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91 兄弟強さランキング

 現在の兄弟の強さをランク付けするならば、次のような感じだろうか。


 僕、ミカちゃん、フレイア、ドラド、リズ、レオン、ユウ。



 僕に関しては、そもそもチートもチートなので仕方ない。

 前世魔王です、前々世日本人です、それ以前も聞きたいですか?

 聞いても面白くないですよ、フッフッフッ。

 なんて人間だからね。



 で、ミカちゃんが次席に来るけど、生まれた頃から僕に叩かれまくってたせいかやたらと頑丈で、剣を持つと無駄に強くなる。

 兄弟の中で、僕を除いた喧嘩で一番強いのもミカちゃんだ。


 しかしこの人、おかしすぎる。

 前世でやってたVRゲームのキャラに近い動きができるとか言ってたから、転生の原因になってる師匠が、絶対に何かしたからだろう。

 まあ師匠を抜きにしても、ミカちゃんは無駄に強い。



 そして3番目に来るのがフレイア。

 肉体的な意味では兄弟の中で特別強いわけではない。けれど、炎の属性竜の性質を持っている。

 炎自体が非常に攻撃に向いた武器で、殺傷力の高い攻撃を繰り出せる。

 しかも巨大な火球(ファイア・ボール)を撃てるので、広範囲攻撃が可能ときている。複数の敵を相手にする場合は、ミカちゃんより強いだろう。



 4番目のドラドに関しては、僕らドラゴニュートと違って完全にドラゴン体型の為。

 パワーでも防御でも僕たちより能力が高く、単純な物理能力では兄弟随一だ。

 おまけに土魔法を使って地面を陥没させたりと、搦め手も使える。



 5番目のリズは、今のところ成長段階と言っていいだろう。

 当人は槍を使っての戦い方を好んでいるけど、現在のリズの槍使いは素人にちょっと毛が生えた程度。

 ドラゴニュートの能力があるため、パワーに頼った戦い方をしていて、技術的には大してみるべきものがない。


 ただリズは重力魔法への適性が高く、さらに土の属性竜の性質だって持っている。

 武器の技量と、魔法。

 成長でこられの要素が加わっていけば、リズは今よりも遥かに強くなれるだろう。



 6番目のレオンに関しては、剣の腕はへなちゃこ、盾はまともに仕えない、ウォーター・ブレスは敵を吹き飛ばすことができるけれど、吹き飛ばすだけであまりダメージが入らない。

 ユウと違って戦うことに躊躇はないけど、当人の性格が暢気なこともあって、戦い方が下手だ。

 というか、そういうことを全く考えてなさそうなのがレオンだ。


 これは、鍛えないとまずい気がする。



 そして最後がユウ。

 ユウに関しては身体能力以前に、当人の性格が戦い向きでない。

 日本だったら許されたけど、草食系男子と言うか、野生が感じられないというか、古き時代の男らしさとは無縁な性格をしている。

 戦う気が全くないので、へっぴり腰すぎて話にならない。


 おまけに当人がいろいろと考え込んで、ため込んでしまう性格をしている。



「……ここは馬鹿にするのが一番いいか。いちいち考え込まないようにするには、常に体を動かして、考える余裕をなくすのがいいな」

 敵を見たら真っ先に突撃をかましていく、冗談存在の"勇者様(笑)"になられては困るけど、ユウは行動する前に考えてばかりのタイプなので、無理やりにでも体を動かして、考える余地を挟まないようにした方がいいかもしれない。



 そこまで考えて、僕はミカちゃんを見る。

「ねえ、ミカちゃん」

「なんだね、レギュレギュ」

「この狩りに出てから思ったんだけど、ユウとレオンは鍛えた方がいいと思わない。というか、あの二人は確実に鍛えないとマズい」

「フムフム、しかしなんでその話を俺に振ってくるのかな?」

 ミカちゃんって、たまにまともなことがあるんだよね。


 いつもはエロと野生が半分づつしかない存在だけど、実はそれ以外にもまともな面が3分の1ほど存在している。

 きっと前世では、家の中やゲームでは本性垂れ流しだけど、会社では擬態して真面目な人間を装ってたんだろうね。


 あんな変態と野生の性格を垂れ流してたんじゃ、現代日本では警察の御厄介に確実になるからね。



「ミカちゃんってゲーム脳が深刻だけど、戦い方はちゃんとできてるよね。

 VRゲームって現実ではないけど、それでも体の動かし方とかは、モニターを見ながらコントローラーのボタンを押してるゲームとは違うから、それで一応の戦い方が成立してるのかな?」

「……あのレギュさん、俺にゲームネタを振ってもよろしいんですか?」

 ゲームネタになると、ミカちゃんが怯えるように調教してしまったのは僕だからね。これは僕が作った原因なので、仕方ない。


「今はいいよ。ただ現実とゲームが違うってのは、ちゃんと区別しておくように」

「う、ういっす」

「それでさ、戦い方が分かってるなら、ユウとレオンにレッスンをつけてあげてよ」

「レッスン付けてもいいのか?」

「いいよ。というか、付けないとあの2人は物凄く不安だからね」

「オケー、分かったぜ。つまりレギュレギュが俺をボコボコにしてるように、俺は合法的にあの2人をボコボコにしてもいいと」

「いや、別にボコボコにしろってことじゃないんだけど」

「あいつら脱皮してから、顔がやたらとイケメン顔になりやがったからな。

 クックックッ。

 世界を代表して、俺がもてないブサメンどもの為に、リア充イケメン顔の弟どもをぼろくそにしてやるぜー。

 うおおおっ、嫉妬神様、オラに力をー!」

 なんか、ダメな人に訓練を頼んでしまった気がする。


 ……ま、いっか。


 僕は既に家庭内生産職している上に、今回の旅でいろいろと気になる鉱物や植物を入手している。

 これらの研究もしていくつもりだから、これからは時間がいくらあっても足りなくなる。

 なので弟たちの強化は、ミカちゃんに委ねることにしよう。


「うおー、このイケメンども死にさらせー」

「ギャー」

「ヒギャー」

 さっそくミカちゃんが、ユウとレオンに襲い掛かっている。


 なんか訓練というより、前世でモテたことのないおっさんに、都合のいい生贄を差し出してしまった気がしないでもない。

 ……まあ、ミカちゃんの崇めている嫉妬神様が、僕の師匠でもあるシリウス師匠なので仕方ないか。


「人間打たれて、叩かれて、虐げられまくって、さらに理不尽に晒されまくって、それでもしぶとく生きていけるようになるんだよ。南無南無」

 ちょっと可哀想な弟たちに、僕はそう言って拝んでおいた。


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