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驚愕の状況


――『今、私達はヘリで富士山上空に来ております。まずは事の始めを説明させていただきます。』


テレビにはフシテレビ人気アナウンサー、井藤アナがマイクを握りカメラに向かって話している。

そして画面の端には緊急生放送の文字。



『今朝、フシテレビ本局に一本の電話がありました。[午後1時に富士山上空に行け]という電話が。最初は悪戯という風に思っていましたが調べてみたところ他局にも場所は違いますが同じような電話が来ていることが判明し、何かあるのではと思い急遽取材に参りました。そしたらどうでしょう。

先程から、少しずつではありますが富士山山頂に異変が起こり始めたのです。最初は富士山火口の中心部分から闇が広がり始めました。しかし、今はもう既に富士山山頂を全部闇が覆っている状況です…』


画面の富士山山頂が画面いっぱいに拡大され映し出される。

たしかに富士山山頂は黒い何かに覆われている。


そこで突然井藤アナにカメラが向けられる。



『え……たった今情報が入りました!1時現在、陸上自衛隊北富士駐屯地と航空自衛隊浜松基地に出動要請が出されたとの情報が入りました。何故でしょうか…………あ…あれは………か、カメラマンさん!あ、あれ!』


井藤アナが指差した先にズームする。

そこに映し出されたのは闇から立ち上がろうとしている漆黒の肌をもった巨人…いや魔神を思わせるような怪物だった。

と、そこに複数の爆発。その爆発は巨人の胸部分から発生した。どうやらミサイルのようだ。

煙りに覆われる巨人。そこを通り過ぎようとする2機の戦闘機。突然煙りの中から手が伸びてきたかと思うと2機の戦闘機を一気に薙ぎ払って落とす。爆発を起こし散っていく戦闘機。


煙りが収まったと同時に富士山麓(ふもと)で待機していた陸上自衛隊の攻撃が始まる。しかし、その攻撃は巨人には対した能力を発揮していない。まず当たってさえいない。巨人の身体に当たる前に見えない何かに当たっているだけなのだ。先程のミサイルもこの壁に当たっただけだったのだろう。


無傷の巨人は真上に片手を伸ばした。すると魔法陣らしきものが陸上自衛隊の部隊が展開している場所に出現した。

魔法陣が輝き出す。するとそこから大きな氷山のような氷塊が生み出され部隊の全てが飲み込まれる。

その巨大な氷塊を巨人は一殴りで壊し、中の人や車両など色々な物を一気に粉砕した。


突然巨人はこっちを向く。ヘリの存在に気づいたようだ。



『や、やばくないですかパイロットさん………に、逃げましょうよっ!!!』


そう言った井藤アナの声が聞こえた瞬間、巨人は手の平をこちらに見せつけるように手をのばす。


テレビ画面には手の平が画面いっぱいに映し出される。

手の平の中心に集まっていく黒い光。その光は徐々に大きくなっていく。


不思議なことにヘリは動く気配を見せない。



『か、神様…………っ!?』


井藤アナの震える声が聞こえる。

そこで画面に変化が表れた。

ゆっくりと巨人の手の平が画面の外へずれていったのだ。



いや、違う。


巨人の腕が落ちていく。



ウォーーーッ!!!



巨人は悲痛の叫びをあげるとヘリを気にする様子は無く、周りを見渡す。


しかし、何もいない。


次の瞬間。



ドスン



ずっしりとした重みをもつ"何か"が落ちた。


すると巨人は崩れるように倒れ込む。



その巨人の首には頭が無かった。


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