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異世界転生したら七つ子の竜人(ドラゴニュート)兄弟だった  作者: エディ
第6章 (仮題)ドラゴニュート兄弟とゴブリン村
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250 クロゴブ、メシ、うまそう

 やってまいりました狩の旅。

 ドンドンパフパフー。


 というわけで、今回もいつもの恒例に従い、自宅を出ると第二拠点へやってきた。



「お待ちしておりました、偉大なる主よ」

「……」


 そして出迎えるのは、ここ最近おなじみになっているクロゴブ。

 だがクロゴブの強面顔が、前回に比べてさらに強面になっていた。


 頭の上に角が生え、口からは鋭い牙が2本突き出している。

 前回の時点で、体付きがゴブリンの同種とは思えない大きさになっていた。

 それがさらにパワーアップして筋肉がつき、腕は丸太のような大きさになっている。

 筋肉モリモリのマッチョマンに、大変身していた。


 "ダークジェネラルハイゴブリン"から、"ダークオーガ"へ進化していた。



「ぬおっ、なんだこれ?こんな奴今までいなかったよな!」

「うわっ、顔がかなり怖い」


 僕以外の兄弟たちがクロゴブに会うのは、今日が初めて。

 ミカちゃんは新顔のクロゴブに興味津々。ユウはクロゴブの顔に圧倒され、一歩引いていた。


 ゴブリンとか平気で食べられるのに、どうして顔に威圧されるかね?

 そもそもユウとダークオーガになったクロゴブでは、素の身体能力で、ユウが圧倒しているというのに。


「ブサイクですね」

 そしてフレイアは、容赦ない一言でクロゴブを切り捨てる。

 眼中になしってことだね。


「わー、おじさんだれー?」

 レオンは相変わらず暢気。

 ユウと違って、どんな相手でも物怖じしない。


「一度私とお手合わせいただきたいものです」

 一方リズは、ファイタースピリッツが刺激されたよう。

 グルメリポーターのリズであるが、その一方でミカちゃんの戦闘訓練に自分から進んで参加してもいる。

 バトルジャンキーというレベルではないが、クロゴブに興味を抱いたようだ。


「……おいしそう」

 あ、うん。

 リズでなく、ドラドの方が食べ物としてクロゴブを見ていた。


 生きたオーガなんて、初めてだもんね。

 今までに見たオーガは、マザーが狩ってきた死体だけ。しかもマザーの狩りだから、普通に下半身が吹っ飛んでいたり、潰れていたりだった。

 まともな死体のオーガ?

 そんなの見たことないよ。


 むしろマザーの大きさで、2メートルそこいらの背丈しかないオーガを、半分潰す程度で仕留めているのだ。

 普通だったら、足で踏んづけてペチャンコ。跡形どうこうどころか、死体が地面と一体化してしまうね。



「生きたオーガっておいしいのかな?」

「以前マザーが持ってきたオーガの肉は、筋肉の質がとてもよく、噛むほどに味がしみだしました。特に腹回りは、脂と筋肉が絶妙な具合で混ざり合い、噛むことで野生のハーモニーを奏でるような味わいでした」

「お腹すいてきたなー。食べてもいい?」

「確かに、おいしかったですわね」


 ドラドの一言から、僕、リズ、レオン、フレイアと続いていく。


「えっ、あの、はいっ!?」

 そんな僕たちの飢えた目を前にして、クロゴブが血の気の引いた顔で後ずさる。

 まあ、血の気が引いても顔面真っ黒だけどさ。


「メシー」

 ――ガブッ


 後ずさりはしたものの、野生の本能だけで生きているミカちゃん(ケダモノ)によって、哀れクロゴブは齧られてしまうのだった。


 ダークオーガになったところで、僕らドラゴニュート相手と戦えるほどの強さはないんだよ。




 とはいえ、クロゴブは僕の部下の中で、初めてアンデット以外で手に入れた部下だ。

 これからは自然相手に農業や牧畜、植物の採集なんかもしていきたい。

 自然を枯らしていくアンデットには不向きな作業なので、そういうことをさせていく労働力候補として、クロゴブを食べるわけにはいかなかった。


「はいはい、ミカちゃんストップ。一応これは"手下"だから、食べるのは禁止ね」

「ウガー!」

 ――ボスッ

 食欲本能丸出しで、理性が消し飛んでいたので、鳩尾に一発入れて静かにさせる。


「えー、食べちゃダメなの、レギュ兄」

 そしてドラドがウルウルとした目で僕を見てくる。


「……ダ、ダメだから」

 ――ウルウルウル

 ドラドの穢れのないつぶらな瞳が、僕に精神攻撃を仕掛けてくる。

 なんて恐ろしい攻撃だ。


 そしてドラドだけでなく、

「……おいしそうな腕」

「たまには中まで火を通して、ウェルダンもいいですわね」

 リズは部位の狙いを定めており、フレイアは調理の仕方を考えている。


「はいはい。食べたいのは分かるけど、ダメったらダメだからね」

「……分かったよ、レギュ兄さん」


 これ以上兄弟たちの食欲を刺激してはいけない。

 僕の言葉にしぶしぶだけどレオンが頷き、それに兄弟たちも続いていった。


 こうして僕たちのご飯……ではなく。美味しそうな……おっといけない。僕まで涎が出てきたぞ。


 えーっと、手下のクロゴブの命はなんとか守られた。


 もっとも頭をミカちゃんに噛まれたので、そこから血がダクダク出ている。

 でも、ダークオーガならこれくらいの怪我、放置しておいてもそのうち治るんじゃない?


 駄目だったら、あとで痛いの痛いの飛んでいけ感覚で、ヒールを掛けてあげるよ。



「ううっ、レギュラス様がとんでもないご主人様だと(肉体で)理解させられていたけど、何この人たち!レギュラス様に負けず劣らず、ヤバイんだけど!」

 そんなことを呟くクロゴブだった。


 仕方ないね。進化したせいで、以前よりだいぶおいしそうに見えるんだよ。

 ――ジュルルッ


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