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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
143/223

29.奴隷商店の襲撃(3)


まだ、あっちでの作業が残っている。

亜空間を出して、奴隷たちが退避した場所に移動する。

俺が、亜空間から出て行くと、まっていた28人の獣人が緊張したようにこっちを見ている。

リビングの椅子に座っている者達や、壁際に複数人と寄り添うように、

地べたに座っている者達などがいる。


「さて、まずは話を聞いてほしい。」

俺は、一通り獣人達の様子を見る。

無いとは思うが、襲って来る可能性も考慮している。

まあ、お互い様だとはおもうけどね。


「まずは分かっているとは思うが、俺は魔法使いだ。

今、お前達は俺の作った地下空間にいる。

俺が出さない限りここから外に出る事は出来ない。

ここで、しばらく生活をしてもらうつもりだ。

・・・冷静に話を聞いてもらう為にも、全員椅子に座ってほしい。」


俺の指示で、全員用意していた椅子に座ってくれた。

その間に、俺は机の上にパンを人数分だしていき、

「腹が減っている奴は、このパン食ってくれ。」

腹が減っているのと、眠いのは冷静さを無くすからな・・・。


「食いながらでいいので、話を聞いてほしい。

今回お前達を助けたのはただの偶然だ。

お前達を助けるために、あそこを襲った訳ではない。

あの店のオーナーである、レスリーに対しての脅しの為に、

あの店を襲いそこにいたお前達を助けただけだ。

なので、お前達の今後に責任を持つ気もないし、今後もずっと面倒を見る気もない。」


俺は全員を見渡し、理解したのを確認して、

「だが、助けた分の責任だけは果たそうとは思っている。

まずはここにいる限り、安全である事、食料も用意する事は保障しよう。

ベッドも、隣の部屋に用意しているのでそこで寝てくれ。

状況の理解と体を休めて貰った後、今後の話をして行こうと思う。」


それと、ケガのあるやつがいないか確認したがいなかったので、毎日水浴びして貰う事、

かまどやトイレの使い方なんかの説明をしておく。

着替えがチェストの中に入っているので、着替えて貰うようにも話しておく。


「あの・・・これから私達は・・・。」

獣人達の中で一番年齢が上そうな人が声をかけて来た。


「そうだな・・・。今日はいろいろあったので一旦休んでから話をしようと思う。

明日、昼過ぎくらいに来るので、それまでに代表者を決めておいてくれ。

その時に今後の話や、詳しい事情などを聴かせてくれ。

食材はキッチンに置いているので、自由に使ってくれ。

無くなれば補充しておくので、好きなだけ食っていいからな。」


俺は、そう言い残して亜空間の入り口を作って家に帰る。

奴隷商店を潰す作業自体は、思いのほか早く終わった。

首輪の問題や、獣人達に抵抗される可能性も考慮していたが、非常にすんなりと従ってくれた。

明日、行った時にどんな話が聞けるかで、そう動くのか考えて行こう。

それほど急ぐ話でもなくなったしな。

今日は、もうそろそろ寝るとするか・・・。

アリスの寝ているベッドに潜り込み、朝までの数時間を寝る事にする。


翌朝は、いつもよりもゆっくり目だ。

今日は、露店はお休みなので7時頃に用意して出かける。

獣人達の所には、昼過ぎなので、それまでにやる事をやってしまおう。

クシェル達3人に声をかけて、冒険者ギルドに向かう。


大銅ランクへのランクアップだ。

それと、ブラントさんが空いているようなら、稽古も付けて貰えればいいなと思ってる。

その為だけでなく、今後町に出る時には、昨日作った鎧を着て、

武器の携帯をしてもらえるように話している。


あと3人にはランクアップの為に、こうもりと盗賊から奪った装備品を持って行って、

ギルドに納品してもらう。

今回の納品で、大銅ランクにはなるだろう。


「俺は、ブラントさんの所に行ってるので、納品終わって、

ランクアップしたらブラントさんの所に来てね。」

「はい。分かりました。」


俺は、ブラントさんの居る訓練場に移動する。

「ブラントさん。」

「おお、ハルトか。昨日は・・・何か動いたのか?」

「夜中に少し散歩しただけです。」

「・・・何も上がって来てはないが・・・殺しては無いんだろうな?」


レスリーの安否だよね。

「もちろんです。伝言しただけで会ってもないですよ。」

ブラントさんは、俺をあきれるように見て、盛大にため息をついた。


「あ・・そうそう。先日話してた稽古、今日見て貰ってもいいですか?」

「ん?銅ランクの奴らだったか?」

「今納品して、大銅ランクに上がってるはずです。」

「ああ。いいぞ。」

「それで、装備品も一通り完成してるんで、かなり手ごわいと思います。

気合入れてやって貰えればと思ってます。」

「おお!それは楽しみだな・・・。俺でも手こずるって言うのか?」

「武器は、木刀でやるなら勝てないかもですよ!」

「なるほど・・・面白い!大銅ランクごときで俺に勝てなくなるような装備か・・・。」


丁度、クシェル達がやって来た。

「ハルト様。無事大銅ランクになりました!」

「おめでとう!」

「ありがとうございます。あたしたちが、大銅に成れるなんて・・・。」

冒険者を何年もやってたのだから、感慨深いんだろうな。


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