箱の中身は何だ……?
「……んー……これ…銃刀法違反だよな……通報するか…いや、でも"生き残る可能性"とか言ってたよな…まだ死にたくねぇしな……」
何故青年が唸っているかと言うと、なんとさっきの細長い箱の中には剣が入っていたのである。
剣の長さは約95cm、剣身は約75cm。重さ約1.4kg。片手半剣と呼ばれる大きさだ。
「あ……案外重いんだな…」
試しに鞘から剣を引き抜いてみた青年はやはり鉄(?)の塊なのか、と改めて実感した。
「ま、いっか……で、何なんだ?この首輪のようなものは…」
手渡されたほうの段ボール箱の中に入っていたカチュウシャのような形をした首輪のようなものはいかにも今の文明の産物ではないような代物だったのである。
「よく分からないな……ま、とりあえずこの説明書を読むとするか」
青年は説明書は読まない主義だが一緒に入っていた説明書を取り出し読んでみる。
「ん?なになに…『まずはアナライズスキャナーを首にはめてください。』か。アナライズスキャナーって言うんだな……
これってやっぱり首にはめるものなのか……よし、はめてみるか……」
青年はその不思議な首輪のようなものをはめてみる。
「うわっ、ピッタリ……ん?
『アナライズスキャナーは一度装着すると外せなくなります。』だと!?わ、まじかよ!!ほんとにとれない……」
困り果てる青年……
「はぁ……で、それで?…『アナライズスキャナーを指で2回叩いてください。』か…今度はなにが起きるんだか………」
疑いながらも2回叩いてみる。
トントン……
「う、うわぁーー!!」
視界の中にRPGによくありそうなメニューアイコンが浮かび上がる。
「はぁーはぁー……ビックリしたぁ…………『メニューアイコンを2回叩いてください。』か…」
今、視界の中にあるのは[ステータス]というメニューアイコンだけ。
トントン……
突然、視界が真っ白になり脳内に響くような声がする。
『……今回、この支給品を届けられた"人間"の方々はさぞかし驚いていることでしょう。
しかし、あなた達は生き残る可能性を手に入れたのです。
今から訪れる"脅威"に立ち向かえる"力"を……
これからやることは簡単です。
1.生き残ること
2.異形に立ち向かうこと
3.強くなること
これらはあなた達、いや、私達を"勝利"に導く術です……』
「…な、なんだったんだ…………?脅威とか力とか異形…終いには勝利とか……まるでゲームじゃねぇか………それになんだよこのステータスは……」