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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
133/223

19.露店襲撃(3)


「昨日、ケニーが居た事で、ケニー商会絡みってバレたんじゃないかな。」

「え~と、露店の前に掲げてた旗が、ケニー商会の紋章なんです。」

「!!・・・なるほど、そりゃ分かるか。

でも、それじゃあレスリーに狙ってくれと言ってるようなもんじゃないか?」

「まあ、狙いとしてそれもあったんですが・・・。

でも、ウィダスの雑魚男爵から俺の事聞いてると思うのに、

なんでそんな無謀な事してるんだろ?」

「・・・たしかにな。しかも、銅ランクの下っ端をわざわざ・・・。」


ブラントさんが何かに気が付いたようで、

「!!もしかして、お前をおびき出して狙ってるとかか?」

「俺をおびき出してどうするんです?」

「捉えるか、殺すか・・・。

そして、自分の陣営に取り込むか、領主様なんかに引き渡して功績にする・・・。って所か。」

「俺を捉えるのは、かなり至難の業だと思うんですけど・・・。」

「・・・魔法使い対策をしている可能性があるな。」

「なんです?魔法使い対策って。」

「ん?知らないのか?」

「うん。知らない。教えてください。」

そんなのあったら、いろいろやばいよ!


「魔法を無効化する魔道具がある。」

「ええ!」

「と言っても、1回だけの使い捨てだが・・・。

それ以外にも、相手の視覚を奪ったり、物理攻撃を反射する物なんかもある。」

「1回だけ無効にするとか、いやらしいですね。10個とか持たれたらかなり面倒だ。」

「さすがに、高価なのでそこまで持ってるやつはいないだろうが、

魔法使い対策は常に研究されているそうだ。

獣人国との戦争でも必要だったし、王国でもクーデターなんかを起こされる事を、

危惧する派閥もあるからな。」

「なるほど・・・。」


「後は、魔法使いを用意してると言うのも考えられるな。」

「そっちは、それほど危惧していません。」

魔法は、先制が格段に有利だ。

俺が敵を見つけるよりも先に、敵が俺を見つけるのは、

俺以上の索敵能力がないといけないが、それは多分いないと思いたい。

それに魔力が見えるので、そうそう遅れをとる事は無いだろう。

まあ、油断はしないけどな・・・。


「ただ、ブラントさんの言うような、俺をおびき出すって言うのが目的なら、

もう少し違う呼び方がありそうなんですよね。

わざわざ敵対しなくても、普通に呼び出すとか、

敵対したいなら、警告したようにケニーさんを狙うなりって、手があるはずなんですよ。」

「たしかにそうだな・・・。」


「そうなると、レスリーの今回の動きの目的がはっきりしないですね・・・。

俺に敵対したいというのは分かりますが、

わざわざ意思表示と言う訳ではないでしょうしね・・・。」

「そうだな・・・。今回の件は、お前に対してと言うよりも、

ケニーに対してと考えた方が正しいだろうな。」

「純粋に、露店に対しての牽制と脅迫って所ですか・・・?」

「それだけじゃなくって、これが定期的にされるなら、

営業妨害って意味合いもあるのかもな。」

「なるほど・・・。定期的に襲われる露店に客は着かないでしょうしね。

でも、それなら捕まった犯人からレスリーの名前が出れば、それで終わりじゃないです?」

「いや・・・レスリーの名前が出ても、

レスリーに対して直接どうこうする事は難しいだろうな。

冒険者ごときの話で、攻める事さえ難しいだろうからな。」

「という事は、レスリーとしてはノンリスクで邪魔し放題って事?」

「手ごまは減っては行くだろうが・・・冒険者なんて何万人もいるからな・・・。」


う~ん。どうするかな~。

封建制度で、貴族の後ろ盾がある商人は、なんでもやり放題なんだろうな。

貴族とのルートを切るのが一番効果は高いが・・・。

貴族側に手を出すと、大事になりすぎるな・・・。

ドウェイン子爵が手を出して来たと言うならいざ知らず、レスリーの露店襲撃程度で、

貴族に絡むと言うのも大げさなんだろうな。


レスリー側も、今回はどう反撃されるかの様子見の部分もあるだろうから、

何もしないってのはなしだな・・・。

だからと言って、大きく手を出し過ぎるのもまずい・・・。

直接顔を合わせない程度に、相手にも損失を出させる感じか・・・。

報復合戦にならないように、次に手を出す気は無くし、大事に出来ないようなのがいいな。

それに付いては、ちょっとケニーさんに確認してみようかな。


「そういえば、あいつらはどうなるんです?」

「そうだな。一応レスリーとの関連を吐かせてしまって、

後は衛兵に渡して強制労働か処刑だな。」

「あと、うちの露店壊した弁償も・・・。」

「ああ。そうだったな。いくらだ?」

「銀貨35枚ほど。」

日本円で35万円くらいだ。

「・・・それは無理だろう。一応装備なんかは取り上げて、

それを売った金額はそっちに回すようにするが。」

「・・・そうですよね。そこはレスリーに請求するかな。」

「おい!直接レスリーの所に乗り込むつもりか!?」

「どうしようか悩んでる所ですが、多分直接はないと思います。」

「直接はやめておけよ。確実に貴族様が出てくるからな。」

「・・・了解です。あと、護衛が雇えるまでしばらくお店は休みます。」

「ああ。そうだな。その方がいいかもしれん。」

「じゃあそういう事で、よろしくお願いします。」

「ああ。」


俺は、冒険者ギルドを出て、ケニー商会に向かう。

「ケニーさん。」

「ハルトさん。なにか分かりましたが?」

「レスリー絡みっぽいですね。」

「はぁ。そうですか・・・申し訳ないです。」

「いえ。今回は、レスリー側の様子見じゃないかと思ってます。」

「様子見ですか?」


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― 新着の感想 ―
[一言] 直接乗り込んでもいいじゃん、貴族が出てきたって主人公をどうこうできないだろ。
2022/03/08 00:46 退会済み
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