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異世界転生したら七つ子の竜人(ドラゴニュート)兄弟だった  作者: エディ
第6章 (仮題)ドラゴニュート兄弟とゴブリン村
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274 ウエストフォレストで村作り

「神よー」

「魔族の王よー」


 リゲルくんに村づくりを指示したけど、僕は僕でゴブリンどもをホブゴブリンへ進化させる作業を、日を跨いで続行中だ。

 進化したホブゴブリンどもが相変わらずうるさいけれど、こいつらに関わっていては時間の無駄。

 変な宗教してないで、君らもさっさと労働現場に出て働いてくれたまえ。



 そして村づくりの作業に関してだけど、

「オデ、あまり指示を出したりするのは得意じゃないんです……」

 前世の知識はあっても、リーダー気質ではないらしいリゲルくん。

 鍛冶をしてたから、性格は職人気質なのかもしれない。

 ひたすら鉄を叩いているのがいいとかかな?


「僕は進化(こっち)の作業で手一杯だから、ユウが協力してなんとかしてくれ」

「えっ、僕ですか!」

「任せた」

 てなわけで、ユウに放り投げておくことにした。


 リゲル君には、西の森(ウエストフォレスト)で我が社の農林業担当になってもらうわけだし、ユウにも将来的には我が企業の重役となってもらわなくては。

 上に立つ人間は、下にいる者に指示を出せなければならない。

 ここで村づくりの経験をさせて、ぜひとも将来の経験にして欲しい。



 そんなわけで、村づくりに関しては、ユウとリゲルくんが頭を悩ませながらしていくことになった。


 とりあえず2人は村には木材が必要ということで、周囲に広がっている森林の伐採から始めていく。


 リゲルくんがゴブリン村にいた時に作った青銅製の斧があるとのことで、それを使って、進化させたホブゴブリンたちが「コンコン」と音を立てながら木を切り倒していく。


 しかし青銅の斧では、効率が悪いね。

 切れ味が悪い上に、柔らかいので刃が潰れやすい。


「シャドウ、ドナンに木材伐採用の鋼鉄製斧を回すように伝えておいてくれ」

「承知しました」

 金属の製造と加工に関してはドナンの管轄なので、向こうに指示を出せば用意してくれるだろう。



 そして伐採した木を使って、家を建てていく。


 ただ無秩序に家を建てていけば、村が大きくなった時に困るので、事前にある程度区画分けをしてから建設だ。


 この辺の事に関して、僕が前世でいろいろやった経験があるので、地面に簡単に区分けした線を引き、それに合わせてホブゴブリンたちが建物の建設を始める。


 とはいえ、金槌を使って建物を建てるなんて経験のないホブゴブリンたち。


「金槌の使い方はですね……」

 我が家の保父さんユウ先生が、ここでも教育役になって、ホブゴブリンたちに一から建物の作り方を教え始めた。

 相変わらずユウの教育者ぶりが頼もしいね。


 自宅の改装や、物作りなど、ユウもいろいろ経験してきたので、教えることができるわけだ。



 しかし村作りの方はいいとして、ここにいるのは命のないアンデットと違って、ホブゴブリンたち。

 死者と違い、生者には食べる物や水が必要になる。


 というわけで、リゲルくんがホブゴブリンを使って、森の中で狩りをするための一隊を送り出す。

 これまでにも森で採集や狩りをしていたとのことで、進化した分、以前より大きな成果を出してくれるだろう。

 もっともホブゴブリンたちが使っている武器が青銅製なので、これも第二拠点で鋼鉄製の武器を用意させた方がいいか。


「シャドウ、ドナンに用意するように伝えておけ」

「ハハッ、承知いたしました」

 てなわけで、これもドナンにお任せだ。



 この食料の調達にはホブゴブリだけでなく、手空きになっている僕の兄妹たちも同行させた。


「いいかい皆。間違ってもホブゴブリンを食べないように」

 一応注意しておかないと、スケルトン感覚でホブゴブリンまで食べだす危険がある。


「……分かりました、レギュラスお兄様」

「は~い、レギュ兄さん」

 食料調達には、フレイアとレオンが行った。


 しかし、フレイアは少し不満そう。

 もしかして、ホブゴブリンを食うつもりだったのか?



 なお、野生児で戦闘要員たるミカちゃんだけど、

「パフパフー」

「ハヒィーン、ヒィーヒィーッ」

 メスのホブゴブリン相手に、無節操変態おっさん幼女ぶりを発揮していた。


 狩りのことなど眼中になし。

 もう、奴のことなど知らん。




 さて、食料調達と共に問題になるのが水。


 僕たちがツリーハウスを作った時、シロザルと縄張りを巡る争いになった。

 あの時ドラドが土魔法で巨大な穴を作ってしまい、そこにレオンが水魔法を使って、池に作り変えていた。


 なので現在建設中の村近くには池がある。

 だけど川につながっていないので、このままではいずれ水が枯れてしまう。

 レオンが常に水魔法を使って、池が枯れないようにするなんてのは、あまりに非効率すぎる。


 というわけで、ここから離れた場所にある川から、水路を作って水を引っ張ってくることにした。


 この作業は、土魔法に長けているリズとドラドが担当することになる。


 かつて断崖絶壁にある自宅の拡張工事をした際、2人は土魔法を使って穴を掘り進めていたけど、あの魔法は地穴を掘るだけでなく、水路のような土木工事をするのにも使える。

 2人とも魔法を使っての土木作業は慣れたもので、川と村にある池をつなぐために、協力して土木工事を進めていってくれた。


 2人で土魔法を使って溝を掘っていき、その後細かい傾斜を付けて、水が上手く流れるようにしていく。

 傾斜をつける作業は専門的な知識が必要になるので、その際僕が作業の立ち会いにもいった。


 僕はホブゴブリンの進化作業をしているけど、魔力の関係で1日中その作業を続けるわけにもいかなかった。

 なので空いた時間を使って、土木工事の監督作業だ。



 ああ、やらなければならないことばかりで、なんて素晴らしいんだろう。

 とても充実した労働環境だね。


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