表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したら七つ子の竜人(ドラゴニュート)兄弟だった  作者: エディ
第3章 第2拠点と不死者(アンデット)
163/281

160 お兄様にダイブ

「おかえりなさい」

『お帰りー』

 第2拠点へ戻ってきた僕たち。



「うへー、疲れたー」

 リズとドラドに出迎えられたけど、今日は魔力を使いまくったので、僕は真っ先に床にゴロリと寝転ぶ。

 強化ゴブリンスケルトンを結構作ったし、フレイアの太陽魔法を無力化したし、あとおまけでドナンをリッチに作り替えたりもした。

 僕、この世界に生まれてから、まだ1歳児なんです。


 転生を繰り返しているけれど、魔力(マナ)の量は魂に引き継がれるわけでなく、その時に転生した体がベースになって決まる。

 (よわい)1歳で、扱える魔力が常識外れに多いドラゴニュートだけど、それでも前世の僕と比べれば、扱える魔力量はかなり小さい。


 ……まあ、魔王なんてやれる体と比べてしまえば、さすがにドラゴニュートと言えど、見劣りして仕方がない。

 ただし1回脱皮したことで魔力の保有量が増えたから、将来脱皮を繰り返せば、さらに多くの魔力を操れるようになるだろう。


「今の段階でこれだけ魔力を操れるってことは、この体ってどこまで伸びるんだろうね」

 自分の操れる魔力量が多くなるのはいいことだ。だけどそれは同時に、フレイアにも成長の伸びしろがまだまだあるということだ。

 今の全力で太陽魔法を使ってるから、もう2、3回脱皮したら、星の一部が溶けてなくなっちゃいました……なんて極悪魔法を習得しなきゃいいけど。


 そうなったら、地球にある核兵器どころの威力じゃないね。

 ……フレイアには、絶対に破壊魔人染みた性格に育って欲しくないものだ。



「お兄様ー」

「ゲフッ」

 なんて思ってたら、床に寝転がっていた僕の上に、フレイアが全身ダイブしてきた。


 疲れていたこともあって油断していたので、もろにフレイアに圧し掛かられてしまう。


「フレイア、重い」

「私はレディだから軽いですわ。ホホホッ」

 こんな時にレディぶらなくていいよ。

 それにどう言おうが、重いものは重い。ついでに背中の辺りに、柔らかい物が当たるけれど、重いんだよー。


「ウガーッ、フレイアたんのオッパイは俺のもんだー」

「ゲフッ」

 なんて油断しまくってたところに、さらにミカちゃんまでダイブしてきた。


「レギュラス、貴様に俺のフレイアたんの胸は渡さん!」

「ミカちゃん、私の全てはレギュラスお兄様のものですわ!」

「Noー。俺の愛おしのフレイアたんが、レギュレギュの毒牙にかかってしまったー!」

 僕の上で暴れ回るなよ。重たいんだって。


「わー、皆楽しそうだね。僕も突撃ー」

「ゲフッ」

 レオンまでなぜかダイブしてきやがった。

 俺は座布団でも、布団でもないぞ!


「楽しそうですね……ていっ」

「ゲフッ」

 ノウッ、リズまでなぜダイブしてくる。


『ワクワク、ドラドも……』

「「お前はダメだ!」」

 最後にドラドまでダイブしようとしてきたのを、僕とミカちゃんが即座に止めた。


 今のドラドはドラゴニュート形態。

 変身(メタモルフォーゼ)を使えば見た目が変化する上に、変身先の能力をある程度引継ぐぐようになる。

 その中には体重も含まれるけど、あくまでもある程度であって、全てではない。

 なので元がドラゴン体型のドラドにダイブされれば、僕たちはドラドに潰されてしまう。


 死なないとは思うけど、口から内臓飛び出しそうになるかも……マジで止めて。



『ショボンッ』

 ドラゴニュート形態にして、幼女体型のドラドがションボリするけれど、だからと言って保護欲をやたらとそそる表情に負けてはダメだ。

 僕は、こんなところで死にたくない!



「ここが僕たちの第2拠点です。……あれ?出発前はただの洞窟だったのに、天井も壁もすごく黒くなってますね?」

 そんなところにユウが、今回味方にしたドナンとおまけレイス、シャドウたちを連れてやってきた。

 なお出発前にユウと一緒に送り出したスケルトンどもは、フレイアの太陽魔法によって壊滅している。なので、シャドウへと進化を遂げた連中以外は全滅だ。


「おお、なんと禍々しい。まさに死の王に相応しき居城ですな」

「おおおっ、我らシャドウ一同。レギュラス様に素晴らしき城に感激いたします」

 ドナンとシャドウたちは、そんなことを言ってる。


 ちなみにユウたちが出かけていた間、居残り組だった僕とリズ、ドラドの3人で、ただの洞窟を住みやすくするための工事をした結果、現在のようになっている。

 壁も天井も、全て劣化黒曜石製。

 つまり、黒一色になっていた。



「城って……ただの洞窟だろう」

 感動している連中は何を言ってるんだか。

 僕から見れば、ここは所詮ただの洞窟。内部に手は加えたけど、外から見れば、ここは丘の中にあるただの洞窟にしか見えないだろう。





 まあ、それはさておいて。

「そうだシャドウ。ここの洞窟の奥に石ころが山積みになっている部屋があるんだが、その中からグラビ鉱石を分別しておいてくれ」

「了解しました、我が主よ」

「部屋は分かるか?」

「スケルトンだった時の記憶が残ってますので、大丈夫です」

 3体のシャドウどもは、さっそく仕事へ向かって行く。


 うむうむ。

 素晴らしい労働力だ。

 ただし日本語をしゃべれるようになったとはいえ、元がゴブリンなので、ちゃんと石とグラビ鉱石を仕分けられる疑問だ。

 あとで、ちゃんと確認を……


「そうだ、ドナンとおまけレイス。お前らはシャドウがただの石とグラビ鉱石を見分けられるか、確認してくれ。ただし奴らの作業には手を貸すな。あついらの知能レベルを知るための実験だからな」

「グラビ鉱石とは、なんですか?」

「そこにある石だよ」

 拠点の中に転がっていたグラビ鉱石があったので、それを指さす僕。


「……なるほど、この魔法石の事ですな。我が主よ、承知いたしました」

 そう言い、ドナンとおまけレイスも、シャドウたちの後を追いかけていった。



 さて、仕事は割り振った。

 あいつらはアンデットなので疲労を感じないし、夜中だろうと平然と働いていられるので問題ない。

 なので奴らに仕事は全部任せて、僕は寝るぞ。


 今日は疲れた。

「お兄様ー」

「フレイアたんー」

「……」

 お前ら、僕の上にいつまでも乗っかってるんじゃねえ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ