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異世界転生したら七つ子の竜人(ドラゴニュート)兄弟だった  作者: エディ
第6章 (仮題)ドラゴニュート兄弟とゴブリン村
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275 リガル調教

 旧ゴブリン村では、ネームドゴブリンのリガルという奴がいて、こいつが幅を利かせてやりたい放題していたそうだ。

 大多数のゴブリンたちから嫌われると同時に、恐れられる存在だそう。


 もっとも、ゴブリンの中で起きたゴタゴタなど、僕から見ればどうでもいいことだけどね。



 その問題児のゴブリンも進化させた。


「フ、フハハ、なんだこれは、今までに感じたことがない力が、体の中から沸き起こる。俺はもう脆弱なゴブリンなどではない。貴様ら全員倒して、俺が真の支配者……フゲボッ」


 進化させたらホブゴブリンでなく、なぜかハイゴブリンになってしまった。

 ハイゴブリンはゴブリンと異なり、魔法の扱いに長け、その上すばしっこいモンスターだ。

 ゴブリンの進化先は通常はホブゴブリンなのだけど、レアな確率でハイゴブリンに進化するケースがある。


 クロゴブも元はゴブリンだったけど、ハイゴブリンを経由してオーガにまで進化したしね。

 それと同じレアケースを、リガルも引き当てたようだ。


 まあ、ゴブリンを進化させていけば、100体のうち2、3体はハイゴブリンに進化するので、ゲームのレアガチャを引くのに比べれば確率的に高いけど。


 とはいえ、進化なんてものは、通常はポンポンと起きるものではない。

 今回みたいに強制的に進化させることでもなければ、ハイゴブリンにお目にかかることはそうないだろう。



 ところで進化した途端、強気になって何かほざき始めたリガル。

 やかましいので、拳を使って強制的に地面に寝かしつけて黙らせた。



「……う、うわーっ」

 この光景に、リゲルくんが絶句してるね。


 しかしこんな出来事、我が家では日常茶飯事。

 ミカちゃんにやっている事と、何ら変わりがないよ。


 ただ不撓不屈のミカちゃんと違って、ハイゴブリン程度では、僕の一撃からなかなか復活できないようだ。

 もちろんミカちゃん相手にするより、かなり手加減したけどね。


 しかしなー、こいつって一度ゴブリン村を支配していたわけだし、僕にも逆らってきた。


「よし、"モンスターをリアルで仲間にする方法(物理)"を使うか」

「ゲッ、もしかして……!」

「フフフッ、黙ってようか、クロゴブ」

「は、はいいぃぃーっ」


 クロゴブもかつて経験したことだから、よく理解してるね。


 僕は地面に寝転んだままのリガルに、回復魔法をかけて復活させる。



「グッ、俺は一体……ゲボラァーッ!」

 軽くなでてあげたら、リガルの体が空中を舞って飛んでいく。


 ――ズシンッ

 そして重たい音をたてて、近くにあった大木の幹に命中だ。


「クロゴブ、取りに行くのが面倒くさいから、お前が拾ってこい」

「はいいいっ、了解しました!」


 逆らうことなく、クロゴブが気絶したリガルを急いで回収しに行く。

 で、クロゴブが運んできたリガルを、再び回復魔法で蘇らせて……以下、クロゴブを従順にさせた時と、全く同じ作業をしていった。



「に、兄さん何やってるんですか……」

「ウゲェー、レギュレギュが鬼すぎる。いや、悪魔だ、魔王だ、魔神だー!ゲボラッ」


 外野が騒がしいな。


「ゴメンゴメン、手が滑ってミカちゃんの方に飛ばしちゃった」

「絶対わざとだろうがー!」


 リガルを、うっかりミカちゃんにぶつけちゃった。

 そしてミカちゃんに大激突したリガルを、クロゴブがちゃんと回収してきたので、僕は再び回復魔法と、軽くなでる作業を繰り返した。


「ホギャー、ヒギィー、ヒデブー。ゆ、許してください。お、俺が悪かった。なんでもします、だから許してください。命ばかりはお助けをー」


 その後作業を繰り返し続けた結果、最終的にリガルは僕の足元にひれ伏して、涙と鼻水を垂らしまくって、命乞いを始めた。


「僕は命を取るつもりなんて全然ないよ。死なないように、ちゃんと回復魔法をかけてあげてるじゃないか」

「ハ、ハヒィー。このままだと、俺の心が死んでしまう……」

「まだ元気そうだね」


 ニコニコ。

 僕が笑顔で微笑んであげたら、リゲルが口を開けたまま、白目を剥いてぶっ倒れた。

 ああ、これは完全に気絶してるね。

 気絶ついでに、下半身から液体が垂れてるんだけど、こいつ自分のションベンの中に倒れるとか汚いね。


「レ、レギュラス様、あとは俺の方からきちんと言い聞かせておきます。ですので、どうかこの辺りでご勘弁を」


 まあ、これくらいすればいいかな?

 なぜか、クロゴブが僕の前に跪いてそんなことを言ってきたので、あとはクロゴブに任せてしまおう。

 僕もバッチイのを相手に、これ以上何かしたくはないし。



 なお、後日クロゴブがリゲルに対して、

「いいか、レギュラス様には絶対に逆らうなよ。あの人は、魔神だ、魔王だ、悪魔の総大将だ。逆らえば、死より恐ろしい目にあわされて、それでも生かされ続けることになるぞ」

 なんて言ってた。


 それを聞いたリガルの方も、

「ヒッ、ヒエエエーッ」

 なんて情けない悲鳴を上げて、頭を抱えてたけどね。


 とはいえ、これだけやればリガルも僕の部下として、粉骨砕身働いてくれることだろう。


 フフフッ、リガルは他のゴブリンより頭が多少マシなようだから、リーダーの1人として頑張ってもらおう。




 ところで、僕のあずかり知らぬことであったけど、かつてゴブリン村でリガルの一派を形成していたゴブリンファイターたちがいた。

 彼らも進化してホブゴブリンやハイゴブリンなどになっていたけど、リガルが何度もボロ雑巾にされては、回復魔法で強制的に蘇らされ続ける光景を見ていた。


「レギュラス様ハ偉大、絶対ノ主、レギュラス様ニ逆ラウハ死ヨリモ恐ロシイ」

 なぜか片言になって、そんな言葉をうなされる様に何度も何度も、復唱し続けていた。

 目が死んだ魚のようになっていて、生気のない目で、同じ言葉を繰り返し続ける。




「兄さん頼みます、これ以上は止めましょう。この村のモンスターたちが、廃人になってしまいます」

「ユウが何を言ってるのか、意味が分からないんだけど?」

「ううっ、兄さんが黒すぎるー!」


 なぜかユウに泣きつかれてしまったんだけど?

 それにしてもイヤだなー。僕は元魔王だから、黒くて当然じゃないか。

 今更何を言ってるんだろうねー。


 クックックッ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かった、 そしてとてもブラックだった、 [一言] もう…更新はしないのですか…?
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