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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
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7.露店準備(3)


「久しぶりのアイカの町だな。」

ジャックは、東の盗賊が討伐された事で、いつでもアイカには戻れるようになってるんだが、

もうアイカで生活する気はないようだ。

まあ、環境的には今の家の方が良いのはもちろんなんだが、

まったくアイカに来てなかったから、前の事件の事がトラウマになっている部分も、

多々あるんだろうな。

あれだけの事をされたら当然か・・・。

今回、来てくれるだけでも強がっているが、かなりつらいのかもしれないな・・・。


ジャックの友達の所に移動していく。

人目が無くなった所で背負子は亜空間にしまい込んだ。

ジャックが話していた路地に、1人で座っている浮浪児がいた。

「おい!久しぶりだな!エディ!」

「ん?・・・誰だ?」

「ジャックだ!」

「ジャック?。

・・・ジャックだ。」

「ああ。俺の顔忘れたのか?」

「そんないい服着て、髪の毛も短くなって、すぐに気づけって方が無理だ。」

確かにそうだろうな。

2か月前のジャックからは、想像できないほどにきれいになってるだろう。

それに、食生活も良くなったので、肉付きも多少良くなってる。


「まあ、いいや。仕事があるんだがやらねえか?」

「仕事?危ない仕事はしねえ。」

俺の事をいぶかしげに見ながら、警戒している。


俺も、フードを取って顔を出して、

「危ない仕事じゃないよ。露店を出すんだが、手伝ってほしいんだ。」

「俺は、露店とか知らねえぞ。」

「ああ、それは大丈夫。露店の横で宣伝・・・決まった言葉を叫んで貰うだけの仕事だ。

報酬は朝来てくれた時に食事をあげるのと、店が終わったら食事をあげる。」

そう言いながら、俺はローブの中からパンを出して渡す。

「パンだ!」

奪うように俺から受け取って、すぐに食べだした。


「明日、5時半くらいに冒険者ギルドの前でやっている露店に来てくれ。」

「ああ。」

「俺はいねえけど寝坊すんじゃねえぞ!」

「分かってる!」


ジャックと一緒に、家に帰って来た。

これで俺の露店準備は大体終わりかな。


マディ達はまだ忙しそうにバタバタしているけど、そっちを手伝うのもあれだし、

気になってるのがあるんだよな。


ウィダスに行ってた時に手に入れてた魔道具。

全部で6つだ。

暗殺者達が持っていた5つと、雑魚男爵が持っていた1つ。

何の魔道具なのか判らないが、何かの魔法が使える道具って事なんだろう。

魔力視で見ると、魔力もそれなりに入っているようだ。


暗殺者の持っていた5つは同じ物っぽいので、これを1つ分解してみよう。

左手用の小手の形をした魔道具だが、裏側の直接腕に触れる部分に、

鉄でカバーがくっ付いているようだ。

その部分に、魔力が集まっているので、それを慎重に剥がしてみる。

すると、その鉄の板の裏に魔法陣?と思われる物が書かれている。


俺のイメージする魔法陣と言えば、丸いのとか星型とかあるけど、

これはどっちでもなくって、いろんな条件の掛かれた文字の羅列って感じだ。

文字に魔力が込められているのは間違いないから、これが魔法陣って事でいいんだろう。

掛かれている文字は普通に読める。

ん?プログラムっぽいのかもしれない・・・いやパラメーターの設定だけって感じかな?

何の魔法であるのかが大きく書かれて、その後にいろんな数字が書かれている。

これは・・・そんなに難しい物ではなさそうだな。

数字の意味は分からないので、どういうルールで書いていくのかは分からないが・・・。


とりあえず、この魔道具には「音声通信(受信専用)」と書かれていた。

他の暗殺者が持っていたのも同じくこれだった。

パラメーター的な数字を見ると、チャンネル番号的な物にシリアルな番号もついているので、

送信用の魔道具で、このチャンネル番号に対して送信すると、

この受信機から聞こえるんだろう。

全部の鉄の板を剥がしてみたが、、今回は送信機は無いようだ。

使えない受信機が5つか。

あの死んだ奴が持ってたのか、司令部みたいなのがあって、

情報を共有に使っていたのかわからないけど、今回は手に入らなかったな。

使えれば結構便利だとは思うけどね。


でも、魔法陣部分が張り付いてるだけで魔道具って言うんだね。

この魔法陣部分の鉄の板を別の装備に付けたら、それが魔道具になるって事っぽいな。

鉄の板部分だけ回収して、小手の方は売る感じかな。


なるほど、これで少し分かったのは、ギルド証も2枚の鉄が合わさっていて、

きっと剥がしたらこれが書かれてるんだ。


素材も関係なさそうだし、大きさは関係あるのかな?

丸めたり折り曲げても使えるのかな?

曲げたり折ったりしても、魔力量は変わらなさそうなので使えそうな気がするな。

どっちにしても、もうちょっと情報と研究が必要だな。


あとは、雑魚男爵が持っていた方は・・・。

ネックレス型で、トップ部分に飾りが付いていて、それに魔法陣が直接書かれているようだ。

魔法陣を見てみると、

「・・・いらね~。」

見た瞬間思わず言っちゃった。。

「冒険者ギルドよりも、ケニーさんの方が高くで売ってくれそうだな・・・。」


・・・そこには、「精力増強」って書いてあった・・・。

奪ったのが、逆に恥ずかしかったりするよ。

5歳児には間違っても必要のない魔道具だ・・・。

今日はもう寝るか・・・。


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