謎の書物と瓶の液体
青年はウキウキした気分で箱を覗く。
「黄色い液体の入ってる瓶と分厚い本…それと……落書きが書かれた紙か……………?」
……どう見たって魔法陣だろ、青年……
「あ、そう…?言われてみればそうだな、アハハハハ……」
……先が思いやられるな……はぁ…………
「よ、余計なこと言うなっ!!………ったくよぉ……ま、まぁまずはこの分厚い本から見てくか……」
青年はいかにも古そうな書物を持つと案外重たかったのか床に半ば落とすように置く。
「って、おもっ!!…なんだってこんな…………」
持ってみるとすごい重さでさっきまでの段ボール箱の重さとは桁違いだ。ざっと二千ページくらいありそうだ。
「さぁーて、なにが書いてあるんd…ウワァーッ!!!」
青年が本を開いたとたんにすごい勢いで勝手にページがめくれだし中に書かれている不思議な形の文字が光りだす。
「な、なんなんだ……?文字が…身体の中に………」
光りだした文字は次々と本から浮かび上がり身体の中に吸い込まれるように入っていく。
ついに最後の文字が身体に入り込んだ時、本は崩れ去るように消えていった。
「……なんだったんだ…?身体には異常無い…よな………?」
青年は自分の身体中を手で触って異常が無いか確認をする。
異常が無いことがわかった青年はホッとした顔を作った後にすぐ真面目な顔になり、突然両手を前に突き出し力をこめる。
「ハァーッ………ん?何も起きない…か………」
青年はガックリと肩を落とし少々落ち込んだようだ。
「何かの力を手に入れたんだと思ったんだけどなぁ…………」
「まぁ、いいや…えぇと……この液体……飲むのか……?」
青年は液体の入った瓶を取り出すとまじまじと見はじめる。
「……ん、俺の本能が飲めと言ってる。飲むしかない!」
そう言うと青年は瓶の栓を抜いたかと思うと一息で飲んでしまった。
「お、おえっ……マズすぎる………まぁでも毒じゃないみたいだし…いいや♪」
あまりにも無鉄砲すぎる青年だ。
「ふぅー………あ、もう1時か…テレビ点けてみっか……」
青年はあの黒服の人が言っていたことを思い出しテレビを点ける。