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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
147/223

33.ケニーさんの予想と情報


「レスリーって実は、ハルトさんの事知らなかったって事ないですか?」

「え!?」


「いえ・・・。日数で考えると、ハルトさんの情報が子爵様に伝わったのは、

早くても私達が、アイカに入った日だと思うんですよ。

という事は、露店開始した日、そして翌日に襲撃なので、2日しかなかったんですよね。

通常貴族様との連絡は、商人側からお伺いに行った時に話をいただく形なので、

まだ、レスリーまで伝わってなかった可能性があるんじゃないかと・・・。」

「・・・あらま。」

「実際には分からないですけど・・・家の周りに来ているレスリーの人員を見るに、

完全に様子を伺ってるんですよね。」

「そういえば、脅しの文句も伝言してもらいましたしね・・・。」


例え知らなかったとしても、ケニーさんの露店を脅迫したので、

どっちにしてもそれを止める為に、武力を示す必要があった。

「まあ、そうだったとしても、やる事は一緒ですけどね。

でも、知らなかったのなら、大分混乱してるでしょうね。」

「ですね。6人も人数割いて、監視する事なんてなかなかないんじゃないかと思います。

襲われる事を前提にして、監視している体制ですからね。」


「そこまで警戒してるけど、手は出してこないって事は、

脅しは効いてるって事でいいのかな。」

「まあ、そうなんでしょうね。近い内にハルトさんの事も知るでしょうから、

後はもう手を出さないか、別の動きをしてくるかでしょうね。」

「しばらく様子見ですね。」


レスリー側の視点に立って考えると、冒険者村の件は情報が来ているだろう。

フランシスが依頼をこなさなかった事、そして討伐隊が出されると言う話は、

レスリー派から、俺達がアイカに戻る前に直接話が来ているだろう。

ただ、なんでフランシスが依頼をこなさなかったのかも、

討伐隊が何で出る話になっているのかなどの理由は分からないので、

フランシスの裏切りと言う結論になってるんじゃないかな。


依頼をこなさなかったのを知ってるので、ケニー商会が貿易を成功させたのも、

もちろん知っているだろう。

そしてそのケニーは貿易から戻ったら、すぐ露店なんかを始めていた。


レスリーの思惑としては、ケニーはもう死んでるはずだったはずなのに、

フランシスがこんなタイミングで裏切ったせいで、ケニーは死んでいない。

さらに、目の前でケニー商会の紋章を掲げて露店までやっている。

そして感情的に手ごまの冒険者に襲わせたって感じか。


どっちにしても毒の出所を知られているので、

殺すつもりというのも変わってないだろうしな。


そしたら、次の日には奴隷商店が潰されて、「次は無い」って脅されたって状況だ。

こうなると冒険者村が潰された事も、フランシスの反乱ではなく、

ケニー商会からの攻撃だと予想出来る。


どんな戦力があるのか分からないが、冒険者村を解体させて、奴隷商店を潰せるほどの

何かがあるんだろうと考える。

下手に衛兵を呼んだりしないのも、その辺の状況が分かってからと思っているんだろう。


魔法使いがケニーに付いていると言う情報を得たレスリーはどう動くだろうな・・・。

ケニーに暗殺用の毒薬の購入を知られているので、それを使って暗殺する事と、

俺と事を構える事とで、天秤にかけて判断するんだろうな。


「あと護衛雇う事ができました。

明日の朝は、一旦こっちに来てもらうように話していますので、明日から露店開始するなら、

朝から行ってもらいますが、どうしましょう?」

「そうしてください。明日から露店再開します。」

「あと、住み込み用の人員が2人雇えました。」

「それは朗報ですね。」

「昼過ぎには、加工工場の方に案内する予定になっています。」

「分かりました。マディに昼過ぎには、加工工場に行っておくように話しておきます。」

「お願いします。」


「あと、魔法の回復薬の受注生産なのですが、ケニー商会で受けていただければ、

こっちで作りますのでお願いします。」

「魔法の回復薬ですか・・・。分かりました。」

「まだ、検証は終わっていませんが、1週間から10日くらい持つ物が作れそうです。」

「そんなに持つんですか!」

「はい。今、日持ちの試験中ですので、検証はもう少しかかりそうです。

ただ今回の物は、通常と同じ値段で売って貰っていいです。」

「それなら、検証終わってから日持ちする物として高値で売った方が・・・。」

「ああ。今回の日持ちする物が目標の商品ではなくって、販売実績だけの為って感じです。

これから考えている回復薬は、数か月から半年くらいは日持ちすると思います。」

「数か月ですか!それは、すごい。それが出来れば、回復薬の革命が起きますよ。」

「検証に時間かかりそうですけどね。」

「確かにそうですが、それだけの価値はあります。それは楽しみですね。

回復薬の受注生産については了解しました。

販売価格の2割をいただく形でよろしいでしょうか?」

「はい。お願いします。」


家に帰ると、クシェル達は戻ってきていた。

一緒に昼食を済ませ、マディには昼過ぎから加工工場に行って、

加工方法を教えて貰うようにお願いする。

念の為、クシェル達の誰か1人を連れて行くように伝える。

まあ、訓練でかなりボロボロになってるけどそれでも居ないよりはいいだろう。


あと、明日から露店を開始する事も伝えておく。

明日から護衛は付くはずだが、クシェルも含めて3人で露店に出てもらい、

しばらくは警戒してもらうようにしよう。

クシェル達には、露店が終わったら、屋台だけ戻して貰ってから、

ブラントさんの所に通って、訓練を続けるように話しておく。


俺は昼食を終わらせると、獣人達が待っているだろうからそっちに移動する。


俺が、獣人のいる地下部屋に入ると、獣人達は一斉に俺の姿を見て緊張している。

机の上を見ると食事が出ているので、昼食もちゃんと取っていたようだな。

スープなんかも作っているようなので、かまども使えたみたいだな。

「落ち着いたか?」


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