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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
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5.露店準備(1)


俺は亜空間を出して、ブラントさんを連れて、アイカの倉庫に移動する。

「ここは、移動場所だったのか?」

「まあ、そうですね。」

「お前には門なんて関係なしなんだな。」

「内緒にしておいてくださいね。魔法使いだとは公開しましたが、

なんの魔法が使えるまでは公開するつもりはないので。

それに、ここが使えなくなるのも困るから。」

「ああ。」

ブラントさんとは、倉庫の前で分かれ俺は家に帰る。


さて、これでいろいろ片付いたから、露店準備の続きをして行こう。

俺は、ケニー商会にお邪魔する。

「ケニーさん、聞きたい事があるんですけど?」

「なんでしょうか?」

ケニーさんは、まだウィダスからの荷物の整理を行っていた。


「あ・・・。とその前に、明日から露店開店する事になりました。」

「明日からですか。急ですね。」

「場所だけ取れたら、始めようと思ってたので・・。」

「なるほどです。開店は何時からですか?」

「朝5時に倉庫出発して、5時半くらいから開店しようと思ってます。

東門の開門を待っている冒険者から狙っていきたいので。」

「早いですね。分かりました。私も行きますね。」

「お疲れでしょうし、無理しないでいいんで、

良い感じの時間に来ていただければでいいです。」

「わかりました。」


「そう、来た理由はほかにあるのです。

ケニー商会のマークみたいなのってあったりします?」

「商会の紋章ですか?ありますよ。」

「見せて貰っていいです?」

「これです。」


指輪に書かれた紋章を見せてくれた。

紋章は、たぶん荷車と壺っぽい物がデフォルメされている感じの紋章だった。

「私は、塩の行商が主でしたので、こういう紋章にしたんです。」

「なるほど~。これ使っていいですか?」

「え?なにするんです?」

「露店にデカデカとこれを掲げようかと思ってます。」

「露店にですか!?どうしてそんな事を?」

「いろいろ理由はあるんですが、

類似のお店が出てもうちの露店の味は出せません。

そうなると、類似の店で食べて、全部の店がおいしくないって思われるのは困るのです。

なので、おいしいのはケニー商会の紋章のある店だけって言う宣伝が出来ます。

あと、ケニー商会の宣伝にもなります。

露店が当たれば、ケニー商会にほかの商品も買いに来ますよ。

特に塩なんかは、露店の味を出せるかもと買いに集まるでしょうね。

値段を高くしても売れるようになるでしょう。

あとは、今後の系列店を出すにしても、他の店が成功していれば、

同じマークの店という事で、信用を得た状態で商売か開始できます。」

「なるほど・・・。そういった宣伝方法に、類似店抑止ですか。いいですね。」

「じゃあ、紋章使わせてもらいますね。」


紋章の形を、木に写しておく。

後で、この紋章で草木染をしてみようと思ってる。

ペンキの作り方は知らないので、木に色を付ける方法が判らない。

それなら、昔に体験学習でやった事があるので、草木染がいいんじゃないかと思て・・・。

草の染色成分を布に染み込ませて、定着剤に付ければ出来上がりだったはず。


と・・草木染はリルにも教えておきたいな。

ケニーさんに別れを告げて、一旦家に戻って、リルに声をかけ倉庫に戻って来る。

「草木染ですか?」

「うん。布に色を入れる為の技術なんだけど、リル向きかなと思って。」

「布に色を入れると、なにかいい事があるのですか?」

「う~ん。きれい?」

「はぁ。」

「まあ、やり方は薬を作るやり方と少し似ているので慣れてるだろうし、

出来上がったの見てみて貰えれば、きっと面白いのが分かって貰えるかも。」

「分かりました。」


今まで刈ってきた雑草から、同じ種類のものを選び出し細かく裁断する。

そして、大き目の浴槽に水を張ってそこに突っ込んで行く。

それなりの量になったら、沸かして煮だしていく。

木で大きなへらを作って、ぐるぐるかき混ぜて行く。

これで、色の成分が出るはずだ。


色が出て来たので、リルにシーツを屋台の下側に収まるくらいの大きさに切ってもらう。

この切って貰ったシーツを、浴槽の中に入れてさらに煮込んで行く。

しばらく、シーツをゆらゆらさせながら煮込んで行く。

「なんだか、料理作ってるみたいですね。」

「そうだね。料理にも似てるね。」


布に色は入ったが、なんだが黄色っぽい茶色な感じの色になってしまった。

緑になるんじゃないかと思ってたけど・・・

まあ、煮てる段階でこの色だったし、色は着いたみたいだし。まあいっか。

「淡い感じの黄色が入ったんだけど・・・どうかな?」

「・・・ええ。乾いたらもう少し違う感じになるんでしょうか?」

リルは微妙そうな感じだな。

確かに、汚れただけって言い方も出来るかもな・・・。


布に色が入ったら、ケニー商会の紋章の部分の色を魔法で抜いていく。

魔法で色素を入れる方法は分からないが、入った物を抜く方法は想像出来たので、

そっちの方法でやってみる。

テープがあったら、この形に張ってから染めたら、

きっともっと簡単なんだろうけど、無い物は仕方ないからね。


「一応、紋章部分入れてみたけどどうかな?」

「う~ん。紋章が分かりにくいですね。」

「だよね・・・色が薄いからかな。定着剤浸けたら、

もうちょっと色が鮮やかになるそうなのでそれから確認かな。」

「はい。」


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