表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
157/223

43.蜂狩り


でも、酸欠が効かない魔獣か・・・こんなのもいるんだな。

・・・持って帰ってみよう!

魔法に反応しないって事は、亜空間の中でも大人しくしてそうだし。

試しに1匹、そのあたりの木で持ち上げて、亜空間に収納する。

「素直に収納できるとは・・・。いろいろ使えそうな気もするので、集めておこう。」

その辺りにいるスライムを手当たり次第、亜空間に収納していく。


敵に落として使ってみようかと思ってたりする。

魔法使い対策としても、魔道具対策としても、魔獣を出すって言うのは有効そうだしね。

スライムは、見つけたら確保していこう。


俺はそのまま、蜂を探して森を彷徨う。

そして、ずいぶんと森の奥の方まで来て、とうとう見つけた!

蜂の魔獣が大量にいる場所を・・・。

近づいて行く途中で、何匹もの蜂に遭遇するが、酸欠で速攻倒していく。

蜂は、仲間を呼び出すような魔法が使えるっぽい。

遠くの仲間の蜂に、助けを求めるような、何かの合図を出しているようだ。

それ以外に、尻尾の針と、翅にも魔法を纏っている。

トンボと同じく、高速飛翔も出来る様だ。


尻尾の針は、魔法薬の素材になりそうだし、核は魔法陣書くのに使えるそうだから、

蜂は蜂で、有用な使い道はありそうだ。


徐々に巣に近づいて行くが、蜂の向かって来る数はどんどん増えて行く。

魔獣なので、範囲酸欠でまとめて倒しては、ナイフで1匹ずつ止めを刺してから回収している。


さっきのスライムの使い道を試してみる。

酸欠させた1匹に、先ほどのスライムを上から落としてみる。

スライムは、蜂を溶解して、かけらも残さずすべて吸収した。

「ちょっとグロい・・・。」


予想はしてたけど、死骸から素材が取れなくなるし、もうやめておこう。

とりあえず、止まっている敵に対しては使えそうだ。

ただ注意しないといけないのは、近くにいると俺にも襲って来るので、

ある程度の距離を開けた上で、敵に落とすようにしないと危ない。

反射の魔法で弾けるので、襲われても問題はないが・・・。


何匹もの蜂を倒しながら進んで行き、やっと蜂の巣を視認出来る所までたどり着いた。

「で、でかいな・・・。」

予想はしてたのだが、いざ目にするとでか過ぎる。

蜂の全長が1メートルくらいなので、俺の知っているミツバチが1.5~2cmくらいと考えると、

50倍の大きさだ・・・。


50倍か・・・それならこれくらい大きくなるよな・・・。

俺の目の前には、数本の木を巻き込み、木の上端に届くような蜂の巣だ。

そこに、ものすごい数の蜂が、びっしりとくっ付いてうごめいている。

巣のハニカム1つの大きさも、50cm以上あるんじゃないかな。


これは・・・すごい。

すぐに回れ右して、逃げてしまいたいくらいに・・・。

これを酸欠で落としたら、地面にミツバチがいっぱい気絶して落ちるのか。

あまり想像したくない光景だ・・・。


それでも、ハチミツには代えられない!

俺は巣を中心にかなり広範囲を酸欠状態にする。

蜂には魔法が見えるので、その瞬間一斉にミツバチ達が、俺に向かって襲い掛かって来る。

反射のおかげで、攻撃が当たる事はないのだが、すごい状況になってしまっている。

この気持ち悪さは・・・精神攻撃になるかもしれない。

その時間も10秒程度で、すぐにミツバチ達は気絶してバタバタと落ちて行く。

酸欠をさらに続け、3分ほど酸欠にしてから、ミツバチ達が完全に死んだのを確認すると、

一気に回収していく。


今までは、酸欠後にナイフで止めを刺した方が、早く片付くのでやっていたが、

この数になると、さすがに1匹ずつナイフで止めを刺すよりも、

酸欠を長くやって殺した方が速い。


次はいよいよハチミツだ。

巣を切り出し、木との接合部分を剥がしながら、巣のかけらと、

垂れてくるハチミツを回収していく。

巣の中には、まだ蜂も残っているが、すべて酸欠で死んでいるので、これも回収していく。

ミツバチの巣をすべて回収出来た所で、亜空間の入り口から家に帰る。


巣を取りながら、味見をしてみたかったのだが、

先日リルに薬品で魔法が使えなくなるとか言うのがあるって聞いたばかりなので、

安全な所に行ってから味見をしようと思って、家に持って帰るまで我慢した。


家に帰ったら、リルに話をしてみる。

「ハチミツって言う蜂の巣の成分を取って来たんだけど、

食べられるかどうかの確認をしたいんだ。」

「はい。私が食べて毒味してみますね。」


いやいや・・・。

リルを犠牲に毒かどうかの確認なんてしないから・・・。

それなら、魔法で回復出来る俺が食うのが一番だし・・・。

人の命の軽いこの世界では、本人までこんな感じなので、戸惑う事が多い・・・。

リルも当初はそんな感じだったけど、この家に来てからはそう言う言動は無くなったのに、

またそうなったのかな?


「いや・・・。そういう意味でなくて・・・調べる方法ないかな?」

「ええ。私が食べれば毒かどうか分かります。」

「そうじゃなくって、誰も毒味しなくても分かる方法という物はないかな?」


リルは、笑いながら、

「私も、毒を無効化する魔法使えるのです。

毒の無効化だけなら、ハルト様も使えると思いますが、

私の場合、薬剤の知識と合わせてどんな毒なのかと言うのも分かるんです。

なので、私が食べる事で毒の種類や性質なんかが分かるので、私に食べさせてください。」


「え!そんな事が?」

「ええ。毒味以外に役に立たないですし、1日に1回程度しか出来ないですが・・・。」

これは驚いた。

リルは確かに、みんなに比べて魔力量は多少だが、多いとは思っていたが、

そんな事が出来るとは思ってもなかった。

身近に、魔法を使っている人がいたなんて。

でも言われてみれば、確かにそうだな・・・。

みんな魔法使えるのでなんらかの役には立てて当然か・・・。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ