38.獣人村(1)
俺の方は、今日は露店には行かず獣人村の続きを作っていく。
昼には一旦戻って来て、獣人達の様子や、露店の様子を見に行く予定だ。
亜空間から移動して、獣人村予定地に移動したら、今日は家を中心に作って行こう。
まず、敷地の中心地に2階建ての大き目の家を建てる。
この家の用途は、集会場って感じかな。
1階には、集会場を中心にキッチン、トイレ、洗い場と風呂も作っておく。
2階には小さな会議室をいくつかと、トイレを作る。
この2階の一番奥の部屋を、俺専用の部屋として、その部屋の一番奥の壁を、
2重壁にして亜空間への出入り口を開けておく。
家の前には、催し物なんかが出来るように、広めの空き地を作っておく。
地面は雑草生えないように固めてしまい、水捌けが悪くなるので側溝も作っておく。
この家の裏手に、大きな倉庫を作り、ここに生産した物の保管が行えるようにしておく。
この倉庫には、地下室も作っておき、気温変化にあまり左右されない倉庫として使って貰う。
収穫した物を運ぶための、木の箱を大量に作成して積み重ねられるようにする。
手持ちに荷車などがいくつかあったので出しておく。
この倉庫と別にもう一つ、小さめの倉庫を作り、
こちらは共用で使う用具などを保管する場所として使う。
倉庫の中には、畑作業を行う為の道具を作っておいておく。
鍬や鎌などは、吊り下げて収納できるようにして、
風通しを良くして錆び難くなるように工夫する。
住むための家だが、とりあえずモデルハウス的に1軒だけ作って、中を見て貰おう。
広めの平屋で、リビング、キッチン、トイレ、寝室、水浴び場、洗い場などを備えた、
2LDK程度の家を等間隔で作っていく。
小さめだが、庭も付けておく。
庭と別に、家の周りを囲む形で、6つほどずつの10m×10m程度の畑も作っておく。
畑は土を耕して、雑草をなどを細かく切って混ぜ込んだだけの簡単な物だが、
魔法でやっているので、かなり深くまで耕す事が出来る。
元々雑草だらけの場所だったので、それなりに栄養はあるんだろうけど、
水捌けや肥料、土づくりなんかは今後の課題だろうな。
畑の近所には、井戸を掘り水を撒けるようにしておく。
この敷地の近所に川は無かったので、引いて来る事が出来ない。
元々、雑草だらけの場所なので、作物が育たないって事は無いのだろうけど、
雨が降らず水が無い時に困るだろうから井戸を掘ってみた。
備品も一通り住めるくらいまでは揃えておく。
キッチン用品、掃除用具や、お風呂用品、ベッドや葦束、シーツや服などを置いて行く。
一人用の用具しか置いていないが、家族や夫婦で住む家もあるだろうから、
その辺りは確認して、場合に寄っては部屋数を増やすのも検討しよう。
一通り出来上がったので、
「とりあえず、あとは見て貰ってからかな。」
集会場の隅に亜空間の入り口を出しておき、獣人達の所に向かう。
俺が、獣人の居る地下部屋に入ると獣人達は、各々自由にくつろいでいたようだ。
村長と数人は、会議をしていたようで、真剣に何かを話しあっていた。
「村長。」
「はい。」
「そういえば、名乗ってなかったですね。俺はハルトと言います。」
「はい。ハルト様。」
「外で生活出来る場所を確保しました。まだ、家なんかは揃ってないですが、
様子を見に行って貰って、意見なんかあったら聞かせてほしいんですがいいですか?」
「・・・外でですか?それはもしかして危険な場所という事ですか?」
「獣対策に、かなり高い塀で囲っていますし、
人間が来ないような場所に作りましたので大丈夫です。」
「そんな場所があるのですか?
分かりました。様子を見に行かせていただきます。」
俺は、亜空間に案内して村長と付き添いの2人と一緒に、獣人村予定地まで移動する。
「この建物は、集会場として使えるように作りました。
外には、それぞれが住めるように家と畑を作って行こうと思ってます。
この亜空間はつなげておきますので、徐々にこっちに生活を移して行ってください。」
「・・・はあ。」
村長は話が理解出来てなくて、返事だけしてるって感じだ。
付き添いの2人は建物の外に出て様子を伺っている。
「村長!外です。」
「家や畑もあります!」
村長も外の景色を見て、
「あの・・・。これは、どなたかが住んでいた場所なのでしょうか?」
「いや。誰も住んでいないです。俺が魔法で作ったばかりの場所なんで・・・。」
「魔法で作った・・・ですか?」
「ああ。なのでここにある物は自由に使って貰っていい。
ただ、今いる建物の2階一番奥の部屋だけは俺の専用部屋にしておいてください。」
「はい。」
「とりあえず、家を1軒しか建ててないのですが、家はいくつ必要なんでしょう?」
「この建物だけでも十分ですが・・・。
成人している男が10人ですので、10軒あれば十分です。」
あれ?女の人の数の方が多かった気がしたんだけど・・・。
男10人、女15人、子供3人で28人だったよな・・・。
あ・・そうか!
「一夫多妻制なんですか?」
「いえ・・・。我々の風習では、男達は成人すると家を持ち、そこで暮らします。
女達と子供は一か所にまとまって暮らしています。」
なるほど・・・。確かアフリカとかの部族とかって、
そんな暮らしをしてるってテレビで見たことあったな。
こっちの町の人達は、裕福な人は一夫多妻で、平民は嫁は1人みたいな感じなので、
ずいぶん違う生活形態だな。