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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
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42.スライム狩り


俺は家に帰る前に、浮浪児のエディの所に来た。

「明日からもう一つ露店を始めるんだけど、知り合いで出来そうな子いないかな?」

「う~ん。そうだな・・・。あいつなら大丈夫そうかも!」

俺は案内して貰って、その子の所に行き、明日からのケニー商会前露店の、

呼び込みの仕事をお願いする。

エディの話もあって、すぐに了承してくれたので、

明日の朝に加工工場の前に来て貰うように話をしておく。


俺は家に帰り、夕飯を取りながら、今日の露店の報告を聞く。

心配はしていなかったのだが、無事に400食完売したそうだ。

護衛も銀ランクの人が付いてくれたそうで、変に絡まれる事もなかったようだ。

売り上げの半金についても、護衛に付いて来て貰って、ケニーさんに渡してくれたらしい。

こちらにも半金を持って帰って来たので、亜空間財布に入れる。


明日から新たな露店を開始する事と、ファギーに調理担当として、

行ってもうらうようにお願いする。

新しい店舗の1日目は200食だけにしておく。

売り子が2人来たので、1人はケニー商会前の露店に、もう1人は冒険者ギルド前の露店に、

それぞれ売り子として入って貰う事にする。

アリーヤは、加工工場で新しい露店の調理方法をマディに教えて貰う為、露店には出ない。

なので、冒険者ギルド前の調理はクシェルが行う。


エディと新しい呼び込みの子は、朝に加工工場に来てもらう事になっているので、

合流して一緒に移動するように話ておく。


マディには、今日から2人住み込みが増えたので、ネギ焼の仕込みも含めて、

夕飯後に行って貰うようにする。

前々から、新しく出す露店用の仕込みは行っていたので、2~3日分くらいは余裕がある。

ただ、余裕はもっと作って置きたいし、マディの手を早めに放したいので、

順次引き継いで行って貰う。

マディには、新しい料理の開発も必要になるので、そっちに手をかけてほしい。


クシェル達の訓練も、本格的にそれぞれに合った訓練が始まったそうだ。

クシェルは銀ランクの冒険者達に混ざって、練習を行っているらしい。

今後もしばらくは、合同で練習して手合わせの数を増やしていくそうだ。

それに、基礎体力を付けもっと長期戦で戦えるようにならないといけないらしい。


アリーヤと、ファギーは、似たような武器を使っている冒険者に付いて、

専門的に教えて貰っているそうだ。

それ以外に、アリーヤは斥候としての技を磨く為に、

大銀の斥候役の人に直接教えてもらう事になったらしい。

ブラントさんもかなり気合を入れてくれてる。


俺は、みんなへの指示を終えたら、前から気になってた物を探そうと思ってる。

俺の狩っている魔獣は、基本虫だらけだ。

この虫達の中で、唯一おいしそうな獲物がいる・・・。

そう!蜂だ!!ハチミツだ!!


この世界には、普通に蜂もいる。

でもミツバチじゃないと、はちみつは作らないと思うんだけど、

この間、検証していた時に見つけた蜂が、ミツバチっぽいんだよね。

体長は1メートル超えてたけど・・・。


ハチミツが手に入れば、果物以外の甘い料理が食べれる!

砂糖はこの世界ではまだ見た事も話しすら聞かないので、

ハチミツが取れれば唯一の甘い調味料になるだろう。

それに魔獣の巨大ミツバチからなら、すっごい量取れそうだしね。

1メートルの蜂の巣なので、どれくらい取れるんだろう?

亜空間があるから、巣ごと取って保管しておけば、ずいぶん長い事持ちそうだ。


あとは、蜜蝋って言う、ハチミツを絞った後の残りかすから取れる成分も欲しい。

蜜蝋があれば、軟膏が作れるので魔法薬の開発も進むだろう。

高校の時の遠足で、蜜蝋作りを見た事があるので、何となく作り方は分かる。


という事で、ミツバチ探しに行こう。

俺は、この間の検証の時に蜂を見つけた所に移動して、サーチで蜂を探す。

う~ん。前から魔獣の森に入ると思てたんだけど、かなりの数の魔獣が居る。

余りに多すぎて、魔獣の種類までサーチで特定するのは難しいのだ。

「これは・・・。ちょっと掃除しながら探すしかなさそうだな・・・。」


俺は、手当たり次第に魔獣を狩りながら、魔獣の森を東にどんどん進んで行く。

今まで、魔獣の生息範囲を少しでも減らせればと、近い所から狩る様にしていたので、

こんなに奥に潜ったのは初めてだ。


「なんだこれ・・・?」

木々の間を抜けると、森の雰囲気が変わって、かなりおどろおどろしい雰囲気になっている。

木々の皮は剥けて綺麗に無くなってるし、雑草なんかもまったくない。

地面の岩にこびりつくような藻も全くついてない、枯れた森って雰囲気になってる。

このあたりにも、魔獣が数匹いるようなんだけど・・・。


木々から垂れ下がる様に、ドロドロの液体が所々にぶら下がっている。

もしかして、あれが・・・スライムか?

スライムってあれか、生物としてはアメーバーの巨大版なんだっけ?

初スライムだし、とりあえず狩ってみるか。


数匹いるみたいなので、まとめて酸欠にしてみる。

気絶したのかどうか分かりにくいが、しばらく様子を見ていても、

ドロドロの先がヒクヒク動いていてなにも変化がなさそうだ。

あれ?スライムって、魔法効かないのか?

魔法を防ぐ魔法とかなのかな?

でも、もしもそれなら何らかの感触と言うか、魔法の動きが変わりそうなものなんだけどな。

なんで効かないんだろ?


「試してみるか・・・。」

俺は、1匹だけに魔法の触手を伸ばすが、反応はなさそうだ。

一部動いてはいるが、逃げたり、襲って来たりって事はなさそうだな。

そのまま、魔法の触手の先端に熱を持たせて焼いてみる。

一瞬でスライムは焼けて、水分が蒸発して死んでしまう。


「魔法は効くな・・・。酸欠が効かないのか。」

あ・・・確か微生物って、酸素無くても生きてられる種類があるんだっけ!?

まあ、明らかに微生物と言える大きさじゃないけどね・・・。

よく見ると、スライムの中で泡がポコポコと発生しては、体表の外に排出されている。

ヘドロみたい。

あれは、自分で酸素を作り出してるとか、そんな事なのかも。

まあ、口無いし、呼吸していると考える方がおかしいのかもしれない。


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