25.攻撃魔法の研究(1)
当初は、フードかぶったままで助けて、
後から正体話して納得してもらうくらいしかなさそうだな。
目標の場所も分かったし、救出しないといけない人数も分かったので、
俺は、地下部屋を作る為に、ウィダス2番目の宿場近所の亜空間に移動する。
28人をとりあえず、収容するので、ある程度の物は揃えておかないといけないな。
どれくらいここに居るのかは分からないが、状況次第で数日いる事になるかもしれない。
まずは、リビングを作る。
28人なので、6人掛けの机を5つ作る。
隣に、寝室を作り、ここにもベッドを28個作り、葦の束をそれぞれに置いておく。
ベットの横にそれぞれ、チェストを作り服を入れておく。
トイレは、6つほど設置する。
キッチンもリビングにつながる様に作り、多くの料理が一気に作れるように、
大き目の鍋やフランパンを用意する。
お風呂も作るけど、男女それぞれに入れるように2つ作る。
空気孔や浄化槽、排水溝などの設備関係を作っておく。
リビングから、小部屋を作り奥を2重壁にしておいて、
その奥に俺の家に通じる亜空間の入り口を作る。
獣人奴隷達が、家に入らないようにしておくためだ。
それと別に、新規の亜空間を作り、その入り口を開けておく。
こちらは、獣人奴隷を救出した後に、ここに来る道として使う予定だ。
あとは、備品を出しておく。
オイルランプやオイル、食材に薪、トイレの紙代わりの葉っぱを出しておく。
あとは、28人分の食器を木で作っておく。
とりあえず、こんなもんだな。
準備は終わった事だし、夕食まで久しぶりに魔法の検証を行おう。
今後、魔法に対抗する手段があるのだとしたら、
今までの方法が使えない場合もあるので、
別の方法もなにか考えておかないといけないと思ってる。
酸欠の動きは基本的に、魔法で範囲を作りその内部の酸素を外に出してしまうという魔法だ。
単体相手の場合には、その範囲が相手の口の周りのみ。
複数や、魔獣相手の場合には、周囲10メートルくらいでやっている。
魔法を無効にする魔道具は、きっと魔道具の範囲と、
俺の魔法の範囲が被った時に発動して、魔法を打ち消してしまうのだろう。
まあ、打ち消されたとしても、すぐにもう一度実行すればいいんだけど、
出来ない事あった場合の、想定はしておいた方がいいだろう。
いままで使って来た、俺の攻撃系の魔法としては、
・酸欠
・石を削って空気を圧縮して打ち出す魔法もしくは、打ち出すのが剣のパターン
・水が大量にある所で、水を勢いよく飛ばしてウォーターカッター
・熱を指定の場所に出して燃やす魔法
・魔法で杭のような物を出して、人体に打ち込み神経を引きちぎる
・死体にしか使った事ないけど、血抜き
くらいかな。
この中で、効果範囲に直接魔法を使わないのは石と水か。
この2つなら、魔法無効は効かないだろう。
でも、俺の反射みたな魔法があったら、跳ね返される危険がある。
無効よりも、跳ね返される方が危険なので、違う方法を考える必要があるな。
物理の何かを飛ばす訳でも、効果範囲を魔法で包む訳でもない魔法が必要だ。
簡単に思いつくのは、酸欠の改良版だ。
酸欠って、今は範囲の中に使っているけど、やっている事は酸素を抜いているだけなので、
逆に、範囲の外の酸素を集める魔法にすればいい。
バレーボールくらいの範囲の魔法を作って、外の酸素を集めてしまう。
1つだとたいして効果はないけど、これを複数作って、相手の周りに配置すれば、
きっとそのあたりの酸欠は起こさせる事が出来るんじゃないかと思う。
ただ、周りからも空気が流れてくるので、
完全に酸素を抜く事は出来ないだろうが、効果自体はあるだろう。
他に、気絶させずに殺してしまうのが目的なら、反射されても問題無いように、
俺の居ない方向からの物理攻撃か。
例えば、天井を落とすとか、床を抜くとか・・・。
床か・・・。
床に穴を開けて落とすって言うのも、魔法的には相手を包まないな。
足元さえ魔法無効の魔道具の効果範囲でないのであれば、
足元に穴を作る事で落とす事が出来る。
単純な落とし穴もありだけど、底なし沼的な物や、亜空間に飛ばす系もありかもだな。
いや・・・底なし沼はともかく、亜空間は魔法無効で抜けられるか・・・。
単純落とし穴が良さそうだな。
落ちるのも早いし、穴の深さ次第で生かすも殺すも選択出来そうだし。
穴の大きさで、範囲も変えやすい。
さらに入り口閉じたら、そのまま閉じ込められるし。
酸欠同様に、またしても地味でゲームとかでは採用されなさそうな魔法だけどな。
後は、対魔法使いだな。
魔法って弾けるんじゃないかと思ってるんだ。
俺の魔法もそうだが、体から魔力の触手みたいなのを伸ばして、
その触手の先端で魔法を発動している。
範囲のの場合には、その触手の先端を大きく膨らまさせているだけだ。
触手で直接物を触る事は出来なくってすり抜けるのだが、物を持ち上げる時には、
先端に重力制御を行って持ち上げている。
こういった時には、イメージはしっかりしているのだが、意識はあまりせずに発動している。
初めて物を持ち上げたのは、日本の時にリーザに教えて貰った時だが、
その時も意識せずに持ち上げたしな。
この触手を弾く事が出来れば、魔法に対して対抗できる。
治療する時、相手の体に魔力を浸透させるるのに時間がかかのも、
相手の魔力に弾かれるのが原因ではないかと予想している。