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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
4.港町ウィダス
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41.暗殺者(1)


亜空間から、ウィダス近辺の地下部屋に出て、2番目の宿場に移動中の集団に近づき、

聞き耳の魔法で話を聞く。

「おい!本当にレスリー商会が何とかしてくれるって言うのか?」

「そう言ってただろ!俺達は村に帰って待ってればいいんだ。」

「だが、討伐隊はどうするんだ?」

「だから、それを何とかしてくれるって話だろうが。」

「貴族様にお願いして、討伐隊が来ないようにするって事か?」

「そうだろうよ!」


「ケニーの奴を殺せなかったのは怒ってなかったのか?」

「怒ってたが・・。ウィダスの町の中に入ってるんじゃ俺達には手が出せねえ。」

「レスリー商会の方で殺ってくれるって話だったから、

俺達は村に戻っていればいいって事だ。」


なに!レスリー商会から直接、暗殺に向かってる!?

これはまずいな、ケニーさんの所に戻らないと!


俺はすぐさま、亜空間経由でウィダスの拠点に移動する。

サーチすると、ケニーさんの家の周囲を怪しげな奴らが囲っているようだ。

間に合ったようだな。あの違和感に調査に行かなかったら、危ない所だったかもしれない。

6人か。

レスリーのやつ・・・直接手を出したな。


俺の拠点はケニーさんの家の隣なので、敷地の中にも暗殺者はいるようだ。

俺は見つからないように家から出て、暗殺者の1人を酸欠させる。

いつものように無力化の為に装備を回収する。


こいつら・・・本物の暗殺者だ。

冒険者と違い暗器というのか、投てき用の武器に、毒、それに魔道具なんかも持っていた。

防具の装備はしておらず軽装で、速さや侵入する事に特化している感じだ。

真空の膜で包んで足の神経を引きちぎり放置しておく。

あと5人。


俺の拠点の敷地からすぐの路地にも1人いるな。

暗視出来る俺には、ここからでも視認出来るので酸欠にして気絶させる。

倒れた音で気が付いたのか、もう1人こっちに向かって来てるな。

装備を剥ぐ前に、向かって来た奴を迎えるような形で、酸欠の範囲に入れ気絶させる。

2人の装備を回収し、真空の膜に入れて神経を引きちぎる。


あと3人か。

2人はもうケニーの家に突撃しそうだな。

間に合わない・・・こっそり減らしていくのはここまでか。

3人の真空の膜をはずし、叫び声が外に聞こえるようにする。

それと同時に、俺は物陰に隠れ動きを監視する。


暗殺者側としたら、今まさに扉から突入しようとしてたら、

家の裏側に待機していたはずの3人から叫び声が聞こえて来た。

敵に気付かれた上に反撃されたと判断して、

警戒したのか突入を止め一旦家から離れたようだ。

状況の把握する為に一旦様子を見るつもりなんだろう。


俺は、それを追いかけるように移動し、屋根伝いに移動している1人を気絶させる。

装備の回収をして、真空の膜は張らずに足の神経を引きちぎる。

次の奴を追いかけていると、俺の後ろに1人回り込んできた。

挟み撃ちのような形を取ろうとしているようだ。


なるほど。冒険者とは違うんだな。

俺の位置は分らなくても、犠牲者の位置から予測は出来るからな。

後ろから回り込んだ奴を迎える形で相対する。

こういう状態で人相手に、相対するのは初めてだな。


相手は俺を視認した瞬間、ナイフのような物をいくつか投げて来た。

反射の魔法があるので俺に当たる直前に、同じ速度、同じ軌道でナイフは戻っていく。

相手も、ナイフを投げられたと錯覚するだろう。


俺は、すぐさま追い風の魔法で移動しながら、真空の膜で自分を包み音を消す。

ナイフを投げ返された事で、避ける為に視線を外した所で高速移動したので、

俺を見失ったはずだ。

必死で周囲の気配を探っているようだが、俺には暗視とサーチがあるから、

一方的に相手の位置は確認出来る。

そのまま相手を視認出来る場所に移動して、酸欠にして気絶させる。

装備を回収し、足の神経を引きちぎる。


残り1人は、仲間が全滅した事を把握したのか、襲撃をあきらめて逃走をはかっている。

アジトまで案内してくれるかな?

俺は、そのまま動かずに、サーチで場所を確認しながら、つかず離れずの距離で追いかける。

あっちこっちと、アジトがばれないように移動して、最終的には貴族街の中に入って行った。

「貴族街か・・・レスリーの所じゃないのか・・・。」

俺もそのまま一緒に、貴族街に入り追跡を行う。


貴族街と平民街との境目にある門から、それほど遠くない場所にある屋敷に入って行った。

門には門番がおり、基本は貴族しか入れる事は無いのだが、

貴族の使用人とか貴族の許可がある人は出入りが出来る。

暗殺者の生き残りは、門を通って行ったみたいだが、俺はそういう訳にはいかないので、

貴族街の壁を追い風の魔法の勢いのまま飛び越え貴族街に入る。

貴族街の壁は3メートルほどだが、結構高いので怖かったけどまあ緊急事態だしな。


屋敷に到着すると、日本では屋敷って感じの大きさの家だ。

母屋に、離れに、広めの庭があり、プールまでは無いけど日本でも、

いい所の屋敷って感じの広さはあるな。

母屋も広く、部屋数は10くらいあるんじゃないかな。

お手伝いさんとかいないと掃除も出来なさそうなくらいの広さだ。


この世界の貴族は、執事やメイドは平民を雇っている事が多いらしい。

住み込みなので、貴族街から出てくる事はなく、代々子供もその家に仕え、

執事やメイドになるので、平民だけど生活は貴族に近いのかもしれない。

たまに減ったら、平民から雇われ、逆に没落したら、平民に戻されるって感じっぽい。


家の外壁は、打ちっぱなしのコンクリートって感じだ。

平民の家のように石造りなのだが、その上からコンクリートに近い土などで、

整形されているようだ。

ガラスは無いので、木枠を窓にはめ込んでる感じなのは平民の家と一緒だ。

この家は、平屋だが、貴族街のほかの家は2階建てや3階建てなんかもあるようだ。

平民の家がすべて平屋なのは、なんらかの法律があるからかもしれないな。


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