表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/10

お兄ちゃんと交換希望

 ジャックさんがうちに来てはや一週間がたちました。あっという間だなぁ。


 その間にジャックさんはこの世界のこともだいぶ覚えて気持ちも落ち着いたようで、今は元の世界に帰れるように魔法の練習をして日々を過ごしている。

 私は相変わらず暇人だけど宿題はしなきゃいけないのでずっと相手をしてあげるわけにもいかず、ジャックさんが一人で魔法の練習してくれてるのはすごく気が楽だった。気を使わずに勉強に集中できるしね。

 

 でも今日はもう限界。誰だ数学なんて考えた奴。爆発しろ。


 頭を使いすぎたせいで糖分が不足してる私は台所にあったホットケーキミックスで簡単なチョコチップマフィンを作った。 

 この前100均でチョコチップ買っといて良かったな。

 

 マフィンが焼けるいい匂いが届いたのかジャックさんがひょこっと台所に顔を出した。



「ひな、それ何だ? すっげぇうまそうな匂いがする」

「チョコチップマフィン。ジャックさんも食べてみる?」

「おう」



 焼きたて熱々のマフィンをはむっと一口食べたジャックさんの瞳がめっちゃキラキラしだした。


 何その可愛い顔。完全に女として敗北なんですけど。



「何だこれ!! うっっっまあああ!!!!」

「そんなに?」

「こんなうまいモン食ったことない! ひなすげー!!」

「いやいや誰でも簡単に作れるから。ホットケーキミックス様様」

「俺つくれねぇし。だからひなはすげーの!」

「……あ、りがと」



 なんだか照れくさくて声が小さくなってしまった。顔が熱いのが嫌になる。絶対今顔真っ赤だ。

 こんなに真っ直ぐに褒められることに慣れていないからかな。お兄ちゃんが私を褒めるときはニヤニヤしてるし。

 私が恥ずかしさに俯いているとジャックさんの戸惑ったような声が聞こえた。



「ひ、ひな……あ、あ、あああのさ」

「ぷっ、どもりすぎ」



 あまりのどもり具合に思わずくすくすと笑ってしまった。

 そのまま笑いながらジャックさんを見上げるとジャックさんはカチンと固まっていた。え、一体どうした。

 どれだけ言いにくいこと言おうとしてるの?



「……ひな」

「はい?」

「ひなは……俺のこと……」

「……」

「……」



 えええええ! ここで無言とか! 何? すっごい告白みたいな変な空気流れてますけど!

 ないない。知り合ってまだ一週間だし!

 お兄ちゃんがよく勝手に妄想したメール送ってくるけどそんな少女マンガのような展開は今までなかったからね!

 お風呂場でキャーエッチ―みたいな展開もないから!

 ふっつうに家族みたいに生活してるだけだし! で、でももしかしたら……とか思わないから!


 しばらく無言だったジャックさんが意を決したように口を開いた。



「呼び捨てで呼んでくれないのか?」

「えー」

「えー!?」

「あれだけ溜めてそれだけかーって」

「それだけって……」

「呼び捨てくらい言ってくれればするよ」

「いや、なんか俺が呼んでほしいみたいで、その」

「照れてるの? ジャック」

「!」

「驚かれても。呼んでほしいんでしょ? もっと早く言えばよかったのに」



 未だにワタワタしているジャックをみて可愛いなぁと思わず頬が緩んだ。

 イケメンがヘタレって萌えるな。なんて決して思ッテマセンヨ。


 その後も意味もなく「ジャック」と呼びまくったらそのたびに照れてるジャックが見れて大変眼福でした。何だろうこの可愛いお兄さんは。うちのお兄ちゃんとえらい違いだ。交換できないかなー。



 わりと本気でそう思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ