表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したら七つ子の竜人(ドラゴニュート)兄弟だった  作者: エディ
第6章 (仮題)ドラゴニュート兄弟とゴブリン村
243/281

237 野生の王者ミカちゃんと毒キノコ

「アーア、アー」

 第二拠点西にあることから、ウエストフォレストと名付けた森にやってきた僕たち。


 到着早々、ジャングルの王者ターザンならぬ、野生の王者ミカちゃんが、木から木へと、蔦を使って飛んでいく。


 うん、まったく思っていた通りのことをしてくれる。

 やっぱり野生児だから、こういうことをやらずにいられないんだね。


 ――ブチッ

「ふぁっ!?」

 もっとも、ミカちゃんが手にした蔦はそこまでの太さがなく、ミカちゃんの体重を支え切るだけの強さがなかった。


「ヘボシィッ!」

 結果途中で蔦が切れ、そのまま近くにある木に顔面から派手に突っ込んでいった。


「なんてベタなことをやるんだ、さすがミカちゃん」

 お約束過ぎて感心してしまうよ。


「兄さん、笑ってる場合じゃないですよ。ミカちゃん大丈夫ですか?」

「痛い……レギュレギュの拳に比べれば、屁でもないけどなっ!」

「あ、なるほど」


 ユウが心配したものの、ミカちゃんは即座に復活。

 というか、ユウ。お前どうして納得する?


 僕の拳にそこまでの威力があるわけ……いや、あるか。



 ミカちゃんを日頃から殴りすぎたせいで、この程度では全く問題にならないようだ。



「ミカちゃん、何をやってるの?」

「木に激突する遊び?」

 ただ、今の一連の光景は兄弟たちに理解されていない。

 ドラドとレオンが、不思議そうな顔をしている、


「あれは遊びじゃなくて、ミカちゃんがいつもやってる馬鹿なことだよ。真似しなくていいからね」

 これ以上ミカちゃん菌に侵されては一大事。

 我が家の兄弟の中で、レオンとドラドは特に純粋なので、馬鹿が感染しないように気を付けないと。



 と、森へ到着早々ミカちゃんが馬鹿をしたけど、初めてやってきた森に兄弟たちは皆驚いた顔をしている。


「すごく大きいですわね」

 と言いながら、自分たちより遥かに背が高い木を眺めるフレイア。


「これが木ですか」

 リズは木に近寄って、幹に手で触れる。


 思えば僕の兄弟たちは、これまで断崖絶壁にある自宅と、荒れ地での狩りばかり。

 木がこんなに密集して生えている森を見るのは、生まれて初めてだった。



「木の葉が太陽の光をちょうどよく遮ってるから、森林浴にいいね」

 そして僕も緑に包まれた森に、心が穏やかになる。


 こういう緑にあふれた場所はいいね。深呼吸をすれば、澄んだ空気に満たされる。

 ささくれだった心が癒されるようだ。

 何が原因でささくれてるかは、あえて言わないけど。




「……虫が落ちてきましたわ」

 もっとも木が生えているということは、虫もいる。頭上から落ちてきた毛虫を、フレイアは躊躇いなく手ではたき落としていた。

 フレイアは美人だが、野生育ちのドラゴニュート。毛虫程度でキャーキャー言うことはなかった。


「俺、虫に生まれ変わって、フレイアたんの胸の谷間に落ちたいな」

 あと、オッサンの方はそんなセリフを呟いてる。

「そして、オッパイに潰されてしまうなら本望」


 いつものことだね。

 相手するだけ無駄だ。





 さて、森に入ったので、今回ここまで乗ってきたダークスケルトンベヒモスは使えなくった。

 森の外にベヒモスを待機させ、僕たちは最低限の荷物を手に森に入った。


「木の実が生ってないかな?それとも野菜か、果物でもいいや。何か食べられそうな食物がないかなー」


 森へ入ってから僕の興味は、食べられる食物を探すことに移る。


「兄さん、そんなに肉以外のものが食べたいんですか?」

「ユウ、分かるだろう。僕たちこの世界に生まれ変わってから、今まで肉しか食ってないんだぞ。果物でも野菜でも何でもいいから、食べられる植物を食べたい!」

「そうですね。僕もお米が食べたいなー」

 元日本人としては、やはり米なのか。

 僕は米への強いこだわりはない。それより今は、肉以外のものを食べたかった。



「ヌフフフフッ、そんなあなたたちのために、このようなキノコはいかがでしょう」

 なんて会話をしてたら、ミカちゃんがいつの間にか手にキノコを持っていた。


「ミカちゃん、これ絶対毒がありますよ。紫色してる」

「ナニ、安心安心。大丈夫ヨー。食べても、死ななあいるよー。レギュレギュさーん、どうぞ一口食べてねー」

 露骨な態度で、僕にキノコを差し出してくるミカちゃん。


 これはあれかな。日ごろから僕に勝てないでいるから、ここで毒殺でも企ててるのか?


「……ミカちゃん、そういうのは冗談でもやめようね」

 ああ、過去の毒殺されかけた記憶がいくつも蘇る。

 いろいろあるんだよ、僕の転生人生には。


「あのレギュさん、俺が悪かった。だから殺気を出さないで、打とうとしないで。ヒ、ヒエエエーッ」

 僕の態度に気づいたようで、ミカちゃんがキノコを放り捨てて、その場から逃げ出した。


 ……ふうっ、キノコってイヤだなー。

 そういえば毒殺されかけた以外に、シリウス師匠にもいろいろ食わされたっけ。


 あの人、人間なんてレベルをとっくにやめてる存在だけど、

「僕の本業は薬の研究者なのです。だから弟子であるレギュラスは、食べただけで薬の成分が分析できるようになろうねー」

 なんて言われて、色々食べさせられた。


 傷に効く薬に、疲労回復効果のある成分が含まれている漢方、倦怠感を取り除くハーブ。


 この辺はいいのだけど、

「毒も薬になるから、食べただけで理解できるようになろうね」

 なんて言われて、シビレタケや笑いキノコ、即効性の毒薬などなど、いろいろ食わされた。


「なーに、大丈夫。不老不死の薬のおかげで、死んでも生き返るから~」

 シリウス師匠の弟子だったのは、僕の一番最初の人生でのことだった。

 あの時は不老不死の薬の効果のおかげで、体が致死の傷を負っても、自然回復する状態にあった。

 おかげで毒薬食って体が死んでも、しばらくすれば本当に生き返っていた。


 死んでも生き返るってのは、すごく怖いよ。

 何しろ、死ぬほどの痛みや苦しみを何度経験しても、また"蘇る"のだから。


 ただ不老不死の薬が肉体に与える効果には時間制限があり、それが5000年から20000年という期間だった。

 どれだけ効果のある薬でも、薬効が効く期間を過ぎてしまえば意味がない。

 よく効く風邪薬を飲んでその日は元気になったけど、翌日になったら薬が切れて、また元の状態に戻ってしまった。なんてのと同じだ。

 おかげで、不老不死の薬の効果が切れた後、僕の最初の人生は、肉体の死を迎えて終わった。


 もっとも魂に対する不滅の効果は"永遠に続く"ので、その後転生して別の体に蘇ることが出来るのだった。

 そうして今も、僕は肉体が滅びても、また新しい体に転生し続ける人生を送り続けている。



 しかし、その辺のことはいい。

 キノコ、毒、も、もう嫌だ。やめて、やめて師匠。死ぬ苦しみを、毎日毎日味わいたくない。


「大丈夫だよ。1000年くらい毎日食べ続けていれば、口に入れただけで、どんな成分が含まれているか自然と勘で分かるようになるから」



 ……ああ、ト、トラウマが。ああああーっ。


「ウ、アアアアーッ」

「に、兄さん、大丈夫ですか!」

「うおっ、レギュレギュが白目向いて壊れたぞ!」


 トラウマを刺激され、僕は以前マザーに喰われてしまった時の様に、醜態をさらすはめになってしまった。


 師匠、あなたが僕に毒薬食べさせるときに、いつも「エヘヘー」って笑ってましたよね。

 僕が苦しむ姿見て、心の底から楽しんでたでしょう!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ