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非日常な夏休みの始まり

昔自サイトで載せていたものなので文章が拙く会話が多めです。(言い訳)

楽しんでもらえたら幸いです。

 たった数分前まで、私はやっと始まった夏休みに浮かれて宿題なんか手をつける気もなくベッドの上でゴロゴロとお兄ちゃんに押し付けられた漫画を読んでいた。いつも通りの平和な日が始まったと思っていたのにこれは一体どういうことだろうか。

 今、私の前には文字通り次元を超えた超イケメンがいる。いやだってなんか猫耳ついてんですけど。猫耳っていうか狼みたいな。


 あぁ、これがお兄ちゃんの言ってたコスプレイヤーさんか! ってそんなわけあるかーい!


 顔はめちゃくちゃイケメンだけどね! そりゃもう見たことのないイケメンだけどね! 大事なことなので二回言いました。

 その猫耳イケメンさんは私の前に正座しております。べ、べつに耳がしゅんと垂れてて可愛いとか思ってないんだからね!


 私は混乱しながらも猫耳イケメンさんとの会話を試みた。



「……あの」

「ハイ」



 あ、普通に日本語通じるんだ。良かった。



「えと、お兄さんはどちら様ですか?」

「あ、お、俺はジャック」

「ジャック、さんですか。……どうやってここに?」

「それがよくわかんなくて……なんか知り合いの魔法が失敗してそれに巻き込まれたっぽい?」

「うん。もうどこからツッコんでいいやら」

「何かすいません」

「いえいえ、ジャックさんが悪いわけではなさそうだし。ていうか悪い人? 猫? には見えないし。魔法ってのが使えるならすぐにお引き取りいただければ私は文句言いませんので」

「それが……」

「まさか」

「なんかここだとうまく魔法が使えないみたいで……」

「……」



 マジか。なんていうかどこからツッコんでいいのかわかんないけど変な物に巻き込まれたらしい。

 冷静に返事してるようにみえるけど話についていってないだけだから! まだ夢かなんかだと思ってるから!

 だってまずいきなりマンガみたいな煙とともに猫耳イケメンが現れたことが非現実的だし、なんでか日本語通じるし、魔法とかもう……厨二か!


 こんな人お兄ちゃんに会わせたら面白がって大変なことになる。幸い夏休み中は泊りがけでバイトするらしいから帰ってこないけど。ていうかジャックさんをどうすればいいの!? これってお兄ちゃんが言ってたトリップってやつかな?


 うちで面倒見るのはちょっと無理っぽいのでもとにいた場所に捨てて……と、とりあえず警察に保護してもらおうと思います。

 よし、それがいい。そうしよう。と思ってジャックさんに声をかけようとしたところへまさかのお兄ちゃん帰宅。おいバイトどうした。


 そして状況を把握したお兄ちゃんの提案により猫耳イケメンを家で飼う事になりました。


 え? なんで?


 状況についていけない私を余所にジャックさんとお兄ちゃんは何やら盛り上がっています。順応早いデスネ。



「名前、聞いてもいいか?」

「山田ひなた17歳! ちょっぴりツンデレなところが可愛いぴっちぴちのJKよ! ひなって呼んでね!」



 おいクソ兄貴何勝手に私の紹介してんの。しかもツンデレって何だ。


 私がお兄ちゃんの足を踏むと「こういうツンが堪らなく可愛いんだ」と顔を緩ませたので「キモイ」とさらに強く踏んでやった。喜ぶな変態。

 ジャックさんも何「仲がいい兄妹なんだな」ってほのぼのしてるんですか。天然キャラですか。……だめだ。圧倒的にツッコミが足りない。



 ほんと、どうしてこうなった。

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