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224 働くダークスケルトン

 デネブの狂態なんかもあったけど、玉座の間へ到着。


「玉座へどうぞ」

 とは、ドナン。


 僕が玉座に腰を下ろし、さらに兄弟たちにも似たような椅子が用意されていて、皆そこに座っていく。

 なお余談だけど、この椅子に背もたれはない。

 僕たちドラゴニュートには翼と尻尾があるので、背もたれがあると邪魔になって座れないんだよね。



「おおっ、俺様、偉くなった気分」

 前世一般人のミカちゃん。

 玉座に座って臣下と言う名の、スケルトンどもが集まっている光景に興奮している。


「僕はできればこういうのは遠慮したいな……」

 逆にユウは、大量に集まっているスケルトンたちから崇めるように見られていることに、困惑気味。

 豆腐メタンルとは言わないけど、精神がミカちゃんみたいに図太くないからね。


「ユウ兄さん、こういう時は堂々としてたらいいんだよ」

 逆に普段暢気なレオンは、こういう場でも全く動じてない。それどころかユウにアドバイス。

 我が家で一番子供と思っていたレオンだけど、実は将来大物になるかもしれない。


「ウフフッ、この椅子の取っ手の宝石も綺麗ね」

 フレイアは椅子に嵌め込まれているルビーを見て、またしても光物に虜になっていた。


「私の椅子の宝石も綺麗です」

『ドラドも、だーい好き』

 リズとドラド。2人も椅子にはめ身まれている宝石を、手でナデナデしている。


 どうやら我が家の女性陣は、宝石に本当に目がない様子。もちろんこの女性陣の中に、中身オッサンのミカちゃんは含まない。


 光物が好きなのを子供らしいとは言えないけど、女性らしいということはできた。

 しかし、見た目幼女のドラドまで宝石にうっとりしているとか……。


 ……妹たちは全員精神年齢2歳時だけど、それでも女と言うことだろう。

 こんな子供の頃から宝石大好きとか、やっぱり子供でも女って奴はなー……。


 ああ、そんなことを考えていたらいろいろと過去の女性体験を思い出して、胃がムカムカしてきた。

 ったく、人の稼ぎを勝手に使いまくるばかりの、ろくでもない疫病神どもめ……

 ああっ、嫌なことは考えないでおこう。




 ところで玉座の間に来るまでの間に、拠点内でダークスケルトンたちが労働にいそしんでいる姿を見ることができた。

 以前は拠点拡張のためにアンデットアントが掘り出した石や土砂をスケルトンが運んでいた。


 だが、それらの単純労働が一転。

 部屋の一部では、ドナンが指導したらしく鉄やモンスター素材から、武器防具の製作をダークスケルトンたちがしていた。

 そこで作られた品で、玉座の間に集うダークスケルトンたちが武装している。


 鉄の槍に、モンスターの革が使われた皮鎧。

 さらにダークスケルトンの中でも体格のいい個体には、鉄製でなく骨の槍が装備されていた。

 この前倒したベヒモスだけど、1体はアンデットにせず骨を回収したので、その骨を使ったのだろう。


 鉄より骨の方が頑丈なのは不思議に思えるかもしれないが、そもそもベヒモスは巨大な体をしていて、その重量を骨が支えているわけだ。

 当然、その骨は人間の骨よりも遥かに頑丈で、鉄に勝る強度があるわけだ。


 こうして素材が有効活用されているのは、実にいいものだ。

 しかも自前で素材を加工できるようになったとは、素晴らしい。



 他にもダークスケルトンたちが知性を有したことで、作業の幅が以前とは比べ物にならないほど広がり、拠点の中には、木製の机と椅子が置かれている部屋もあった。


 これまで机と椅子は全て劣化黒曜石か、石でできていたのに、それが木製になった。

 石より木の方が座り心地がいいわけで、これも大きな進歩だろう。


 木材を確保できるようになったとは、ドナンから報告で聞いていたけれど、それが加工までされて使用されていることが、僕としてはなんとも感慨深い。


 これらの家具を作製したのも、ドナンが指導したダークスケルトンの職人によるものだ。


「ようやく石器時代を超えることができる」

 今までの劣化黒曜石とモンスター素材の生活から、徐々に抜け出せている。

 これらの成果に、僕は我知らず涙がこぼれてしまった。

 非文明社会から抜け出していく実感がして、嬉しすぎるよ。




 玉座の間で全員で集まっていたのは、わずかな時間。


 この後は解散になって、各自自由行動となった。


 僕はドナンと共に拠点のこれからのことを話し合い、兄弟たちもそれぞれに好きなことをしていく。


 今日1日は第二拠点で過ごし、明日から狩りの旅へ向かう。

 狩りの旅になる前に、第二拠点で1日過ごすのがすっかり定番となっていた。


後書き(とある罪人の告白)



 とある罪人こと、作者のエディです。


 作者の脳内では、デネブとスピカの名前がごちゃ混ぜになっていて、たまに名前を書き間違えています。


 ナ、ナンテコッター!



(おかしいなー、スピカは『今日も異世界チートしてますが、それが何か?』って話でも登場した人物ですが、なぜかデネブと混同してしまいます。たぶん2人とも、サブ人格という存在だからやらかすんでしょうね~)

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