18 ライト・ブレス(笑々)
毎日の生活に、瞑想をしながらの魔法トレーニングを組み込むようになって数日。
相変わらずミカちゃんは、黙って瞑想できる性格をしていなかった。
床の上で足を組んで座るんだけど、ミカちゃんの足は思い切り揺れている。
貧乏ゆすりだ。
目を閉じているのに、足だけブンブン動いていて、そのせいで風まで出てくる始末。
人間よりも身体能力の高いドラゴニュートだから、無駄に身体能力が生かされている。
「ガーーーーッ!」
で、静かにしているのに耐えられなくなって、ミカちゃんは目を見開いて立ち上がった。
両手を握り締めて空へ向け、自分の体の3倍ほどの高さまで飛び上がる。
足を組んでた状態から、いきなりその高さまで飛び上がれるから、ドラゴニュートの身体能力は本当に高い。
あるいはミカちゃんだから、座禅状態からこんなおかしなジャンプをできるのかもしれない。
ミカちゃんに常識を求めてはいけない。
きっと、ギャグキャラなんだ。
なんて思いながら、ミカちゃんを見てた僕。
ジャンプの後スタっとミカちゃんが地面に着地した瞬間、なんとその目から光が飛び出した。
「?」
ミカちゃんの目から、光が飛び出している。
突然の出来事に、さすがのミカちゃんも困惑する。
「フ、フハハ。レギュレギュどうだ、ついに魔法を使えるようになったぞ!」
やがて1人で納得し、ミカちゃんは目から光線を出しながら、偉そうな態度をとった。
真っ平らなない胸を突き出して、腰に両手を当ててふんぞり返える。
でもね、
「ミカちゃん、それは魔法じゃなくて光のブレスだよ。どうして、君はブレスを口でなく、目から出せるようになったんだい?」
そう、ミカちゃんには残念な事だろうけど、目から出ている光は、ライト・ブレスの光なのだ。
ブレスと魔法は、どちらも魔力が関係しているが、それでもブレスと魔法は全く別の物だ。
しかし、額の次は目からライト・ブレスを出せるようになるとか、どうしてこうなる?
「なん、だと……」
「ミカちゃんって、本当に斜め上の事をやらかすね」
ミカちゃんは地面に膝を付いて、ガクリと項垂れた。
まあ、目から光を出せるようになったので、真っ暗な夜道に困ることはなくなっただろう。
相変わらず懐中電灯としては優秀だ。
それにしてもミカちゃんは、宴会芸のギャグネタを増やすつもりかな?
フフフ。




