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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
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39.獣人村(2)


「村みんなで家族って感じの生活って事ですね。」

「ええ。その通りです。」


じゃあ、男の家は今のでいいか・・・。

女の人用の大きい家が必要になるって事だな。


「食事とかは、女の人に家に食べに行く感じなんですか?」

「食事は外で女達が作って、それを男達が食べに行きます。」


それなら、女達の家は集会場の2階の小会議室を、小部屋に変える感じで良さそうだな。

あとは、ベッドと家具だけ運び入れたら大丈夫か。

「集会場の2階を、女達が住む部屋に変更するので女達はそこに住んでくれ。」

「はい。分かりました。」


「俺は、集会場の2階の変更をしておきますので、後は見て回っててください。」

そう言うと、俺は集会場の2階に向かい、小会議室にしていた部屋を再分配する。

女性は15人ほどいたので、片側8部屋の16部屋作っておく。

余った部屋を、俺の部屋にして開けれない部屋にしておく。


各部屋に、ベッドと葦束、チェストを用意しておく。

部屋は寝るだけの部屋みたいに小さいが、プライベートを持てるようになる事で、

なにか意識がかわるかもしれないしな。


部屋の改修が終わったので、俺は村長に声をかける。

「女達が暮らせるように、2階に部屋を作っておいたので、割り当てして住んでください。」

「部屋ですか・・・。はい、分かりました。」

「じゃあ、俺は家に戻るんで、要望なんかあったらまとめておいてください。」


俺は家に帰り昼食を済ませ、露店の様子を見に行くついでに、冒険者ギルドにも寄って行こう。

露店は、非常に順調そうだ。

1日休んだ事で、逆に噂が広まったようで、かなり繁盛している。

昼の段階で、400食が無くなるのではないかと言う売れ行きだ。

客層が、冒険者達から商人に移ってきてしまっているので、

早めに次の露店を用意しないと、まずいかもしれない。

商人の御用達になると、冒険者達が購入しづらくなってしまうのだ。

商人と冒険者には身分差は無いが、身なりで言えば商人が上だし、

依頼を出す側と、受ける側という事で、冒険者側にも遠慮が出てしまい近寄り難くなる。


また、商人はまとめ買いしてくれるので数は出るので単純な売り上げは上がるのだが、、

人数に行き渡らなくなってしまうのがデメリットだ。

しばらくは広げる時期であって、売り上げ向上や効率化のタイミングではない。

ケニーさんの所に行った時にでも、俺の考えている今後の展開を話してくるか。


冒険者ギルドに入り、ギルドマスターに面会する。

「冒険者村の討伐はどうなりました?」

「う~ん。それなんだが、冒険者の参加が断られた。騎士団だけで行うという通達なんだ。」

「そうなんですか?騎士団は動けないって話じゃなかったでしたっけ?」

「そのはずなんだが、冒険者側には依頼は出さないという事だ。まったく訳が分からない。

明日の早朝に出発するそうだ。」

「どういう事でしょうね。

冒険者村だったので冒険者を連れて行くと、内通や裏切りが発生したら面倒と考えたのかな?」

「今回の内容では、内通程度はどうって事も無いだろうし、

冒険者が裏切ったとして騎士団に勝てるわけないから、そんな物を想定はしないだろう。

補給物資の荷運びや、連絡係だけでも冒険者を使うと思うんだが・・・。

王国のクーデターの可能性も薄まったわけではないだろうから、

そういった人材をわざわざ騎士団から出して戦力を削る理由が思い当たらないな。」


「確かに分からないですね。どれくらいの人数出るとかは分かるんですか?」

「正確な人数は分からないが、結構な人数出るんじゃないか。

今の様子を見ていると、1000人以上になるはずだ。

この町の騎士団が1万ほどなので、総戦力の1割を出す事になる。」

「多いですね。200人程度の冒険者にそれだけの人数を出すんですか?」

「そうでもないな。こちらから伝えている敵数は、200~400人程度と報告している。

こういった討伐では想定される最大人数の、大体倍くらいの人数が安全とされている。

事前に斥候を出して確認もしているだろうが、

今の時点ではフランシス達が町を出る前だろうから、

冒険者400と、村民でそれなりの人数として数えられている可能性もある。

それにもしも、冒険者だけで集めろと言われても同数くらいは集めて討伐を行うだろう。」


俺の持って来た情報は正しく伝わっているだろう。

だが、いくつか隠している内容もある。

600人は、犯罪集団ではなかったのでアイカに退避した。

それを伝えてしまうと、せっかくアイカに移動させたのに、討伐されてしまう。


さらに、フランシス率いる200人が、北上して北の開拓村を目指している事も隠している。

これも同様に、伝えるとこちらにも討伐隊が出されてしまうので、逃がした意味が無くなる。

なので、規模を少し幅のある200~400人程度と偽って伝えて貰っている。


そうなると、冒険者を使わないのは、やはり内通や裏切りを警戒?

他に思い当たるのは・・・今回の話を内々に終わらせる為?

冒険者を使う言う事は、管理出来ない人員に冒険者村の現状を教えるような物だ。

なので、使うのを嫌がった・・・。

でも、もう冒険者村から戻って来た奴らも多いし意味ないな・・・。


後は、討伐の状況が噂になるのを嫌がったか・・・。

となると、完全に殲滅戦をする気なのかな?

でも、盗賊討伐なので殲滅戦になるのは当然だよな。

となると、逆に生かしておくと言う事か?

これも無いな・・・それなら伝令1人でも行かせれば足りる。


残るは、レスリーぐらいだけど、これも薄いんだよな。

レスリーは「討伐隊を出させない」って言ってたので、それが効果を現したのは、

冒険者ギルドだけで、騎士団には効かなかった。

って言う間抜けなのも想像は出来るけど・・・。


う~ん。良く意図が分からないな・・・。

あとは、冒険者ギルドがらみの利権とか、貴族の派閥のなんとかとか、

俺の知ってる情報の外側の話なのかも知れないな。


「まあ、これ以上考えても分からないですね。影響もなさそうだし、

結果的に盗賊の討伐が終わればいいわけだし。」

「まあ、そうだな。」


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