9 メイドの心、クライシス
〜ローゼ視点〜
どうしてこうなった。
昨日は、日付的には今日なんだけど、あんなことやっちゃったし、
早起きしてキビキビ働いて謝ろうって、覚悟決めて起きてみたら、
隣で全裸のお嬢様が寝ていらっしゃるんだけど。腕に抱き着いていらっしゃるんだけど。
ついでに私も全裸。
これ私やっちゃいましたか? またやらかしましたか?
不敬罪+αで処刑ですか? 処刑なんて不経済ですよ! 御主人様!
思いだせ。思いだせ。
何故私とニルソニア様が全裸なのか。
どうしてお嬢さまが私の部屋にいらっしゃるのか。
え~と、あのあと、お嬢さまが泣き疲れて寝てしまわれたので、
お嬢さまの寝室のベットに寝かせて、
私も就寝しようって、自室に戻ってきて寝た。うん、寝た。
あれ? 原因が見当たらないんですが?
あ!
夜中……日は既に上がっていましたが……に扉が開く気配がしたけど、それですか?
それですね。
害意が無かったので無視しましたが、お嬢様だったのですね。
では、私の服を脱がせたのも、お嬢さま?
つまり、
この状況はお嬢さまが望まれたもの?
…………――――――!!!
ならば、据え膳喰わぬは漢の恥!!!
今の私――――いや俺は漢だ!!異論は認め―――――
「――――う、うぅん、お、かあさ、ま……」
不意に腕を、キュッって抱きしめられた。
みれば、ニルソニアの表情は安心しきっていた。
何も怖いことや、痛いこと、嫌なことは起こらないと無邪気に信じているような顔だった。
…
……
・・・あーあ。どうしてこうなった。
こうなったら、襲うなんてできませんよ。……幼い娘を襲ったなんて罪状欲しくないですし。
それに、さっきまでは月が雲に隠れて、よく分からなかったけど、
今のお嬢様、体、三歳児と同じ。
もはや、赤ちゃん。
私を母親と間違えているのでしょうか。
こんな蕩けきった顔は見たことがありません。
……ああん、もう。可愛すぎ。
普段は十二歳ぐらいの大きさなのに、
何故三歳児になっているのか、なんてどうでもいい。
愛でよう!! 愛でましょう!!
……これ以上は無理ですね。
支離滅裂な現実逃避をやめて、口調も元に戻さないと。
愛でるのは確定ですが。
再度、現状把握です。
お嬢さま全裸、ついでに私も全裸……服を着ないと、いくら吸血鬼とはいえ、風邪をひいてしまいます。
服は……あそこですか。
……お嬢さまが腕から離れません。
仕方ありません。お嬢さまごと移動しましょう。
よいしょ。…………こんなにも軽いのですか、ニルソニア様の肢体は。
† † †
[おはようございます。仕事から戻ったら、ローゼさんが一人悶々としていました。]
[報告もとい、日記担当のナレーショナーです。]
[さっきまで私、あのお嬢さまの日記を、再度、隅から隅まで、解析していまして。]
[この日記、我らが父の力添えがあっても、一筋縄ではいかなくてですね。]
[――何で、神の機密文章が書けるほどの隠蔽が為された紙を使って、日記を書いているのでしょうか。あのロリ吸血鬼は――]
[まあ、というわけでですね、地の文に割けるメモリというか、キャパというか、が無くなりまして、上記のような書き方になりました。]
[いやぁ、『空理演算』さまさまです。ローゼさん視点に切り替えて、出力すればいいんですから。]
[まあ、羽ペンを使って、紙に書き留めるのは、私なんですけどね]
[って、ローゼさん?! なにしてるんですか?! いくら三歳児でもそれは……あ、満更じゃなさそうですね。あの吸血鬼]
[見返してみると、ローゼさん、メイドとしては失格ですね。]
[やっぱり、駄目なメイドですね。駄メイド。]
[あ、そろそろニルソニアさん(三歳児)が起きますよ。]
[それにしても、ニルソニアさんは幼児退行がひどいですね。]
[どちらかといえば、あの三歳児モードが本来のお嬢様(笑)な気がしますよ。]
[ひどい惨状になりそうだ]
短い。
が次はたくさん書くから。
嵐の前の静けさだから。
だから、ゆるしてください。
プロット無視して進むから、こうなるんだよ。
↑うるせえ、使えないプロット書きやがって




