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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
134/223

20.奴隷の状況


「ええ。俺がいるのは分かってるはずなのに、露店を襲って、

俺がどのような反応をするのかを、見てみたいって所でしょう。

たぶん、露店を襲った程度なので、自分が襲われるなんて事は無いだろうと踏んでるんです。」

「!!もしかして!」

「いえ~。やらないです。でも、報復はします。」

「どのような?」


「ケニーさんは、レスリーの店舗は把握していますか?あと、倉庫のような所も・・。」

「ええ。一通りは・・・。」

「それ教えて貰ってもいいですか?」

「何されるんでしょう?」

「レスリーのどこかの店舗を潰してみようかと思ってます。」

「!!」

「これが、様子見の返答って感じですね。

全滅させてもいいんですけど・・・そこまでやると、さすがに何か出て来そうですからね。」

「完全に敵対ですね・・・。」

「うちの露店を襲った時点で、もう敵対ですよ。

で、どの店舗を潰すのが、レスリーにとって痛いのかなと思って・・・。」

「う~ん。痛いのは、貴族向けの店舗でしょうか・・・。」

「貴族向けの所は、その後に貴族が出て来たりすると、面倒そうですね・・・。

一般向けで、痛そうな店舗はないですか?」


「それでしたら・・・。奴隷商店ですかね・・・。

今は奴隷が少なくなっていて、値段が上がってるので高級品になっていますし、

今後も値段が下がる目途も立ってませんからね。」

「なるほど、奴隷商店か・・・。それなら少し準備も必要そうですね。」

「準備ですか?」

「ええ。奴隷をどこかに退避させないとですので、場所の確保が必要ですからね。」

「奴隷の退避ですか?奴隷って獣人なんで、生かしておく必要はないですよ・・・。」


「珍しいですね。ケニーさんがそんな強い言葉を言うのは・・・。

獣人と言うのは、そこまで嫌われているって事ですか?」

「・・・そういえば、そうですね。あなたは獣人との戦争を知らないんでしたね。」

「ええ。俺自身が浮浪児だったって事もあって、獣人への偏見はありません。

俺も同程度の扱いでしたから・・・。」

「・・・なるほど。」


ケニーさんは少し考え、そして俺を見て、

「多分、ハルトさんの考えの方が正しいのかもしれませんね。

私も獣人を憎んでいます。

親戚を殺された過去もありますので・・・。

だからと言って、自分の恨みを晴らすために、奴隷を買う気はありませんでしたけどね。」

「自分の恨みを晴らす為に買うって言うのは・・・。」

「ええ・・・買った奴隷を虐待したり、殺害して気分を晴らすと言う事ですね・・・。」

「そんな事に使われてるのか・・・。」

「ええ。獣人奴隷の主な用途は、肉体労働用と、魔道具を持たせて強制的に使わせるか、

虐待用です。」

「・・・なるほど。」


なんて世界だ・・・。

元々ろくな世界だとは思ってなかったが・・・ひどいな。

奴隷なんて、人権が無いとはイメージしていたが・・・殺す為に買うとか、

気晴らしに買って殺すとか・・・。


ただの労働とか護衛に使われるのかと思ってたが・・・。

確かに戦争での奴隷の扱い・・・しかも、見た目が違うとなったら、

そんな扱いもあり得るのか・・・。

いや・・・それだけじゃないな・・・。

女の攫う盗賊も、子供を虐待するやつも、奴隷をこんな扱いする奴もいる・・・。

この世界は弱い奴に徹底的に厳しく出来ている。


それを聞いてしまうと、獣人奴隷全部解放したくなってしまうな・・・。

同情なんかも無くはないが、それよりも勿体ないって思ってしまうんだよな。

獣人とは言え、人間を無駄遣いするなんて・・・。

どんなに弱い立場の人間だって、役に立てる方法があるはずなんだけどな・・・。


「奴隷商店の襲撃にしますね。」

「・・・分かりました。ただ、生かして連れ去るのでしたら、首輪を外さないといけません。」

「首輪?拘束具って事ですか?」

「ええ。魔道具になってます。契約した相手の指示に従わなければ締まるんです。」

「魔道具なんだ・・・。高そうですね。」

「そうですね・・・。それなりの金額しますが、付け替えも利くので最初だけですね。」

「なるほど。で、それの外し方が特殊だったりするんですか?」

「はい。契約者なら普通に外せるんですが、契約者以外が外そうとすると、

魔道具が発動して、締まってしまうのです。」

「じゃあ、どうやって・・・。」

「首輪は、革製ですので締まる前に切ってしまえば大丈夫ですが、かなり頑丈ですので、

何か手を考えなければいけないかもしれません。」

「切る方法か・・・。どんな頑丈でも、革なんだから俺のナイフで行けそうな気がするな。」

「でも閉まってしまうと、それで死んでしまうので、気を付けてください。」

それは、実際の物を見て検討してみるしかなさそうだな。


あとは、奴隷を助けた後、どうするかな・・・。

とりあえず、どこかに地下部屋を作って、そっちに移動してもらうけど、その後だな・・・。

希望する人は、獣人の国に返してあげたいけど、行けないしな・・・。

しばらく囲う感じになるのかな・・・。


「今晩にも実行しておきます。」

「分かりました。気を付けてください。

あ・・・そうだ。

話は変わりますが、先ほどバーナード達が来ました。

そこで、お話をしてバーナード達パーティーを一括で雇う事にしました。」

「え?」

「ケガをされているフェルトは、売り子として働いてもらいますが、

私の護衛として、バーナードのパーティの2人を雇う事にしたんです。」

「なるほど・・・銀ランクだし、信用出来るって事ですね。」

「ええ。ケガしたフェルトを雇った事で、裏切るなんて事もなさそうですし、

ハルトさんに、ずいぶんと恩義も感じてるようですしね。」

「ああ。実験でフェルトさんのケガに魔法薬使ったのですかね。」

「!!。どおりで・・・そんな事してるんですね。」

「いい護衛だと思いますよ。」


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