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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
142/223

28.奴隷商店の襲撃(2)


倉庫の中には、各種様々な大きさの檻がいくつも並べられていて、空の檻も結構あるので、

中に入れる人数や種別によって使い分けているんだろう。


サーチでは、10人、15人、3人と3つの檻に入れられているようだ。

一番人数の多い檻に近づいていくと、中には固まって寝ている人影が見える。

入っているのは・・・人間とは少し耳が違うな・・・。

人間同様の所についているんだが・・・かなり大きい。

こぶしくらいの大きさで、横に張り出した感じになっている。

そしてなにより、人間と違うのは毛がふっさふさだ。

体つきも全体的に良く、顔も面長な感じだ。

服は着ているので、体の違いについては分からないが、何の獣人だろうか・・・。

町でも見た事あるけど、何の獣人なのかは俺にも分からないままだった。


服は朝の浮浪児のような、麻の布に首を通して、腰ひもで結ぶ服を着ている。

みんな寝てるっぽいけど・・・俺は、檻に近づき、声をかけてみる。

「誰か起きているか?」

「・・・。」


2人ほどの獣人が身を起こしこっちを見る。

「言葉は分かるのかな?」

「ああ。」

「よかった。お前達をここから連れ出す。

危害を加えるつもりはないから、大人しく従ってくれ。」

「・・・俺達を連れ出してどうする?」

「俺の目的は、この店を潰す事だ。その為にお前達を連れ出す。

だがお前達をひどい目にあわすつもりもない。

どっちにしても、今より悪い状況にになる事はないだろう?」

「・・・分かった。」


俺は、返事をしてくれている獣人を見ながら、

「首輪してるって聞いてたが、してないっぽいな。」

「首輪は、奴隷として買われてから付けられる・・・。」

なるほど・・・じゃあ、首輪の事は考えなくてよかったのか・・・。


「俺はほかの檻も見てくるから、全員を起こしておいてくれ。」

「ああ。」


俺は、次に大きな檻のに近づく。

そこにも先ほどと同じ獣人の種族と思われる人が、寄り添って寝ている。

こっちは、女の人のようだ。

なるほど・・・男女で分けていたんだ・・・。


俺が近づくと、中から2人ほど檻に近づいて来て、

「聞こえてた・・・。助けてくれるの?」

「助けるって言えるほどではないかもしれないけど、

ここから出して、安全な所に移動はして上げれる。」

「お願い・・・助けて・・・。」

「全員を起こしておけ。」

「はい。」


後は、3人が入っている檻があるな。

檻に近づくと、3人が寝ている。

なるほど・・・こっちは子供なのか。

囚われていたのは、全員同じ種族だったみたいだな。

村ごと襲われた感じなのかな?


子供入っている檻には、南京錠のような鍵がかかっているので、

南京錠の鍵部分を魔法で形状を変化させ、鍵を回収し檻を開ける。

檻が開いても、子供達は熟睡しているようだったので、

そのまま近づき魔法で静かに持ち上げて男達の入っていた檻に向かう。


男達の檻に着くと全員が起きたようで、檻の前で全員が待っていた。

「今から、お前達を安全な所に連れて行く。

ただ、協力的では無い奴には容赦はしないので肝に銘じておけ。」

俺は、檻のカギを形成し直し、回収してから檻を開ける。


男達が外に出てくると、子供を浮かせたまま、

「この子を誰か預かってくれ。」

父親だろうか、それぞれの子供を抱きしめている。

「魔法使い・・・なのか・・・。」

「ああ。これから魔法で移動してもらう。

女達は後だが、全員連れて行く。」


俺は、亜空間の入り口を出し、

「この中に入ってくれ、とりあえずそこにいれば安全だ。」

男たちは、訳が分からないままだろうが、言われた通りに入り口に入っていく。

俺は全員入った事を確認したら、亜空間を一旦閉じ、

女達の檻に行き同じく亜空間に移動してもらう。


あとは、気になってた狼を見ておくか・・・。

小さめの檻の中には、狼が1匹こっちを見ている。

「しゃべれるとかの特殊な子ではないんだよね?」

「グルル!」

うん。普通の獣みたいだな・・・。


じゃあ、あとは・・・。

俺は、片っ端から荷物を亜空間に回収していく。

空の檻もそうだし、警備が使ってた机や机の上のオイルランプや書類。

狼も入っていた檻ごと回収してしてまう。


搬入に使ってたと思われる荷車や、檻付きで馬車で引く用に作られた荷馬車なんかもあった。

檻を滑らせて移動する為の、丸太なんかの雑多な物も含めてすべて回収し、

倉庫を空っぽにしてしまう。

残っているのは、警備員2人が「ふがふが」言いながらロープに縛られて暴れている姿のみだ。


俺が耳を寄せて話かける。

「俺の声は聞こえるか?」

縛られた警備員は、「ビクッ」として小さくうなずく。

「レスリーに伝えろ・・・。今回は、これで終わらせてやるが、次は無いからなと。」

警備員は、うなずいて大人しくしているので、魔法で再度酸欠にして、

ロープとか猿轡とか目隠しとかも回収してしまう。

「これでここでの作業は完了かな・・・。」


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