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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
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10.初めての露店(3)


「あの方のパーティーの方は信用出来る方なのです?」

「僕が、まだ浮浪児だった時に、冒険者ギルドに依頼して来てもらった冒険者で、

グリズリーベアを運んで貰いました。

それなりに警戒してたと思いますが、誠実だった人なので大丈夫だと思います。」

「なるほど。了解しました。」


7時を過ぎると、外に出る冒険者以外の冒険者達もギルドに集まりだしてきた。

この時間帯に集まりだす冒険者は、外に狩りに行くのが目的でなく、

町の中での仕事を探しに来るものが多い。

その日の仕事があればするし、なければそのまま帰るという生活なので、

それほど裕福な冒険者達ではない。

その為、売れ行きはそれほど良くないだろうと予想している。


予想通り、声はかけられるけど購入する人はあまりおらず、しばらくそれほど売れない。

時間も過ぎて、少しずつ依頼を行う商人や職人が増えて来た所で購入者が出て来た。


食べた人には絶賛され、1人の人が何個も購入していく。

特に商人の人達は、さすがに目ざといのかどうやって作っているのか、

どんな道具を使っているのか、屋根付きの屋台や、バーベキューコンロなど観察している。

どれくらい売るつもりで、材料はとか、シカ肉の仕入れ先はなどアリーヤに質問もしている。


ケニーさんが、商人の対応をしてくれて助かった。

かなりしつこかったしな。

それでも、きっと近いうちに類似の店が出そうだな。


予想通り、お昼になる前にはシカ肉は完売してしまった。

「売り切ったね。」

「お疲れさまでした。」

「追加で200用意して営業するかな・・・いや、欲張ってもしかたないので、

今日はこれで終わっておきますか。」

「そうですね。明日から400用意する感じで、いいかもしれませんね。

準備もかかるでしょうし。」

「今日はこれで終わりましょう!みんなご苦労様でした!」


俺は、エディに約束していたご飯としてパンを渡して、

「エディ悪いけど、倉庫に付き合ってもらっていいかな?」

「なんだ?」

「明日からの為にも、もうちょっと綺麗な格好になってほしいんだけどいいかな?」

「え~。面倒だよ。」

「でも、売り上げが変わるかもだから協力してほしいんだけどな。」

「・・・わかったよ。」

浮浪児の恰好のままでは、宣伝するにもあまりいい印象を受けてなさそうだったからな。


「ケニーさん。追加の人員と、加工工場の確保お願いしますね。」

「はい。分かりました。今日の分だけでも利益がかなり上がる事も分かりましたし、

早急に用意するようにします。

私は、冒険者ギルドと、商業ギルドに寄ってから帰りますので、お先させてもらいますね。」

「はい。お疲れさまでした。」


俺達は、片づけを済ませてクシェル達と、エディを連れて倉庫に移動していく。

エディには、水浴びしてもらい髪を切り、麻で出来た貧民服を着て貰う。

俺の持っている貧民服は、子供用が無かったのだが必要になるかもと、

リルにサイズ直しして貰っていたので、エディにも少し大き目だが大体合う感じだ。


孤児院服は、ほとんど裸というか、下半身露出状態なのであまりよろしくないんだよな。

明日からも、同じくらいの時間には来てもらう事を約束してもらい、

今日は路地に戻って貰う。


さて、今日の売り上げの計算をしようか。

なかなかの売り上げだ。

シカ肉を200食売って、大銅貨が約200枚という事は、大銀貨2枚の売り上げだ。

日本円で言うと20万の売り上げになった。


まあ、エディにあげたのとか、渡す時や、

食べる前に落としちゃったのでサービスで渡しのとか、

こっちで、焼く前に落としちゃったのとか、数個の損失はあったのと、

そもそも、200個くらい作ってただけで数えてなかったというのもあり大体200個だ。

そこまでシビアにはやってないんでね。

今後は、ケニーさんがやってくれるだろう。


人件費は、今日は3人でやって貰ったので少し高くなるが、

明日からは2人体制で考えているので、とりあえず2人として計算しよう。

1週間、銀貨1枚で計算すると、1日は大銅貨1.4枚2人なので、2.8枚程度

日本円で、2,800円だ。

安すぎる・・・。ほとんど考えなくていいくらいの人件費だな。

シカ肉が、同じ量を冒険者ギルドに販売すると2万円程度なので各段な差だな。


後は、経営をケニーさんに任せると、半分くらいはケニーさんに渡す事になるだろう。

ケニーさんには、渡した取り分の中から、税金や露店許可なんかの金額、

今後の人件費と工場の運用費などを支払ってもらうので、

実際の利益はケニーさんの方が少なくなるだろうが、

それなりなはずなので了承してくれると思う。


そう考えると、うちの売り上げは10万円くらいかな。

400売れるなら、毎日20万円の売り上げで、経費が肉4万+雑費1万程度と考えても、

15万の利益になりそうだ。

という事は、露店の売り上げだけで月給換算で450万、年収5,400万の計算か。

今の調子で売り続けれるなら、かなりの儲けが見込めるな。


これにさらに、うちの家計としては、皮と肉とコウモリの納品を合わせると、

さらに金額は上がるな。


みんなで、家に帰りお昼ご飯を食べる。

「今日はお疲れ様だったね。」

「楽しかったです!あんなに忙しくなるとは思ってなかったですけど。」

アリーヤは、楽しそうに笑ってそう言った。

「そうですね。焼きも結構忙しかった時間がありましたね。」

ファギーも、楽しそうだ。


「そうだね。なかなか楽しかったね。マディも下ごしらえお疲れさま。」

「いえ。楽しんでやれました。でもあれだけの量だと1人では大変ですね。」

「そうだね。明日からはクシェルはこっちに残ってマディの手伝いをお願い。」

「分かりました。」

お店の方では、人が余りがちだったからね。


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