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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
131/223

17.露店襲撃(1)


露店に到着すると、なんだか騒ぎになっているようだ。

露店の周りに冒険者が居て、大きな声を上げている。

冒険者の集団が露店に対して、蹴ってるのが見える。

剣を抜いている奴もいる。


「まずいな。」

近づいてみると、剣を抜いている奴はそれ以上攻撃するような雰囲気はない。

だが、他の奴は露店に対して蹴りを入れ、露店を引き倒し、食材をぶちまけてる。


「何してやがる!」

俺は、すぐに駆け付けて酸欠、ナイフで攻撃しようとしたが、

こいつらアリーヤ達に攻撃する気はなさそうだ。

アリーヤと、ファギーは怯えてしまって、露店から離れて震えてる。

露店を潰すのが目的か・・・。


「人目が有りすぎるな・・・。」

俺は、冒険者ギルドに追い風で移動し、訓練場にいるブラントさんにの元に向かう。

「ブラントさん!」

「ん?どうした?」

ブラントさんは、冒険者達に指導している最中だった。


「うちの露店が絡まれてるんで、助けて貰っていいですか?」

「ん!分かった行こう。」

ブラントさんも走って、露店に向かってくれる。

俺も、一緒に追い風で向かう。


露店に着くと、たむろってた冒険者5人のパーティーが、さらに露店を攻撃している。

露店や、露店の後ろに置いていた木のばんじゅう(木なんかで出来た四角の入れ物)も、

割れて壊れてしまっているので食材も全滅だ。


さっきは気が付かなったが、エディも蹴られたのか横でうずくまっている。

一人は、剣を抜いている。


「お前ら何してるんだ!」

ブラントさんは状況を見て大声で叫びながら、露店と冒険者の間に入り込む。

「ブ、ブラントさん・・・。」

「ブラントだと?最強のブラントか・・・。」


「何をしていたのかと聞いてるんだ!答えろ!」

「いや・・・。こいつらがこんな所で許可も無く露店なんか開いてた上に、

浮浪児のガキまで一緒に騒いでうるさかったんで、躾けてたんだ。」

「ああ?誰が許可を取ってないって言ったんだ?」

「・・・いや・・・こんな所で露店なんて許可出るはずないし・・・。」

「許可出てるんだよ!」

「な!そんな訳は・・・。」


「俺が嘘ついてるっていうのか?」

「いえ・・・。だけど、許可出てないって・・・。」

「誰が言ったんだ?」

「・・・。」

「お前ら全員、取り調べる!露店の損害もすべてお前らが保証する事!」


俺は、露店の損害をざっと見て、

「・・・露店の損害は大体、銀貨35枚程度ですね。」

「銀貨35枚!」

「ええ。用意してた肉が全部ダメになっているので、売り上げで考えると銀貨25枚程度と、

特注品の荷車の屋根や、特注のケニー商会の旗が破られてますので、

これらの弁済で銀貨10枚程度って感じですね。

さらに、エディのケガの保証と、売り子の心の傷を考えるともっと貰いたい所ですが。」

「!!!」


「ブラントさんお願いしますね。俺はそいつら許せないから。」

ブラントさんは、俺が本気で怒っているのを見て取ると、

「あ、ああ、こいつらには確実に弁償させる。」

「ブラントさんお手数をおかけしますが、後よろしくお願いします。」

「ああ。」

ブラントさんに連れられて、5人の冒険者達はギルドの建物に入っていく。


「アリーヤ、ファギー、ケガはないか?」

「すみません。ハルト様。あたしたちは大丈夫ですが、エディが・・・。」

「すぐに片づけて家に戻るぞ、エディも荷車に乗せて運ぼう。」

「はい。」


エディは気絶している。

最初に狙われたんだろうな。

ファギーにエディを荷車に乗せてもらい、俺も荷車に乗る。


後の片付けは2人に任せて、俺はすぐに治療に当たる。

魔法を流すと、それほどのケガではなさそうだ。

打ち身と、頭を打ったようでたんこぶが出来てる。

脳からの出血があったりもしないようなので、問題は無いだろう。

打ち身は治療して、たんこぶはそのままにしておこう。

たんこぶまで治ってるとおかしいからな。


早々に片付けたら、倉庫に向かって移動を行いながら事情を確認する。

「何があったんだ?」

「はい。あの冒険者5人がそろって露店に来て、突然エディを蹴ったんです。

「何をするの!」って言ったら、文句を言いながら旗を剣で切り付けて、

露店を蹴りだしたんです。

私達も、抵抗しようと思ったんですが・・・。剣を抜けなかったです。」


「ごめんね・・・。俺が離れなかったらもっと早く助けて上げれたんだけど。」

「いえ・・・あたしの方こそ申し訳ありません。怖くてお店を守れなかったです。」

「いや。ケガしてないなら良いよ。露店も肉も大したもんじゃないしね。

アリーヤやファギーがケガする方が俺は悲しいから。」


ファギーが、

「あたし、あの冒険者が商人と話してからこっちに向かって来たのを見てました。

あの商人に何かを言われて来たっぽいです。」

「商人?」

「ええ。何人か奴隷も連れてました。」

「なるほど・・・。いちゃもんじゃないのかもだね・・・。

落ちた肉とか拾われたりしてた?」

「・・・多分そんな事はされてないはずです。」


うちの露店を模倣するのに、ケニーさんの旗が邪魔で見えてなかったので除けたかったとか、

混乱に乗じて、バーベキューコンロなんかが見たかったとか、

肉を奪って調理法を研究ってしたいって言う、ライバル商人の可能性・・・。

でも、一番ありそうなのは、ケニー商会に恨みがある・・・レスリー。

レスリーなら、ケニーさんに対しての脅しや嫌がらせって言うのもあるのかもしれないな。


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