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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
5.魔法使いのお店
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1.冒険者ギルドへの報告(1)


ウィダスから帰って来た俺達は、まずはケニーさんの商会に荷物を置き一旦分かれる。


ロベルトさんとの約束で、ハーリさんの所に行ってお土産を渡しに寄る。

「こんにちは!」

「あら!ハルト!久しぶりじゃない。」


ハーリさんは今日も元気そうだ。

「お久しぶりです。ちょっとウィダスに行ってたのでお土産持ってきました。」

「あら。ウィダスになんのようで?」

「ケニーさんって言う、ヘビの頭の買い取りしてくれてた商人さんの、

護衛に行ってました。」

「あら・・。ハルトに護衛させるなんて、贅沢な商人さんなのね。」

「まあ、いろいろやってもらうし、ケニーさんがウィダスの出身だったので、

案内して貰うついでです。

あ・・これお土産です。」

俺は、塩の壺を1つと、干した貝類や海藻類を机の上に置いた。

「あら、ウィダスの海産物ね!これはなにかしら?真っ白できれいね。」

「なんだと思います?少し舐めてみてください。」


ハーリさんは、壺から少し手に取って舐めてみる。

「!!しょっぱい!塩なの?こんな真っ白で粒が細かいの初めて見たわ!」


この世界の塩は、不純物が多いのか結構黄色・・・茶色っぽいんだ。

それに、塩はかなり大きな粒になっており、使う時の使い勝手があまり良くない。

なので煮物に入れるか、一度砕いてから振りかける使い方をする。

その為、真っ白で細かい粒子の塩は珍しいのだ。

「これなら、そのまま振りかけても使えるので使い勝手いいですよ。」

「そうね。出来上がった料理の味を濃くしたいときにも使えそうね。

ありがと!うれしいわ。」


俺は、ハーリさんに挨拶して、冒険者ギルドに向かう。

ギルドマスターは部屋にいるようなので、マスターの秘書のような人に、

マスターにつないでもらい、マスターの部屋に入る。

「帰ったか。」

「はい。ウィダスは良い所でした。

景色も良くて、海も気持ち良くってなかなか楽しい所でした。」

「それはよかったな。俺は、あそこの潮の香ってやつが苦手でな。」

「あら。。海産物も美味しいのに。」


「・・・そんな事より情報を待ってるんだが・・。」

ギルドマスターは、ちょっとイラついた感じでそう言った。


「そうですね。実態は掴んできました。ある程度の対応もしています。

お話したいのですが、その前にブラントさん呼んで貰ってもいいですか?」


ギルドマスターは、いぶかしげに、

「ブラントがなにか関係しているのか?」

「ブラントさん自体は関係してないんですが、盗賊のリーダーがフランシスさんでした。」

「!!・・・なるほど。」

ギルドマスターは扉の外で待機している秘書的な人に、

ブラントさんを呼びだすように伝えて戻ってきた。


「ブラントさんが来るまでに、やばい方の話しておきますね。」

「なんだ?それは。」

「ドウェイン子爵でした。」

「!!」

「ウィダスの男爵に命じて、俺達の命も狙ってきました。そしてレスリー商会です。」

「・・・なるほど。」

大分端追ったけど、大体事情は分かってるっぽいな。


「で、そっちはともかくとして、男爵には名乗っちゃたんですよね。

ドウェイン子爵にも話は行くと思いますので、

ここに対してもなんらかの動きが出ると思います。」

「・・・なんて事だ。」

「俺の事を、魔法使いハルトとして探しにくるはずです。」

「!!おまえ!」

「ええ。貴族を抑えるのには仕方ないとは言え、

名乗ってしまってるのでいろいろ話も回っちゃうでしょうね。」

「く!・・・やはり、魔法使い・・・だったんだな。」

「ええ。」

「・・・王国との関係は?」

「まったく関係ないですね・・。あ・・ついでに他国とも関係ありません。」

「・・・それは朗報だな。」

ギルドマスターは全く朗報とは思ってない、苦虫をかみつぶしたような顔で肯定した。

「いろいろ衝撃的な話だな。」

「まあ、遅かれ早かれとはマスターも思ってたでしょ?」

「・・・そうだな。」


扉はが開いて、ブラントさんが入って来た。

「おお、ハルト!帰ったのか。で、俺に用事ってなんだ?」

「フランシスさんの事です。」

「ん?なんでハルトがフランシスの事知ってるんだ?」

「西の盗賊のリーダーしてました。」

「なんだと!」

「実際には少し違うんですが、詳しく話ます。」

「ああ。頼む。」

そう言って、傍にあった椅子に座る。


「西の街道から少し外れた場所に、冒険者村が出来ていました。

南西の森での、狩りの拠点として使ってたそうです。

この村のリーダーがフランシスさんです。

ここに、レスリー商会が手を出して、経済面で乗っ取った。

そして、非合法の依頼をこなす冒険者集団が出来上がったって訳です。

敵対する商会を盗賊として襲わせたり、自分たちの商会の安全を確保させたり、

税を払わずに、品物の売買をしたりして、儲けを出していたようですね。

あと、ノルマを課して無茶な狩りなんかもさせてたそうです。」


「・・・フランシスのあほたれめ!」

「冒険者村の規模は、2000人ほどでした。」

「2000!!」

「ええ。盗賊団とかのレベルじゃないですね。

ただ、半分の1000人ほどはただの農民です。

残り600人ほども盗賊に関係の無い冒険者でした。

あと残り400が実質の盗賊ですね。」

「400か・・それでもかなり多いな。」


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