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その時・彼は目をつけられた。
少年は闇の中病院の屋上に居た。
風に煽られて左右色の違う翼がはためいている。
その姿を電柱の上から眺めている一人の男が居た。
すっとした彼の見た目はまだ中学生ぐらいだ。
なぜ彼は電柱の上に立っているのだろうか?
つり目な奴の眼は闇の中で赤く光っていた。
そして、ニヤッと歯を見せるとその犬歯は異常に発達していた。
「いいもん見つけた。」
わたった顔の目は全く笑っていなかった。
バサッと彼は飛び上がっていった。
ふと少年が電柱を見るがその時すでにその上には誰も居なかった。