復薬って、サラサラの液体なので、飲むならまだしも、

ケガにかけて使うと、あまり使い勝手が良くないと思うんだ。

かける時に、全量がケガにかかってない場合もあるだろうし、

治った後にもかけてる感じもするし、飛び散ったりもしているんじゃないかな。

これを軟膏にする事で、必要な部分に必要な量だけ塗る事が出来る。

さらに、空気に触れる部分が少なくなるし、蜜蝋が保存料の役割もあるので、

かなりの日持ちが期待できるんだよ。」


「そうなのですか?」

「うん。実際に作ってみるのが、分かり易くていいんだろうけど、明日からの作業にしようか。

今日は、ハチミツを絞る作業だけして終わる事にして、

明日の朝には、パンに塗って食べれるようにしておこう。」

「はい!」


材料さえ確保出来たなら、それほど急ぐ必要はない。

軟膏の回復薬が出来れば、かなり異質な商品になるし、高額な利益が見込めるので、

先にそれなりの、経営的な下地を作っておく必要もある。

人員や、護衛なんかもそうだが、後ろ盾か商業ギルドでの、立場なんかも必要になるだろう。


そういえば、ゾルとゲルってやつだな。

ゾルって言うのが、硬い液体で、ハチミツとか牛乳なんかもそうだな。

ゲルって言うのは、逆で柔らかい個体で、ゼリーとか、こんにゃくとかの事で、

今回捕まえたスライムはゲル状だった。

高校の化学で習ったな~。ちょっと懐かしい。


今日は、もうそろそろ休む事にしよう。

ジャックとミーアそれに、アリスと一緒にお風呂に入ったあと、

みんなでベッドに入って就寝する。


翌日、早朝から露店に出発だ。

今日から露店は、加工工場からの出発だ。

2台の露店に、食材や消耗品を積み込み、それぞれの担当が露店を引いて出発する。

冒険者ギルドに向かうのは、クシェルと新しい売り子担当の子だ。

護衛の人と、呼び込みのエディの4人で出発する。


ケニー商会の方面には、ファギーと新しい売り子そして、護衛と新しい呼び込みの子だ。

こちらも4人で出発していく。

開店にはケニーさんも手伝ってくれるはずだ。


最後、アリーヤは3店舗目の料理をマディに教えて貰う為に、調理室に籠って修行だ。

他にも4人住み込みの子達が居るので、その子らは仕込みを行っていく。


俺はこれから、獣人の所に行って家の建築だ。

獣人村の方に亜空間から移動して、集会場に入ると数人が会議をしていた。


「おはようございます。早いですね。」

「おはようございます。我々は、農業が中心ですから、日の出と共に起きてます。」

「農業が中心ですか・・・。じゃあ、畑に詳しいって事ですよね?」

「ええ。今の家の横に作っていただいている畑をみましたが、

土も悪くないですし、かなり深く耕されているので、

始めるのに手はあまりかからなさそうです。」

「俺は、畑作りはあまり詳しくは無いので、いろいろ教えてください。」

「我々に分かる事でしたどのような事でもお聞きください。」


「今日も、家と畑を作って行こうと思ってます。」

「ありがとうございます。

皆で話し合って、全員こっちに移動してしまおうと思ってます。

家は無くても、この建物で調理も出来ますし、寝る場所も適当に出来ますので・・・。」

「そっか。こっちにはベッド置いてなかったですね。

こっちに移動するのが決定なら、移動させますよ。」

「いえ!お手を煩わせるわけには!我々で運びます。」

「俺がやった方が楽なんだけど、まあお願いするかな。

俺は昼までは、家を作ってるので、話があったら遠慮なく声かけてください。」

「はい。」


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